離職率計算

優秀な人材の流出を防ぐリテンションマネジメントを成功させるデータ活用術

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優秀な人材の流出を防ぐマネジメント手法にリテンションマネジメントという言葉がある。リテンションマネジメントを簡潔に言えば、退職を防ぐことに関するマネジメントのことを指すが何も全社員を対象にしているワケではない。

人手不足だからといって、あなたの会社にいる全ての従業員の退職も引き留めたいとはおもわないはずだ。会社にとって重要な人材が流出してしまうことが問題であり、会社に貢献しない人材を引き留めたいと思う人はいないからだ。

リテンションマネジメントとは、質の良い社員の離職を防ぎ、自社の生産性を高める人材マネジメントの中核となる考え方と言える。

そう言った意味から、リテンションマネジメントのゴールは「会社に居る全社員が活き活きと働く、高い生産性、高い利益率を叩き出すことのできる組織作り」となる。

本日の記事では、このような健全な経営状態を作り上げ、組織運営を行うためのデータ活用方法をお伝えする。

当記事は、リテンションマネジメントで一番重要となる、優秀な人材が流出していないか?をデータで確認する方法をお伝えしていこう。 

1.会社に必要な人材を特定しよう

どのような組織でも、人数が増えてくれば、管理や教育が行き届かず、どうしても能力が足りない、あるいはやる気のないとしか思えない社員が出てくる。それは統計でも証明されている。

そこで、手放したくない部下と辞めて欲しい部下に分けて、それぞれの人物像を説明していこう。

1-1. RABLE式|手放したくない部下の3つの特徴とは?

リテンションマネジメントは全社員に実施することが出来れば良いが、全社員に同時に実施することは、時間的にもコスト的にも難しい。

優先順位をしっかりとつけ、「誰に力を入れて取り組んでいくのか?」という現実的なプランニングができなければ、成果をだすことは出来ない。

そこで、RABLEでは、絶対に手放してはいけない部下を、3つの特徴に分類している。これから、紹介する人物像の中で、「このタイプは、あの人のイメージだ。」という具体的な人物像をイメージしながら読み進めてみて欲しい。

1-1-1. 職場の中心となるマネージャー“コア社員

まず初めに、最も重要な人材としてコア社員をイメージしてみよう。コア社員は、自分自身の生産力(売上・生産量)が高いわけではないが、職場を上手くまとめ、周囲のやる気を引き出し、職場全体の売上を上げることが出来るタイプだ。

コア社員

例えば、「部下を離職させずに一定以上の成果を出させることが出来る人」や、「新人を育成させれば、他の社員よりも早い段階で成果を出させることが出来る人」などのマネジメント成果でも良いだろう。

また、会社の仕組みを作り上げることが出来る。新しいサービスを展開できる。などでも良い。成果の可視化が難しいが、「作業量が多いわけではないが、視野が広く部下からも上司からも信頼の厚い人材」が該当することが多い。雑務や根回し、意見調整など、職場の為に働きまわっているタイプだ。

1-1-2. 職場の売上や効率性をリードするパフォーマー“エース社員

次に重要なエース社員とは、他の人より優れた売上を出したり、的確な指示を飛ばして、社内の成果をリードする個人プレイが得意なタイプであり、コア社員のように周囲をフォローするタイプではない。

エース社員

各営業所や部署で、会社の方針に従って一番の成果を出している社員をイメージしてほしい。基本的には離職されると、短期的な売上が大きく落ちてしまい現場が埋め合わせに追われてしまうことが多い。

この層は、成果を数値化することが容易だが、標準社員と比較して、〇〇倍の売上を出す。○人分の作業量をこなすという基準を決めておくと分類がしやすくなる。

このような人材は、各職場に1人は思い浮かべることが出来るのではないだろうか?「仕事に対して真面目に取り組み、常にトップの成果を維持している人材」が該当する。

1-1-3. 労働力・生産力として動く“標準社員

この層は会社の中で一番のボリュームゾーンとなる層だ。上司の指示に従い真面目に業務に取り組んでくれる労働力として活躍してくれる社員だ。

標準社員

あなたの会社において標準的な成果を出してくれる社員だが、「エース社員との違いは、離職されれば、代わりとなる社員を用意しやすい。」とイメージできる人物像だ。

つまり、丁寧に育成すれば誰もが到達できる能力や知識レベルを備えた人材という事になる。

マネジメント的には、真っ先に、標準社員のラベルを設定するようにしてほしい。なぜなら、「どこまでの能力・知識・経験を標準とするのか?」を決めることで、人材育成の目標が決まるからだ。この基準を決めれば「入社後3年までには、上記の事が出来るように育成する事」が具体的な人材育成目標として設定できるようにもなる。

