離職マネジメント

社内アンケートで従業員の本音を引き出すテクニック10選

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社内アンケートを実施する上で、目指すべきクオリティとは一体何なのであろうか?それは「どれ程、回答者からホンネを引き出せたか?」である。
絶対に勘違いしてはいけないことは、アンケートの回答者数が多いことや、アンケートの項目数が多いことなどは、クオリティが高いとは言えない。

なぜなら、どれほどたくさんの回答を集めても、その回答が「建前で答えられた嘘のデータ」や「普段の自分の行動を盛った誇張回答」ならば、現場で起こっている事や従業員心理を正しくとらえることは出来ないからだ。

そこで本日のブログは以下の3つについて具体的なテクニックをお伝えする。社内アンケートを実施する上で、目指すべきクオリティとは一体何なのであろうか?

  • 導入部分の設計:回答者にホンネで回答しなければいけないと思わせる
  • 質問文の構成:アンケートの正解を簡単にはわからせてはいけない
  • 回答選択肢の設計:どれを選んでも正解だと思わせなければならない

当記事を最後まで読み進めて頂ければ、「これならば、直接部下や従業員に聞いても答えてくれなさそうなことも、聞くことが出来るに違いない。」と体感して頂けるはずだ。

具体的な内容としては、ホンネを引き出すためのアンケート作成方法として、絶対に守るべき11のルールを書いているので、ぜひ参考にして欲しい。

1.導入文章の設計

回答者にホンネで回答しなければいけないと思わせるために、導入文章の設計は最重要といえる。

なぜなら、この部分を上手く演出できるかどうかで本音での回答率、アンケートデータの精度を決めると言っても過言ではないからだ。

ではどのような文章をアンケートトップに書くことが重要なのか?

私たちが社内アンケートを実施する際に、必ず行っている4つのテクニックについてまずご紹介していこう。

従業員アンケートではできるだけ匿名回答をしないようにしようアンケートの具体的な項目設計に入る前に、まずアンケートに氏名を記入するのかどうかを決めなければいけない。特に職場や上司、職務内容に関する不満や満足度、などの調査をする際は、「上司や人事部に回答データを見られるのが怖い、気まずい」という心理から本音で回答してくれないだろう。と多くの方が考えている。

そういった理由から、社内アンケートでは匿名でのアンケートを実施するところが多いが、そうしてしまうと、従業員個々のマネジメントとしてのデータとしては使えなくなってしまう。

そこでRableで徹底している、氏名を記入させながらも、社員から本音の回答を拾い上げるテクニックをご紹介しよう。

1.アンケート回答の回収方法のアナウンス

では導入部分に是非書いておくべき内容をこれからご説明していく。

もちろん、導入部分に必ず記載しなければいけないわけではなく、従業員に対して事前にアナウンス、周知することで対応してもいい。

従業員アンケートをする上で意外に見落とされがちなのが、回収方法の設計だ。

例えば、紙ベースでのアンケートを回収する場合だと、自分の書いたアンケート用紙が「上司が見てしまうかもしれない」という不安を感じることになる。

そこで一番良いのがWEBでの回答だ。そうすれば、アンケートの回答結果が上司に見られなく済むからだ。

更にアンケートの回答画面は上司では見ることが出来ない。というように回収方法のアナウンスをしておくと、更に回答の精度は上がる。逆にWEBでは実施できないという場合でも、回収ボックスを設置し、そこに投函して貰い、人事部が回収しにくるという仕組みにしておけば、従業員の心理抵抗を小さく出来る。

2.回答結果データの利用目的のアナウンス

会社でアンケートを実施する場合には「目的を伝える」ことも極めて重要だ。

なぜなら、会社がコストをかけてやることであり、従業員は「どういった回答をすることが求められているのだろう?」と人事部、経営幹部の意図をどうしても考えてしまうからだ。

