離職マネジメント

給与や待遇を改善せずに、離職率を改善できる7つのポイント

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あなたは、離職者が多い理由を外部環境のせいにして、打開策を考える事を怠っていないだろうか?
私たちが初めてクライアントにヒアリングすると「ウチの業界だけは特別なんだよ。この業界では昔から離職率はどこでも酷いもんだよ。」という内容を話されることが多い。

もちろん、業種によって、社員の成長意欲やチームワークを高めにくかったり、従業員満足度を高めにくく、業界や商品特性に依存する部分があることは理解している。

しかし、それはビジネスモデルが同じであって、「会社として同じか?」と考えれば話は変わる。離職率が高い業界でも、工夫次第で30%前後から1桁に変えることのできた企業も多い。

多くの事例を見ていくと、離職率を改善できた企業には、共通して「組織力を高める仕組みづくり」に熱心に取り組んでいたことが浮き上がってくる。
飲食業界など市場が飽和し、競合がひしめき合っているサービス業においても同じだ。
そこで、今回の記事では、業界に依存しない「組織力を高める仕組みづくりの方法」についてご紹介していく。

商品やサービス、ビジネスモデルが他社と差別化しにくい業界でも差別化できるものがオンリーワンの組織作りだ。
自社組織にオリジナリティを取り入れ、社員に「ウチの会社は違いますね!!」と活気あふれる職場作りを進めていくために活用できる視点なので、ぜひしっかりと抑えておいてほしい。

1.離職率が高い業界の改善は本当に難しいのか?

では本題に入る前に、まずは人材が不足しがちな業界と離職理由について整理してみよう。

1.1 離職率が高い業界ランキング

まずは「人手不足に陥りがちな業界はどれか?」に関して、以下のグラフを参考に見て欲しい。

人手不足の業界

厚生労働省HP:平成25年雇用動向調査結果の概況を参考に作成

上記のグラフを見れば、サービス業の人材の流動性は非常に高いことが分かるはずだ。他の業界も低いとはいえ、年々上昇しており、優秀な人材の争奪戦は今後一層激しくなるだろう。

では次に、一体どのような理由で離職する人が多いのかを見ていこう。

1.2 離職理由ベスト10

以下の表はリクナビNEXTが転職者100人に実施した、離職理由のアンケート結果を集計したものだ。

退職理由ホンネランキング
順位 理由 比率
1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。 23%
2位 労働時間・環境が不満だった。 14%
3位 同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。 13%
4位 給与が低かった。 12%
5位 仕事内容が面白くなかった。 9%
6位 社長がワンマンだった。 7%
7位 社風が合わなかった。 6%
8位 会社経営方針・経営状況が変化した。 6%
9位 キャリアアップしたかった。 6%
10位 昇進・評価が不満だった。 4%

参考URL:リクナビNEXT

上記の集計結果を見てみると、意外に給料や勤務待遇の比率の低さに驚かれるはずだ。
パッと見ただけでも、賃金などの要素より、上司や社長のマネジメントに不満を持っている事の方が多いということが分かるだろう。

次の章では、更にこの集計結果を細かく見ていこう。そうすれば、「業種によっては離職率を下げることは、諦めなければいけないことなのか?人材マネジメントでは絶対に解決できないのか?」という問いに対する答えがわかるはずだ。

2.離職理由から改善策を考えてみよう

あなたの会社で離職人数の多さが問題になっていたとして、思いつく限りの取り組みを全て実行に移すことは出来ない。なぜなら「改善しやすい要素」「改善しにくい要素」の2つが存在するからだ。まずは、改善しにくい要素から見てみよう。

2.1 真っ先に思いつくが、実際には改善しにくい3つの要素

離職理由2位:労働時間・環境が不満だった。

勤務時間・休日の改善
残業などの時間外労働時間を除き、定時の出勤時間や曜日など、勤務時間は業界や会社形態に大きく依存する。特にサービス業では、祝日など繁忙期に抜けられることは痛手となる。いくら社員が土日に休みたいといっても、軽はずみに答えることは出来ない。

