リサーチベースドマネジメント

【KPIの設定方法】従業員のやる気を引き出す!目標管理の基礎知識

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企業を経営していくためには、組織としての目標を明確にするための数値目標をしっかりと設定することが重要だ。

あなたの会社でも、売上や集客人数を目標数値として設定して、従業員に「売上を上げろ!顧客人数を増やせ!」と、指示を出していないだろうか?

このような目標数値に対して、従業員や部下が意識してくれない!と、多くの企業経営者が悩んでいることだろう。

そもそも、現場が気にする数値は全く違うところにある。現場で働く従業員は仕事したくないわけでもないのだ。従業員自身も出来る限り頑張りたいと思っているが、会議で出てくる数値と自分の行動を結びつけることができないだけなのだ。

例えば、「私は何を頑張れば売上が上がるの?」「私がどの業務を一生懸命にやればいいの?」ということを知りたいのである。

つまり、現場作業の何をどれくらい頑張るのか?現場作業に適した目標数値が知りたいのであって、売上や顧客人数だけを知りたいわけではない。

そこで、本日のブログでは、現場が達成すべき目標数値をどのように作り上げるべきか?ということを書いた内容となっている。

テクニックではないため、理解に時間がかかるかもしれないが、マネジメントの本質となるので、ぜひ、じっくりと何度も読んでいただきたい内容となっている。

1. KPIの意味とビジネスでの活用事例


KPIと言う言葉は、月間でGoogleだけでも10万回程度も検索されているビッグワードだ。それほどこのKPIという言葉は、多くのビジネスマンに注目されている言葉でもある。

しかし、残念ながら多くのサイトで定義こそ書かれてはいるものの、その活用例という部分に踏み込んだものは非常に少ない。そこで当記事では、具体的にどのようなものをKPIに設定し、自社でどう運用していくのか?根幹部分に切り込んでいこう。

1.1 KGIとKPIのそれぞれの意味の違いを理解しておこう

まずKPIという言葉には、KGIという混同しやすいワードがある。その定義は以下のものだ。

一般的なKGIとKPIの定義

KGIは、KGIは(Key Goal Indicator)の略称で、「重要目標達成指標」

KPIは(Key Performance Indicator)の略称で、日本語では「重要業績評価指標」

KPIでは業務プロセスのパフォーマンスを評価基準としているのに対し、KGIは売上や利益、課題の達成レベルなどを評価基準としている。

これだけでは全くイメージすることが出来ない人が多いはずだ。なぜなら、所詮ただの定義遊びに過ぎないからだ。

そこで以下のケースを思い浮かべてみよう。KGI指標であれば以下のようになる。

1.1.1 ケース①:KGI指標の運用シチュエーション
質問内容 回答内容 KGI指標
売上を上げる為にどうするんだ? 顧客単価を上げる企画を行わせています。 顧客単価
集客戦略として、どんな内容を考えている? 新規よりも、ロイヤルカスタマーの囲い込みを強化し、年間購入回数を増やす事で、売上を伸ばしていく計画です。 年間平均購買件数
人手不足だが、どんなことに取り組んでいるんだ? 今は、採用が難しい時期ですから、離職率を下げるために、従業員満足を高めるためのコストを投資しています。 離職率

つまり、KGIは、経営幹部・部長や課長など、マネージャーが「売上を上げる為にどんな戦略・青写真を描けているかと言った将来の見通し」に関する数値と言える。KGI指標とは、マネージャーを評価・管理するための指標なのだ。

もし、あなたの会社が「売上を上げろ」ばかりで、具体的に何をするかが明確でない場合には、まずKGIを設定しなければいけない。

KGIの詳しい説明は以下の記事でしているので、まだご覧になられていない方は、必ず先に目を通すようにしておいてほしい。

1.1.2 ケース②:KPI指標の運用シチュエーション

一方KPIの場合であれば、数値はかなり現場よりなものとなる。例として、自社サイト構築部門を例に挙げると以下のようなものが設定できる。当サイトブログの執筆業務を事例として説明していくので、ご自身の業務内容では?ということをイメージして欲しい。

質問内容 回答内容 KPI指標
1週間当たりどの程度のページ数を更新できている? 大体、3.4記事ぐらいです。 記事の更新回数
1記事当り大体、何回程度リライトをかけている? 大体1.2回程度だと思います。 記事のリライト回数
1ページ当たりの画像数は? 3枚あればいい方ですね。 1ページ当たり画像作成数
1ページ当たりの文字量は? 3000字いかないくらいです。 1ページ当たりの文字量

