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企業ごとに人材育成の方法は変わる!優秀な社員を増やす人事データの作り方

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人材育成の方法や人材育成の用語を説明しているブログは多くあるが、あなたの会社に適した人材育成方法を見つけるのは難しいのではないだろうか?

当記事では、あなたの会社では長く働く社員は優秀な社員となっているのか?という人材成長の進捗把握、そして、どれくらいの期間で人材育成は完了するのか?といった人事データの作成・分析方法をご紹介する。

しかも、本日紹介するデータ作成の方法は、無料EXCELテンプレートを活用しているのでコストもかからず、基本のデータ作成は事務員レベルでも可能である。

まずは、人事戦略・人材マネジメントを決断する上で、どのような人事データが必要となるのか?ということからお伝えしよう。

1.平均勤続年数は自社の人材状況を示す数値である

最初に、基本的な会社の構造から見て行こう。

会社の機能をシンプルに考えると「指示する人」・「指示される人」の2つに分けることが出来る。そこで重要となる平均勤続年数は、自社の人材状況を示す数値となる。

 

1-1.会社の基本構造はピラミッドの形になっていなければならない。

当たり前だが、指示する社員はたくさんいる必要がないし、逆に指示を受けて実作業をする社員数は多い方が良い。

組織ピラミッド

そのため、会社の基本構造は上記の様なピラミッドのような形となる。

あなたの会社では、指示する社員1名に対して指示を受ける社員は何名必要な業種だろうか?これは、業種によって大きく変化する。あなたの会社では、1名のマネージャーにつき、何人の部下がついているだろうか?

 

1-2. グラフの形から人材育成の課題を発見しよう。

日本企業の場合は、若くても能力があれば役員として抜擢する。という成果主義は浸透しにくい。そのため、ある程度は年齢層で役職を区分する方が上手く機能するだろう。

しかし、年功序列は入社と退社人数が常にバランスを取っていることを前提に置いている。

それが崩れ、新入社員が入ってこない、または入ってもすぐに辞め、ベテラン社員ばかりになるという「少子高齢化企業」の組織構造になってくると様々な問題が発生する。

誰もがイメージしやすいのが日本の年齢階級別の人口グラフだと思う。その形は以下のような「つぼ型」をしている。

年齢階級別の人口グラフ

参照URL:総務省統計局

社員年齢層が増え、若い社員の採用人数が減り、上記のような形になってしまうと、以下のようなステップで組織構造が悪化し、解決できないレベルの問題となってしまう。

会社の少子高齢化に伴う4段階の悪循環

  1. 会社の規模が変わらない限り、必要なマネージャー・管理職の数は変わらない。
  2. 勤続年数が増えていくと、ある程度の昇給・昇格をさせる必要が出てしまう。
  3. 仕事の内容は作業員なのに、肩書が付き、支払わなければいけない給与が増える。
  4. 人件費が高騰するだけでなく、指示に従わない「高給取り作業員」の比率が増える。

1-3. 日本の平均年収から見る理想的な社員構成比とは?