離職理由4位:給与が低かった。

給料の改善
基本的に給料の改善は、自社の売上や付加価値を高める事によって、自然に上がっていくものだ。つまり、人件費の割合が高く、これ以上は上げることが出来ない場合、経営が好調になり、利益率が改善されてから、初めて取り組める問題となる。

離職理由9位:キャリアアップしたかった。

キャリアパスの改善
中小企業の場合、役職の椅子は限られており、全員が管理職としてのキャリアアップをさせる事は困難だ。大企業でも、意味のない肩書きを作るなどキャリア設計は課題となっている。部下のキャリアを引き上げるためには、まず自社の規模を大きくしないといけない。

2.2 業界を問わず改善できる7つの要素

逆に業界を問わず、変えることの出来る要素として7つのものがあげられる。以下の7つのものであれば、あなたの職場でも実行できるはずだ。

離職理由1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。

現場管理職(店長など)のマネジメント評価方法の改善
現場管理職が暴走し、自分の主観で職場を支配してしまうのは、管理職が絶対的な権力を持っている所にある。そこで管理職の評価に、従業員満足度(ES)や従業員視点評価などを取り入れることで、部下に対して、無意味な指示や指導をしないようにさせよう。

離職理由3位:同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。

職場の人間関係を改善
職場の人間関係は、現場管理者が頭を悩ませる課題の1つだ。特に日本人は感情を隠すため、実際にどうなのか聞くことも難しいし、むやみやたらに首を突っ込みにくいナイーブな課題だ。そのためRableでは心理データを用いて可視化することにしている。

離職理由5位:仕事内容が面白くなかった。

仕事内容の意義を伝えることを改善
仕事内容に関しては、「変えられない要素」であるとも思われがちだが、実はそうではない。「仕事内容が面白くない」と感じさせるような仕事の振り方・作業の進め方をさせてしまっていることが問題だ。作業の幅が広いように感じさせる現場業務の職務再設計を行おう。

離職理由6位:社長がワンマンだった。

現場の分権化を促進し改善
1人の人材に権力が集中するワンマン職場は要注意だ。ある程度の決定権を部下に与えないと周囲の人間は「私たちの話を聞こうとしない」と反感を持ってしまう。本当に核となる部分を除き、「周囲に任せてもいい範囲」を決定し、分権化を進めていくことが重要だ。

離職理由7位:社風が合わなかった。

社風の改善
もちろん社風には、合わない人・合う人がいるだろう。その相性はどの企業にも存在する。問題なのは、「社風に合わない人」を採用してしまっている所にある。採用方法を一度見直し、自社の社風に合いそうな人が興味を持つような求人ページに作り替えていこう。

離職理由8位:会社経営方針・経営状況が変化した。

経営方針・理念に現場視点を取り入れるように改善
あなたの会社でも理念やビジョンを掲げているはずだが、それは現場に伝わっているだろうか?ほとんどが抽象的である場合が多い。「ウチの社風はこうだから○○の仕事では□□するようにしてね。」と現場業務につながるレベルまでビジョンを具体化しよう。

離職理由10位:昇進・評価が不満だった。

公平な評価方法にする改善
職場のスタッフ評価については「良い」か「悪い」のどちらをつけても良い。それよりも重要な問題が公平性だ。Aさんの評価と自分の評価の違いが、「納得のいく理由か?」、「きちんと現場を見ているものなのか?」管理者の評価者としての採点スキルを育成しよう。

3.あなたの会社は人材マネジメントに本気で取り組んでいるか?