例えば、上記のような数値や会話をしていた場合、次のような会話をすることが可能となる。

KPI指標 部下への指示 部下の返答
記事の更新回数 記事の更新回数は減らしてもいい。だから質を上げてくれ。 わかりました。もっと1記事に丁寧に時間をかけて取り組みます。
記事のリライト回数 「完璧だ。」と思っても必ず1日、空けてから文章を見直してくれ。 確かに、その日に完璧だと思っても、時間を空けてみたら、そうではないこともありました。
1ページ当たり画像作成数 画像があれば読みやすくなる。作業が大変になるが頼む。 わかりました。更新頻度を抑えられれば、作り込む時間ができるので、任せて下さい。
1ページ当たりの文字量 文字量はあまり気にしなくくていい。ダラダラ話すよりも濃い内容にしてくれ。 文章を引き延ばすことをせず、読者目線で読みやすいものを目指します。

1.2 現場管理で必要とする数値は結果ではない

ここまでで、KGIとKPIは数値と対象となる人間が全く違うことを理解できたはずだ。

数値で評価する人 数値で評価される人 活用する指標
社長あるいは経営幹部 マネージャー KGI
マネージャー 部下 KPI

上記の様なKPIであれば、上司が部下に指示をする際、非常に活用しやすいはずだ。つまり、KPIとは、現場マネージャー(管理職)が、職場をマネジメントするために活用する数値であるのだ。

現場で必要とされる数値は、結果ではなくプロセスなのだ。

1.3 現場マネージャーの仕事と数値を連動させよう

現場をプロセスで評価するメリットを考えてみよう。まず現場マネージャーの仕事をPDCAサイクルを基にして考えてみることにする。

現場マネージャーに与えられたミッションは、部下へのマネジメントだ。そのマネジメントにおいて、部下の行動を評価できる数値があれば、具体的で根拠を持った指示をすることが可能になる。

常に数値を作成する時は、誰が、いつ、どのように活用するのか?といった利用シーンをイメージしなければならない。

上記の様な理由から、多くのサイトでKPIは、顧客単価や受注件数を設定すべきという意見に対し、私たちは具体的な行動指標を設定することをクライアント企業に対してお勧めするようにしている。

Key Performance Indicator という語源にもある様に、Performance(パフォーマンス)、部下の仕事ぶりで評価することが大切だ。

2.従業員の目標を明確にするためのKPIを設定しよう


ここまでKPIは従業員が努力次第で変えることのできる行動量に設定すべきことをお伝えしてきた。これからいよいよKPIの設定テクニックを解説していく。

2.1 従業員の努力を測定するための具体的なKPIの設定例

ではKPIとしてどのようなものがあるのだろうか?以下の例を参考に自社に最適なKPIを設計してみよう。

営業職 製造業 顧客対応
1ヵ月の新規訪問件数 改善提案件数 クレーム対応時間
1顧客当り平均訪問回数 不良品発見件数 クレーム対応人数
1顧客当り平均打ち合わせ時間 欠品発見件数 1顧客当り平均接客時間
1顧客当り平均連絡頻度 作業ストップ回数 問い合わせ平均相談時間
1顧客当り平均電話回数 資格保有件数 平均後処理時間

上記の項目を見てみれば、全て結果以外の数値であることがおわかりになるはずだ。何度も繰り返しになるが、KPIは最終結果で評価してはならない。なぜなら、従業員の立場では改善できるかわからないからだ。

しかし、行動による数値であれば、努力で改善することが出来る。必ず従業員が頑張りさえすれば、数値を良くするものに限定して作成することがKPIを作成する上で最も重要なルールとなる。

2.2 目標を明確にするためにKPIの数値化の具体的な設定例

どのようなKPIを作成していくのかを決定できれば、いよいよ具体的な数値の作成に入っていこう。以下の表は営業職のKPIを数値化した例だ。

指標ラベル 氏名 社員A 社員B 社員C 社員D
KGI CV率 5% 8% 10% 40%
新規訪問件数 109件 86件 130件 52件
1ヵ月当り
平均成約件数
5件 7件 13件 21件

KPIの設定により変化した社風この会社のケースでは、営業マンの成約率に大きなばらつきが存在していた。その理由としては、職場中に根性論や精神論が蔓延していて、「よりたくさんの顧客に会えば契約を取りやすくなる」という考えを多くのマネージャーが持っていたからだ。