給与階級別の給与所得者数データ

参照URL:国税庁民間給与実態統計調査

上記の図は、我が国の勤続年数別の平均年収のグラフだが、非常に参考となるデータだと思う。

なぜなら、上の役職に行けばいくほど、その枠は限られる。そのため、やや左寄りの「作業員」が多めの勤続年数構成であることがベストであるといえるだろう。

2. 人材育成の方法を決めるための平均勤続年数グラフ

では早速、あなたの会社の勤続年数別の社員構成比率をチェックする方法について見ていこう。

RABLEでは、以下の様にスタッフ名と入社日・退社日を入力するだけで、自動でグラフや表が作成されるEXCELテンプレートを無料で配布している。

たったこれだけの作業で、あなたの会社の社員構成比がわかるので、ぜひ、挑戦してみて欲しい。

2-1. あなたの会社の平均勤続年数の内訳を確認する方法

先ほどもピラミッド型やつぼ型と言ったグラフの形を説明してきたが、勤続年数ごとの社員数を調べなければ、先ほどのようなグラフデータを出力できない。

私たちが無料で提供している離職管理EXCELテンプレートでは、以下の黄色のセルに、勤続年数グループを分ける年数をそれぞれ打ち込めるようになっている。

未成熟層・新人層・中堅層・ベテラン層という、4段階の勤続年数を決めることが出来れば、勤続年数ごとの社員構成比率が表とグラフで自動生成されるようになっている。

勤続年数ごとの社員構成比

しかし、どういった基準で勤続年数を4つのグループに区分すればいいか決めにくい、と感じられる方もいらっしゃるはずだ。

そこで、どのような基準で定義すれば良いか?という方法をご紹介したいと思う。

2-1-1. あなたの会社の人材をカテゴリー別に定義してみよう

まずは、あなたの会社では、どういった基準で新人社員やベテラン社員と位置付けているだろうか?一般的には、以下のようなざっくりとした勤続年数で決められていることが多いだろう。

一般的な区分 平均勤続年数目安
新人 3年
一般社員 3年から10年
中堅社員 10年以上
管理職・マネージャー 年功序列的に上から順に

※業種や採用形態によっても変化する。上記の表は正社員を対象にした一般的な区分

しかし、実際には会社によって決め方はバラバラであるし、業態によっても変わる。そこで、以下のような2つの切り口で自社の人材グループを決めるようにしてほしい。

2-1-2. 求める役割と作業能力の2つの切り口で社員構成比を考えよう
階層 求める役割による定義法 作業能力による定義法 期間
未成熟層 先輩から教えてもらい学ぶ段階 1つの業務・部署を教えている段階 1年未満
新人層 指示がなくても黙々と作業出来る段階 1つの業務・部署は完全に任さられる段階 3年未満
中堅層 新人に仕事を教えられる段階 複数の業務・部署を任せられる段階 10年未満
ベテラン層 トラブルが起きても対処できる段階 ほとんどの業務・部署を任せられる段階 10年以上

上記の表を参考にして、あなたの会社でも求める役割の定義と作業能力の定義を設定して、社員の階層を決定しよう。

それぞれの階層に合う役割と能力を定義できれば、その段階に到達するまでに必要な人材育成の期間を設計することが可能だ。

あなたの会社で将来的に増やしたい人材の階層を設計するためのコストや期間を決定しよう。

すると、以下のグラフのように、どの従業員層が増えているのか?ということを確認することができる。以下の企業のデータならば、社員数にそれほど変更がないが、中堅層などがしっかりと育成されていっていることがわかる。

このように、人材戦略を計画し、マネジメントの仕組みを作り上げることは、とても重要なので必ず十分な時間をかけて丁寧に定義していこう。

 

参考事例:飲食店でFC展開をしている企業事例4段階の階層を設定し能力獲得までの締切を設定したマネジメントの仕組み

  • 未成熟層:

「単純に職場内での作業をいちいち教えてもらうことなく、一定以上の速度と質で出来るようになるまでの能力」このような能力を習得させるためには、指導する現場管理者に、指導マニュアルを理解させ、習得までの目標期間を1年以内と設計する。

  • 新人層:

「職場内の様々な業務を経験し、部署内(店舗内)のことは上司に質問しなくてもこなせる能力」ここまでの能力を習得させるためには、指導する教育担当者を決定し、新人層が習得できるまでの目標期間を3年以内で設計する。

  • 中堅層:

「高い基準で自分自身が職場内で作業できる能力」だけでなく「部下に対して、離職させずに、優秀な社員にOJTで育成できる能力」という、作業だけではなく指導するという2つの能力を習得するまでの目標期間を10年で設計する。

  • ベテラン層:

「職場の全ての業務について理解し、何が課題となっているのか発見できる能力」だけでなく、「人材を管理するための仕組みを作ることが出来る能力」という2つの能力を習得するように目標を与える。

このように、2つの切り口でのどちらかで定義すれば、「能力を習得する」という人材育成目標・そしてそれまでの期間(締切)も決定できる。すると、それぞれの社員が目指すべき・身につけるべき明確な目標が決まるため、職場貢献意識を育てることにも活用できる。

逆に目標が曖昧であれば、社員はいつまで経っても成長しない。仕事を覚えない・言われたことしかやらない社員が多いと感じている場合は、まず自社の社員カテゴリの定義をすることから始めよう。