私たちが良く使うホンネを拾いやすくする導入フレーズ本アンケートは、社員の皆様から、職場・業務のどのような部分に課題があるのか?を特定し、自社の生産性・業務効率改善ヒントを集める為に行っています。

そのため、意図的に【良い回答】を狙っているようなことが見られた場合、再テスト、人事部からの指導が入ります。逆に、正直に悪い点数をつけているような場合には、高い評価をします。そのため、必ず本音で回答するようにしてください。

上記の様に、しっかりとアンケートの目的を明記していれば「本音で回答しない方が、評価は下がる。」という印象を強く従業員に刷り込むことができる。

そして更に「会社は現場のリアルな状況を把握したがっている」ということを利用目的としなければいけない。

回答する従業員に、上記のような利用目的を理解させることで、社内アンケートの精度を格段に高める事が出来るようになる。

3.回答データの閲覧権限者のアナウンス

また回収したアンケートデータの閲覧権限は誰なのか?ということをしっかり伝えることも忘れてはならない。

「もし、自分の回答が直属の上司に見られたら?」という不安をなくすためにも、アンケートの詳細な個人回答結果は、「人事部および経営幹部しか閲覧できない。」という事をしっかり伝えておこう。

そして、直属の上司が見れるのは、「誰がどのような回答をしたのか?ではなく、上層部から発表される全体の集計データのみ」というデータの管理体系を詳細に詰めておけば、従業員の不安を更になくすことができる。

4.回答データの排出形式のアナウンス

またアンケートは実施したら、必ず社員に得られた課題や分析結果をフィードバックするようにしてほしい。そして「アンケート結果はどのような形で社員に返すのか?」という分析目的を先に決めておけば、「こういった情報を返すので、丁寧に本音で回答して欲しい」ということをよりリアルに伝えることが出来る。

あなたは、社内アンケートをする際に、上記4つのアナウンスをしっかりしているだろうか?導入文章をしっかりと計画しておけば、必ず社員は本音で回答してくれるようになる。徹底して、従業員がホンネで回答したデータを集めるにはどうすればいいか?というのを考えるようにしてほしい。

2.質問文の構成

ここまでで、従業員は回答しても誰かに見られる不安もなくなり、どのような目的のアンケートで、誰が閲覧し、どのような回答結果を得られるのか?ということを理解できている。

しかし、まだまだホンネの回答を集められるか?ということについては、安心できる状態とは言えない。

なぜなら、「無意識に正解を探してしまう」という正解バイアスを取り除く必要があるからだ。
つまり、アンケートの正解を簡単にはわからせてはいけない。

そこで、「アンケート作成者の意図を回答者に読ませない。」ための工夫をすることが重要になる。この質問構成のパートでは、私たちが行っている2つの質問の2つの出題テクニックについて紹介しよう。

5.○○についてお聞きします。というフレーズは絶対に使ってはいけない

よくアンケートに見かけられるのが「○○についてお聞きします。」や「○○に関する質問です。以下の問いに・・・」というフレーズだが、これは絶対にやってはいけない。
例えば、以下のような内容では、ホンネを引き出すことはできない。

概念ラベル 質問項目
組織愛着度 会社愛着度について質問します。あなたは、当社に愛着を持っていますか?

なぜなら、回答者が「○○について聞きたいんだな。」と分かった時点で、「ウチの会社は今□□が課題だから、こう答えた方がいいな。」という大体のイメージを無意識に持ってしまうからだ。このような先入観が入れば、正しい数値ではなくなってしまう。

概念ラベル 質問項目
組織愛着度 あなたは、自分の会社や仕事内容について、知人や恋人、家族に話すことはありますか?