だからこそ、現場マネジメントでは「何故数字が上がらないんだ!!必死になれ!!」と言った怒号が飛び交うものの職場全体の売上は頭打ちになっていた。

そこで、優秀な社員を良く見てみると、意外なことに訪問件数は少なくなることが、発見できた。そこで、これまでのKGI数値より細分化されたKPI指標を作成し取ってみると、以下のようなデータが得られた。

指標ラベル 氏名 社員A 社員B 社員C 社員D
KGI CV率 5% 8% 10% 40%
新規訪問件数 109件 86件 130件 52件
1ヵ月当り平均成約件数 5件 7件 13件 21件
KPI 1顧客当り訪問件数 1.2回 1.4回 2.1回 5.2回
1顧客当り打ち合わせ時間 15分 30分 42分 65分
1顧客当り合計打ち合わせ時間 18分 42分 88分 338分
1顧客当り電話回数 1.1回 1.9回 2.5回 4.2回

それは、1顧客当りの訪問件数が多く、1顧客と打ち合わせする時間が非常に高い。つまり、1つの顧客に対して、何度も繰り返し打ち合わせを行う事こそが成約率の秘訣だったのだ。

しかし、優秀な営業マンに対して、「新規訪問で断れた場合にはどうするのか?」と質問をしたところ、次のような回答が得られた。

「新規訪問の際に無策で挑めば、当たり前ですが門前払いです。そこで会社の情報を徹底的に調べ、何で困っているのか?と言う課題の当りをつけてから訪問しています。

もちろん、1社当たりの時間はかかりますが、絶対こちらの方が、トータル効率は良いと感じています。また、初回訪問時には、自社の売り込みはせず、次回のアポだけを取り付ける事だけしか目指しません。」

といったものだった。そこで、私はその考えを社内全体に取り組むべく、上記のKPIを現場で最も重視する評価として設定し、改善に取り組むようにした。

2.3 行動や努力を数値化することで人を動かすことが出来る

あなたの会社では、口頭で「こうしろ、ああしろ」と記録に残らない指示ばかりしていないだろうか?もちろん、口頭で伝えることも時には重要だが、口頭で伝わるメッセージは多くの場合ほとんど伝わらない。

なぜなら、具体的に「指示に従って行動してみても上手くいったかどうか」わからないからだ。そのため、多くの社員は、その場では「わかりました。」と答えてみても、しばらく経ってみれば、「今までと何ら変わらない」と言う状況になってしまうことになる。

だからこそ、自分が部下に伝えたいメッセージをどの数値ならば代わりに伝えることが出来るのか?を徹底的に考える事を心がけよう。

2.4 KPIを使い続ければ社長の考えを社風にすることが出来る

作成したKPIを続けることで、最終的には社風へと昇華する。例えば、あなたが会議でリピート率が重要であることを複数年にわたり熱弁し続けたとしよう。

そうすることで、「初期の頃は全従業員が売上ばかりの話をしていたのが、近頃は、売上よりもリピート率に重きをおいて話すようになった。」という理念浸透が起きる。

それはKPIでも同じだ。KPIは以下の4段階のプロセスで社風へと進化していく。

会社を変えるためには必ず「従業員の心理を変える仕組み」が必要となる。その第一歩がKGI・KPIの設定だ。自社では、従業員にどのような行動を重視してほしくて、その行動の成果はどのような指標であれば評価できるのか?

KGI・KPIの設定をすることは、あなたの会社の人材を管理するためのマネジメントシステムの全体像を設計することに他ならないのだ。

まとめ

あなたは普段、自分の部下や他の従業員に対して、どのような方法を持って、指導や指示をしているだろうか?

多くの方が、口頭ベースでの指示・指導のはずだ。従業員教育に相当熱心な会社でもなければ、仕組みによる従業員管理を行っている会社がほとんどだ。

逆に、従業員教育を真剣に考えている企業であれば、中小企業やベンチャーであったとしても実践している所は数多く存在する。そして従業員の教育の本質は、研修やセミナーでは達成しきれない。なぜなら、毎日使うものではないからだ。

では、自分の仕事ぶりや毎月の業績評価の中に従業員教育を促進するエッセンスが入っていればどうだろうか?

毎月、自分の評価数値を見ることで、自分は上手く仕事を達成できたのか?自分の課題はどこか?というマネジメントを数値が変わりにしてくれるようになる。

そうした確かな仕組みこそが長期的に会社を成長し続ける原動力となるのだ。会社の人材マネジメントシステムの全体像について、見直してみてほしい。

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