2-2. 勤続年数ごとの離職人数グラフで人材戦略を決定しよう

次に、どの階層の人材が不足しているのか?ということを様々な企業データの事例から、勤続年数ごとの離職人数グラフで確認していこう。

勤続年数の設定を終え、自社の人材構成比率をチェックできれば、自社が抱える人材課題を見つける段階に移る。無料エクセルテンプレートでは、比率だけでなく、実際の離職人数もグラフで作成されるようになっている。

勤続年数ごとの離職人数グラフで確認すべき4つのチェックポイント

チェック1:未成熟層の離職比率が多くなると発生する課題

未成熟層の離職比率が高くなっている場合は、若手の定着が上手くいっていないことがわかる。例えば、1人当りの採用コストが5万円程度であっても、30人採用して10人しか残らないならば、実質の採用コストは1人当り30万円程度になってしまう。

なぜなら、1年以上自社で働いてくれる社員を獲得するためには、3人採用してやっと1人確保できる計算になってしまうからだ。それを私たちは定着人材獲得コストと呼んでいる。

1人当たり定着コスト

すると「未成熟社員には指導できる先輩社員を付けてフォローさせる。」「簡単な単純作業ばかりをさせて、モチベーションを下げさせない。」「職場に馴染めるように、レクレーションなどを開催してサポートする。」など、新しい取り組みの必要性を自然と考えるようになる。

このコストが高くなれば、採用負担や人件費が上がってしまうので、部署毎に1年定着コストを計算し、管理職を評価する指標にすると良いだろう。もちろん、3年定着コストなど期間を延ばしても良い。

チェック2 新人層の離職比率が多くなると発生する課題

コスト的に考えれば一番企業の負担額が大きくなるのが、新人層の離職だ。なぜなら、人材を育てるのは一番お金がかかるからだ。

人材育成コストの負担例

  • 上司や先輩社員が自分の作業時間を割いて指導に割いた多くの時間
  • 新人の失敗経験も育成の為には必要なので、取れなかった契約などのロスト金額
  • 充分な売上を上げられない。会社に貢献してくれない。その時期も払い続けた給料

これらのコスト負担が終わり、一人前の社員となってから会社に利益が返ってくる。

それなのに教えるだけ教えて「やっとこれから」という時に他社に流れたり、離職されれば、自社は大損になってしまう。逆に他社からすれば、ある程度の経験や知識がある中途社員は美味しい社員と言える。

そうならないために、しっかりと離職人数の進捗を確認し、人材育成の投資コストを無駄にせず、自社の売上・生産性につながっているかを確認するようにしよう。

売上が上がらず人件費率に悩んでいる企業の多くはこの層が課題であることが多い。

チェック3.中堅層の離職比率が多くなると発生する課題

この層のテーマは、「人材の層の厚さ」だ。この層の人数が減っていくと「新人社員に指導・指示したりできる人数」減ることになる。

中堅社員が一気に離職すれば、これまでに培ってきたスキルやノウハウ、コツと呼ばれる明文化できないものを失うことになる。

培ってきたノウハウやコツというものは、研修をすれば誰もが簡単に習得できるものでもない。経験が長い社員が離職する前にノウハウやコツを引き継いでいくためには、ある程度のかぶり期間が必要となる。

多くの人は当然と思われるかもしれないが、それはただ業務の担当替え・担当引継ぎをするということではない。「部下をここまで育てた。自分ではなくとも、彼らなら自分以上の成果を出してくれるはずだ。」という成果ベースで考えることが大切だ。

チェック4 ベテラン層の離職比率が多くなると発生する課題

この階層は、単純に当グラフだけでは判断が難しい。その理由は、勤続年数が長くなれば、職場のリーダー(コア社員)となれるかは別問題で、勤続年数が長くなれば、発言力が強くなってしまい、職場の和や協調を乱す問題社員になってしまうことも多いからだ。

問題社員が離職するのは会社にとって利益があるので説明を省略するが、コア社員の離職比率が上がっていれば問題となる。

コア社員の離職比率が増えると発生する課題

  1. 既存の部署を管理するだけではなく、新しい取り組みや改善を進める時のまとめ役がおらず、新規プロジェクト・組織改革・改善企画が実行段階に移らない。
  2. コア社員は組織の中心として働くので、「〇〇さんがいたから頑張れた」という精神的な支えがなくなり、「じゃあ私も」といった部下の離職連鎖が起きる可能性が増える。
  3. 優秀な管理者が組織に不在になれば、それぞれの社員が自分の経験や考え方を重視して仕事するので、まとまりがなくなり、店舗・部署によって仕事の質がばらつく。