ここまでで、離職対策について「改善しやすい物」と「改善しにくい物」の2つに分けることができた。第1章で説明した離職理由を上記の2つに分解してみよう。

3.1 離職率はどの業界であっても改善することが出来る

離職理由を2つに分けてみると、以下の表のようになる。

すると、ほとんどがマネジメントに関わる理由であることがわかるはずだ。離職だけでなく他の問題であってもそうだ。課題が発生した時、絶対に外部要因のせいにしてはいけない。よくよく考えて見れば、自分の努力で改善できる余地が必ず存在する。

人材マネジメントをしやすい要素 比率
上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。 23%
同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。 13%
仕事内容が面白くなかった。 9%
社長がワンマンだった。 7%
社風が合わなかった。 6%
会社経営方針・経営状況が変化した。 6%
昇進・評価が不満だった。 4%
人材マネジメントが難しい要素 比率
労働時間・環境が不満だった。 14%
給与が低かった。 12%
キャリアアップしたかった。 6%

 マネジメント難易度

3.2 離職率の改善に取り組むことが重要である理由

ここまでの内容を懇切丁寧に伝えたとしても、結局は他人事としてしまうクライアントの方が多い。
なぜなら、離職率を改善することのメリットをイメージできていないからである。

当ブログで以前に書いた人手不足で赤字になる12の原因の記事も、赤字になっているならば参考にしていただけるが、「とりあえず現状は、ヤバイくらいの赤字でもないんだけれど…」という状況ならば、以下の内容にチェックを入れていただくこととしている。

これは、あなたの会社が将来的に継続して市場に受け入られるビジネスを運営できるか?ということを判断するために、非常に有効なVRIO分析(ブリオ分析)である。

あなたが今後力をいれて取り組むべき戦略を4つの質問から導き出そう

vrio分析

上記の4つの質問に回答してみて、どのように感じられただろうか?

私たちは、ほとんどのクライアントに対してQ4から取り掛かるように伝えている。

なぜなら、Q1のように、どれほど価値が高くてニーズがあるアイデアやサービス品質を作れたとしても…Q2のように、他では手に入らない商品やサービスを作り上げたとしても、それが売れるものならば、他社に研究されてすぐに真似されてしまうからだ。一時的な競争優位は獲得できるだろうが、そんなものを頼りに継続したビジネスは実現できない。

さらに、Q3のように、高額な設備投資や特許を必要とする市場は開拓も難しく、最初から取り組むのは現実的ではない場合が多い。もちろん、多少のことではビクともしないほどの大資本があるならならば、ぜひ実践すべきだが…。

逆に優秀な人材の囲い込み戦略に成功すれば、開発・マーケティング・セールス・品質管理を他社よりも高いレベルで行うことが出来るようになる。つまり、Q1やQ2などの優位性は優秀な人材が作り上げればいいことである。そのためには、多くの価値や売上を自社にもたらしてくれる社員を逃がさないようにすることが重要だ。

4 まとめ

ここまでご覧になられた方には「いかに他社よりも、多くの優秀な人材を確保し、上手く育て、能力を最大限発揮させることができるか?」が重要であるのかをご理解頂けたはずだ。

人材の囲い込みこそが売上を左右する重要なポイントの1つであることは間違いない。
その人材の囲い込みにおいて、一番最初に取り組むべきことが離職率の改善である。

もしも、あなたの会社が、業界水準と同程度か、業界水準よりも高いならば、離職率を下げることで他社との差別化を図ることを検討してみよう。

とはいえ、離職率の改善成果や改善進捗を示すデータである「離職率データ」を取らずに、どのように改善して良いかわからないだろう。
そのために、以下のことに注目し離職率を改善するためのデータを集めてみよう。

  • あなたは自身の職場の離職率や離職人数をきちんと把握し、管理しているだろうか?
  • 他社に貴重な戦力を流出させ、ノウハウを奪われる危険性を考慮しているだろうか?
  • 人材が流出することで発生する多額の教育コストを計算しているだろうか?

私たちは、離職率を改善するために、上記の他にも様々なデータを基に評価することを徹底している。

もちろん、【社員を離職させない制度を作る=社員を甘やかす制度を作る】であってはいけない。
しかし、離職せずに働き続けてくれる従業員は、数年後には、そこそこ仕事が出来る優秀な人材に育成できているものだ。

離職率を改善するだけでは、優秀な人材の囲い込みとはならないが、どうすれば、人材が集まり育成できる組織を作れるのか?ということから考え始めなければいけない。

今後の記事では、さまざまなデータの取り方や扱い方についてもブログ記事を更新していくので、ぜひ楽しみにしておいて欲しい。

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