では、続いて辞めても会社的には損失が生じず、逆に職場が働きやすくなる部下の特徴を説明しよう。

1-2 RABLE式|辞めても会社に損失が生じない部下の特徴

続いて、会社にとって迷惑となってしまう部下の特徴について説明していこう。

 1-2-1. 指導や指示の手間がかかる“問題社員

この層は、入社して間もない社員ではなく、いつまで経っても仕事を覚えない、遅刻や単純なミスなど問題行動ばかりを起こしている。など、周囲に迷惑をかけている人物像となる。

問題社員

あなたの職場にも、数名はイメージできる思い当たる社員がいるのではないだろうか?もしかすると、若い部下ではなくベテランの上司かもしれないが…

標準的な社員レベルほどの成果を出すことが出来ず、周囲がミスやトラブルのフォローを行うなどの尻ぬぐいをすることになり、結果的に人件費を圧迫する要因となってしまう。

契約数などの単純な売上成果だけではなく、ミスの回数や締切を守れなかった回数、社内平均の成果を大きく下回る結果しか出せない。などでも定義してもいい。

 1-2-2. 仕事は出来るがトラブルメーカー‟わけあり社員

高い成果を出す社員が必ずしも良い方向に経験を積んでいくとは限らない。経験を積むがあまりに、仕事を上手にさぼったり、社内の新しい取り組みに反対したり、部下に対して当たりが強いなど、会社にとって扱いづらい社員になってしまうこともある。

わけあり社員

この層を数値化するためには、どれほどの部下を離職させているのか?または、決定した方針に正当な意見を言うこともなく従っていない業務はどれほどあるか?などで判断すると良いだろう。また、勤続年数が長いことによって、注意できる社員がおらず、職場に悪影響を与えてしまっていることも多い。

いずれにしても、注意できないからと放置していれば、パワハラ問題が発生しやすくなり、マニュアルを守らない職場文化を形成する。そのような”わけあり社員”が悪い慣習を新人に指導してしまうと問題社員を量産することもある。このように、のちのちの大きな損失・問題の原因となるタイプだ。

基準となる数値などで客観的に決定できない場合は、[辞めても会社に損失が生じない社員]に関しては、上司の好き嫌いで判断してはいけないので、数名で協議して、「この人は問題社員だよね。わけあり社員じゃないかな?」など、複数人でラベルを付ける作業をしても良い。

1-3. RABLE式|5種類の人物像に社員をセグメントしよう

以下に、ここまでに定義した内容をまとめている。

上記のように管理することで、様々な分析が可能になる。是非、1人ずつラベルをつけておき、人材管理を数値で進めていくためのデータ作りに取り組んでほしい。

上記の5種類の人物像を設定しておけば、どのタイプの社員が離職したのか?どのタイプの社員が増えているのか?ということをデータで確認できるようになる。

では、いよいよ実際に数値を使った分析方法、数値の作成方法についてお伝えしよう。

2.優秀な人材の流出を防止するマネジメントデータ作成

それぞれの従業員に上記のラベルを振り分けていけば、あなたの会社の今の状態を可視化できるようになる。

まずは、現在のあなたの会社では、どのタイプの社員が育っているのか?という、人材育成の成果を可視化していこう。

2-1.人材育成の成果を可視化しよう。

人材育成の成果を可視化するためには、「長く働くほどに優秀な人材へと育っていっているのか?」ということを確認しなければならない。

ここで重要なポイントは、平均勤続年数データと合わせて確認していくことだ。

人材育成に対して継続した努力を続けている会社では「勤続年数の長い社員は、優秀な人材です。」となっていなければならない。そうでなければ、出来る社員は若いころから優秀で、いくら教えても出来ない人はできない。という人材育成の効果が全く出ていない結果になってしまうからだ。

どのような平均勤続年数データの作成が必要かわからない方は、以下の記事を読んでいただきたい。人手不足を改善するためのデータ活用方法がわかるだろう。

では、以下の表を見て欲しい。

表18.現在の属性別の社員

こちらの企業事例では、社員数の合計が196人の中で、エース社員が77人と標準社員が60人という状態であり、非常に良好な状態で運営できていることが見てとれる。

さらに、指導能力や現場をまとめてくれるコア社員も46人も存在しているため、将来的にも安定した健全な経営が期待できる状態だ。

続いて、上記の表を比率で出力したグラフも見てみよう。

 

上記のグラフを見れば、未成熟層の段階ではエース社員が一番多いことがわかるだろう。

これは、採用段階で将来有望な人材を獲得できている。ということがわかるデータだ。そして、勤続年数が長くなるベテラン層になっていくにつれ、エース社員よりもコア社員の比率が増えていることがわかるだろう。