2-3. 人材育成に勤続年数という期間目標を持つことが大事

ベテラン層は、勤続年数が長いからと言って、そこまでの能力があるか?と考えると、必ずしも【勤続年数=能力】とはならない事が多い。

エクセルに数値を入力し、【あなたの会社のベテラン社員は30人です】と言う計算結果が出たとしても、その30人全員に責任のある仕事を任せられるか?と聞かれれば、責任あるポジションを着かせたいとあなたが思うのは、そのうちの一握りだろう。

しかし、日本の多くの会社では、年功序列的に、経験が長い順に店長や課長、班長など、責任のあるポジションにつかせざるを得ない。そうしなければ、社員からの不満を買ってしまうからだ。

だからこそ、ここまで説明してきたように「それぞれの層での役割」に対して基準を設けておくことが大切だ。人材育成をそれぞれの勤続年数で分け、“その勤続年数に達する締切“までに、何を意識して仕事をさせるべきか?という、人材成長目標を決定することが大切だ。

3.自社の経営状況も数値は明確に表してくれる

ここまで離職を防ぐというテーマで書いてきたが、社員構成比率に大きな変化が生じる場合があるので、大きな変化が発生している場合には、以下を参考にして欲しい。

3-1.会社・事業が拡大している時に注意すべきポイント

特に創業から5年や10年以内の拡大期ならば、多くの人材を常に採用しなければいけないため、当然未成熟層・新人層の比率は大きくなる。

ただし、あまりにも未成熟層が多い場合は、管理者が足らずに現場は混乱してしまう。そのため、無理な拡大や出店が続いていないか?ということもチェックしておこう。

3-2.事業・店舗を撤退させた時に注意すべきポイント

また事業や店舗を撤退させた時も離職が発生する。すると、その年の離職数は例年と比べ多くなってしまう。

このような場面では、既存の社員が経営状態に対して不安を感じる場面もある。そのため、離職の連鎖が発生しないように気を付けなければならない。

3-3.会社変革期など、組織改革を行う場合の注意すべきポイント

会社方針や組織体制、これまでのやり方を変える時は、既存社員から大きな反発を受ける。すると中堅社員やベテラン社員といった古参社員が「今までの会社の方が好きだった」と離職するケースが増える。

このような場面では一気に人材を整理できるが、人望のあるコア社員を離職させてしまうと、残しておきたい他部署や多店舗の社員も同時に離職してしまう。

そのため、そうした変革期の場合は、多少売上が下がったとしても、該当部署・店舗に対して、無理な売り上げ目標を指示せず、それよりも人材育成に力を入れさせる、という指示をするようにしよう。

まとめ

勤続年数ごとの社員の離職人数データを取得しておけば、人材への投資コストを算出することにもつながるため、経営者も確認しておくべき重要な人事データだと感じていただけただろうか?

これらのデータから、企業ごとに変わる人材育成の方法を整理し、現場の管理職に対して、「どのスケジュールで、いつまでに、誰を、どの役割を果たせるように育成しておくこと!」と人材育成目標を指示することが出来る。

具体的な目標期間や達成内容を作成することで、管理職たちが取り組むべき課題が明確になるはずだ。

人材育成は特に抽象的な目的になりやすい。いつまでに、どこまでできるように育てておくのか?と言う締切を決めるだけでも、現場レベルの行動は大きく変わるようになる。

また、ここまでで紹介したEXCELシートの下部には、教育コストによる損失額を入力する表も用意している。

実際に、人材1人当たりへの投資コストを正確に計算するのは難しいのだが、離職によって、どれほどの損失額が発生しているか確認できるようになっている。

私たちがコンサルティングさせていただいた企業では、このシートで記入する育成コストは、採用コストのおよそ3倍以上になることがわかっている。

当記事で紹介したEXCELシートを活用して、人材育成の目標を設計し、どのような年齢層を増やし、どのような組織を作り上げるのか?ということを具体的に計画してみて欲しい。

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