そこで私たちがアンケートを設計する際には、質問項目とは別にまず聞きたいことのテーマ(概念ラベル)を作成する一方で、質問項目には直接入れ込まない事を大切にしている。上記の項目の場合であれば「あなたは会社に愛着を持っていますか?」なんて質問をすれば、誰もが「あります。」と答えるに決まっている。

そこで、愛着がある人間は、プライベートでも「会社や仕事の話をするはずだ。」と表現を変え、項目作成をしている。【組織の愛着】という言葉を使わず、どういった言い回しなら、社員の組織に対する愛着度を測定できるか?そういった項目作成テクニックを身につけるコトは、精度の高いデータを収集する上で非常に重要となる。

6.同じ種類の質問は連続して使わずランダム出題させる

また以下の様に、同じ種類の質問を連続させることは極力しないようにしよう。

質問NO 質問内容 質問NO 質問内容
Q1 上司関係に関する質問1 Q6 職場人間関係に関する質問1
Q2 上司関係に関する質問2 Q7 職場人間関係に関する質問2
Q3 上司関係に関する質問3 Q8 職場人間関係に関する質問3
Q4 上司関係に関する質問4 Q9 職場人間関係に関する質問4
Q5 上司関係に関する質問5 Q10 職場人間関係に関する質問5

上記の様に同じ質問が並んでしまうと、誰の目にも「何の質問をされているか?」の予想がつきやすいからだ。そうすれば、「さっきはこう答えたから、この質問ではこう回答した方がいいな」といったように、回答の帳尻合わせを無意識にしてしまうからだ。

3.回答選択肢の設計

では最後に質問文に対する回答文、選択肢の設計に入っていこう。

7.回答選択肢はリッカートスケールで構成する

例えば、満足度に関するアンケートを取ったとしよう。

よくやりがちなのが、相手の意見を聞き出したいがために以下のような自由記述の回答欄を設置してしまうパターンだ。

Q1;本セミナーの満足度はいかがでしたか?以下に自由にお書きください。

簡単にイメージできないかもしれないが、文章は基本的に数値化することは出来ない。言葉では表現できないので、以下にサンプルを用意した。数値化できない理由をイメージして欲しい。

対照的に、以下のようなリッカートスケールによるものであれば、100人にアンケートを取った場合、全員に同じ質問、同じ回答形式で数値化することが出来る。

Q1:本アンケートの全体的な満足度についてお聞かせください。以下のいずれかの数値に丸を付けてください。

Q1.本アンケートの全体的な満足度についてお聞かせください。以下のいずれかの数値に丸を付けてください。
不満足 12345678 満足

すると、回答の集計結果は以下のような数値化されたものとなる。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん Fさん Gさん Hさん Iさん
Q1 4 3 7 6 5 8 6 2

アンケートの基本的に考え方としては、回答1は1点となり、回答8は8点として数値化する。

つまり、満足度をアンケートで取る場合、回答8を選んでもらう方が満足度が高い!となる。このように、どの程度満足しているのか?という、心理を数値化することが可能となるのだ。この気持ちの強さを測定する場合に、回答により心理の強さをレベルに分ける方法をリッカートスケールと呼ぶ。

そのため、アンケートをベースとする数値の作成は、基本的には「リッカートスケール」であるということを理解しておこう。

8.尺度は偶数にすべきか、奇数にすべきか?

ここで、尺度について簡単に説明しておこう。

尺度とは、回答1から回答3までで測定するのか?それとも、回答1から回答8とするのか?という、気持ちの強さにおける幅と考えてもらえれば良い。

リッカートスケールについての理解を深めることが出来れば、次は、どの間隔で選択肢を設計するかという事を決める必要がある。

選択肢が奇数
1.不満足2.やや不満3.どちらでもない4.やや満足5.満足

選択肢が偶数
1.不満足2.やや不満3.やや満足4.満足

一見するとこの2つに違いはないように思われるかもしれない。

しかし、統計学的にはこの2つには大きな違いが存在する。それは、真ん中があるかどうかだ。奇数であれば、必ずプラスでもマイナスでもないちょうど中央値となる数値が存在する。しかし、偶数項の選択肢であれば、必ずマイナスかプラスを選択しなければいけない事になる。