つまり、勤続年数が長くなれば、職場を上手くまとめ、周囲のやる気を引き出し、職場全体の売上を上げることが出来る社員が増えていることになる。

では、次に、このままの方針で人材育成を継続させるべきか?それとも、方針の転換が必要なのか?ということを確認できるデータを見てみよう。

2-2. 人材育成の成果を確認できる5年間の経年変化グラフ

勤続年数が長くなるごとに、優秀な社員が育つということがわかったとしても、これまでの人材育成の方針が正しかったのか?という点を詳しく見ていかなければいけない。

上記のデータを見れば、コア社員やエース社員は、ほとんど増えていないが、問題社員やわけあり社員が減っているのがわかるだろう。

ここでも、割合をグラフ化して比率として確認しよう。

 

上記のグラフを見れば、コア社員やエース社員が増えていき、問題社員やわけあり社員の割合が減っていることが確認できる。

あなたは、上記のデータを見て、どのような職場環境になっていっているのか?ということがイメージできるだろうか?

実際に、上記のグラフとなっている企業を現場レベルで変化を実感しているのは、管理職のトップである。明らかにさぼっている社員が自然に淘汰され、わけあり社員というラベルを付けていた社員が変化し、コア社員へと変化したことがわかるはずだ。

この結果は、従業員ラベルを決めて数値で管理することで、「人材の質を高めよう」と誰もがわかる人材育成目標を決めたからこそ得られた結果だ。

人材の質は、採用時の能力や人間性ではなく、しっかりと指導側が「こういう人材をふやそう」と目標をもって取り組めば、良い変化を起こせるということを意味している。

最後に、5種類に分割した社員の中で、どのような社員が離職しているのか?ということを確認してみよう。

2-3 5年間の経年変化グラフ|離職した社員を特定しよう

あなたの会社でも、優秀な人材が離職しないように考え、さまざまな手当やキャリア制度を用意したことだろう。

しかし、いくら手間と金をかけて人材育成が上手くいったとしても、優秀な人材が他社に流出したり、独立されてしまえば、その投資は無駄になってしまう。

最後に、離職した社員は、どのような社員だったのか?を特定するグラフを用意して、投資が無駄になっていないか?の確認作業をしていこう。

上記のグラフで一番注目していただきたいのは、コア社員の離職が減っているという点と、離職人数の合計が減っていることにある。

さらに、割合をグラフ化して確認してみよう。

毎年少しずつではあるが、訳あり社員や問題社員の離職が増えていることがわかる。また、コア社員の離職は減少傾向にあることがわかる。

上記のデータがあれば、職場改革が上手くいき、会社に反発したり、さぼったりして、悪影響を与える社員が減り、一生懸命頑張る社員を増やす事ができつつある。と人材育成・組織改革の成果を数値で判断することが出来るようになる。

事業を成長させるために、優秀な人材の流出を防ごうと考えている企業は多いが、実際にデータで確認している企業は非常に少ないのが現実だ。

是非とも、上記の様な数値で客観的にマネジメント成果を可視化し、人材マネジメントに真剣に取り組むようなフィードバックシステムを作り上げることに挑戦してみて欲しい。

まとめ

本日の記事の主旨は、「Aさんは問題社員だ。」とラベルを付けて、社員の能力に優劣をつけることではない。

Aさんが問題社員だったとしても、その改善のために働きかけることさえすれば、Aさんは会社に必要な人材へと変化していくからである。

現場に社員の再指導・再教育に力を入れて取り組ませるために、「あなたの会社での人材育成の成果を可視化しなければならない。」ということである。

数値が人を評価するのではなく、数値が改善に向けて現場を動かすのだ。私たちは、数値を評価のためではなく、人を動かすツールとして捉えている。

あなたの会社では、生産力をリードしてくれる社員を増やしたいだろうか?それとも、職場のチームをまとめて、全員の生産力を高める人材が必要だろうか?

改善を実現するには、「コア人材を〇パーセントにしよう。そのためには、後〇人コア社員を増やすように、現場で人材育成に取り組んでくれ。」という具体的でわかりやすい目標が必要だ。

本日の記事で紹介した表やグラフを作成しておくことで、目的を持って人材育成をできているのか?また、人材育成の成果は出ているのか?ということを確認できるようになる。

優秀な人材の流出を防止したいならば、誰が優秀な人材であるのか?ということを特定し、作成したデータから人材育成の経年変化を確認していく事を強くおすすめする。

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  1. 1.離職人数と採用人数を出して社員数の増減を確認する方法

  2. 2.新入社員の1年以内・2年以内・3年以内の離職率を確認する方法

  3. 3.勤続年数10年以上の社員が何人離職しているのか確認する方法

  4. 4.営業成績の良い社員が、どれだけ離職しているのか確認する方法

  5. 5.どの管理職の元で働くと離職する社員が多いのか確認する方法


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