顧客アンケートや実態調査などの事実を抽出するアンケートであれば問題はないが、従業員アンケートの様に、心理に関することを聞く場合には、「どちらでもない」という回答に逃げる傾向がある。そのため、できるだけ偶数項の選択肢を作るようにして、プラスかマイナスのどちらかを必ず解答させるようにすることが望ましい。

【事例としてどちらでもない。という回答ばかりだった集計結果を掲載する。】

9.A/Bテストによる基準ライン作成

また心理に関するアンケートをする際に、注意すべきなのが、従業員の感じ方によって、回答の基準がバラバラになってしまうという事だ。

例えば、以下の様に選択肢が【1-2-3-4】と並んでいた場合、「どのレベルを1としてどのレベルを4とするのか?」それは回答者によって異なる。簡単に言えば、回答者の性格によって、高得点をつけやすい人、低得点をつけやすい人、といったように点数がバラついてしまうという事が考えられるのだ。

そこで点数を安定させるテクニックとして活用できるのがABテストだ。ABテストとは、選択肢の両端にイメージさせたいテキストを設置し、回答する際の判断基準をブレないようにすることができる。

質問:上司に報告したり、何か自分から話さなくてはいけない時、どちらの気持ちになることが多いですか?
怒られないか
不安な気持ちになる
1234 どのような内容でも
気軽に話せる

上記の様に左右にイメージしてほしい感情をあらかじめ記載しておくことでアンケートの精度を高めることが可能となる。

10.選択肢に優先順位をつけない

またアンケートの選択肢の数値そのものにも回答者の思考は引っ張られてしまう。

例えば、選択肢の1ばかりに良い数字がついていれば、回答していくうちに、「多分、選択肢は1ってラベルがついているものが、高得点になるんだろうな」という予想が誰にでもついてしまう。そこでRableでは選択肢のラベルに数値を使わず以下のような形式を活用している。

質問:上司に報告したり、何か自分から話さなくてはいけない時、どちらの気持ちになることが多いですか?
怒られないか
不安な気持ちになる
L2L1R1R2 どのような内容でも
気軽に話せる

上記の様な選択肢のラベルに数値が存在しなければ、L2とR2のどちらが正解なのか全くわからない。

つまり、左側に強く共感しているのか?それとも、右側に共感するのか?というように質問している。と理解させることが出来るのだ。

そのため、選択肢の番号そのものに先入観を抱かせない工夫をすることも大切だ。

まとめ:

精度の高いデータを抽出することにこだわろうこれまで様々な社内アンケートの精度を高めるテクニックをご紹介してきたが、あなたのやるべきことはたった1つだけだ。

それは、本音で回答したくなるアンケートをどうすれば作れるだろうか?と徹底的に考え続けることである。自社の課題を抜き出すためには、従業員アンケートの活用は必要不可欠だ。

しかし、単に項目を作って、集計するだけでは、作成したアンケートデータによって、自社の改善につながったり、課題を発見できるかどうかは運任せになってしまう。

なぜなら、アンケートを実施し、実際に出来上がった集計データを見るまで、どんな結果になるか?という見込み、予測が出来ていないからだ。

そうではなく、「こういうアナウンスをしておけば、こういう仕掛けを施しておけば、現場状況を的確に見抜いたデータを得ることが出来るはずだ。」というホンネの回答を抜き出すノウハウを身につけるコトが重要だ。

それができていれば、私たちの様に、自分たちが知りたい課題や改善企画案に関する項目を作成し、そのアンケートデータを参考にすることで、データ根拠を持って、職場の改善、人材マネジメントをしていくことが可能になる。

従業員心理を巧みに誘導し、上手く従業員の心理を抜き出す。

このテクニックを身につけることが出来れば、あなたはどのような従業員心理・感情・不満であっても数値化し、数値を持って従業員管理をするツールを手に入れることができる。

是非とも、従業員の本音をいかにして拾うか?ということに対して、徹底的に考え抜いてみるようにしてみて欲しい。

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