目標管理

KPI管理とは?KPIの設定で社員の行動が変わる理由と設定手順

「売上をあげろ」、「目標件数に達していない」、「単価を改善していない」そういった課題に対して、あなたの会社の社員たちは明確な答えを持っているだろうか?

そういった背景から「月次報告書を見直したい。」や「どういった視点で業績分析・進捗管理をしていけばいいかわからない。」といった悩み・課題を感じている会社は非常に多い。そもそも昨年対比の売上や顧客単価、契約(受注・生産数)、人件費、原価以外の数値をそもそも知らないし、知識に自信がないという方もおられるかもしれない。

KPI(Key Performance Indicator)とは重要達成指標と呼ばれ、その目的は従業員を動かすための目標を設計することにある。中には数値を設定するだけで、社員たちの行動や意識を変える事ができるものだろうか?と思われる方も当然いらっしゃるだろう。

そこで当記事ではKPIの定義だけでなく、KPIを運用することのメリットやKPI管理で心がけたいことだけでなく、他の目標数値「KGI」・「KSF」の関連性までをトータル的に丁寧に解説行くことにしたい。

「KPIを聞いたことがない!」という方でも、社員たちの意識を変え、自社に最適なKPIを設定するための基礎知識と運用までの全体の流れを抑えることができるので、是非、最後まで読みすすめてみて欲しい。

1.KPIとは何か?

KPIは(Key-Goal-Indicator)の略語であり、重要業績指標と呼ばれる。

ではまず、なぜKPIを設定しなければいけないのか?・KPIを見直すことでマネジメントはどう変わるのか?

というメリットに関して簡単に説明することにしたい。

1-1. KPI管理を見直す・設定することによって会社に生まれる変化とは?

わかりやすい例として、飲食店の事例で考えてみよう。

ほとんどの飲食店では月次会議や報告書は、売上、顧客単価、顧客数、原価率、人件費率などの目標達成率で店舗業績を評価していることだと思う。しかし、これでは業績が良くない、良いの判断しか出来ない。だが、予約率や平均グループ人数、それぞれのグループ単価(男女グループ・男性・女性グループ・カップル)などの数値があればどうだろう?

KPI管理において現場にKPIを決定させ管理したケース
売上を増やすためには、テーブル回転率を高める事が必要不可欠だと思います。

その理由は、現在、週末に来店されたが満席で入れないお客様が多く、上手く調整すればそれだけで売上増が見込めるからです。その取りこぼしを減らすことについて、10時以降の予約が重要です。

自然来店だとどうしても時間帯が噛み合わず、帰られた後に席が空くなんて事が多発します。いかにテーブルの回転率を増やせるかが重要になってきます。

そこで、当日の2次会予約で1品プレゼントという企画を用意し、帰られたお客様にチラシを渡し、次回以降は是非お電話をという告知を徹底しました。

その結果、他の店で1次会をしているお客様からの電話を増やし、○時からならいけますよーと対応し、丁度いい時間まで時間をつぶしてもらうようにもって行く事が出来れば、取りこぼしを少なくできるので、その取り組みに力を入れて取り組んでいます。

KPIを設定することは、現場が何に取り組み、プロセスの進捗成果について管理できるようになる。

業績目標を達成するために、「何が課題であると感じ、どのようなことを達成できれば、改善できるという成功のストーリーを立てているのか?」、「ただ漠然と日々の業務をこなすのではなく、目的・課題意識を持って取り組めているか?」、目標を明確にするためには、数値を活用することは非常に重要なことだ。

具体的に店舗(部署)の責任者に対し、「どのようなKPIを掲げている?」という問いかけをした時、「来月は売上目標を達成できるように頑張ります!」という責任者と「今月から、予約数を増やすために、スタッフに退店時の声かけ、満席で入れない方へのチラシ渡しなどを徹底させています。回転率を高めることを達成します!」という責任者では、どちらが成果を出しやすいかは誰の目にも明らかだ。

上記の例では、他にも平均グループ人数であれば団体予約を増やすように努力するようになるし、女性グループ単価を使っていれば、女子受けするサービス企画の成果進捗について把握できるようになる。

すると結果の出ている店舗をヒアリングし、上手く言ったことを他の店舗で実行するというノウハウの共有をしていくことができるようになる。

このように、KPIを導入することで、マネジメントをより手前段階から行う事が出来るようになる。現場は売上を上げるためにどのような努力をしているのか?その努力は結果に結びついているのか?という進捗成果がより数値で把握できるようになる。

1.2 KPI管理シートの形式にはとらわれなくてもいい

では次に誰がKPIを設定するのか?という問題だが、これは現場主導でも本社一括のテンプレートのどちらでもいい。

上記の飲食店の例のように現場に設定させれば、現場が売上を上げるために、どのような解決法を上げ、その試みの進捗をしているかがわかるようになるし、本社一括であれば、「○○の指標を上げてください。」と目標を統一することで、全ての店舗・部署に統一した目標を目指させる事が出来る。

しかし、本社一括は店舗・部署で客層や客単価が違う、取り扱っている商品・サービスが違うといった場合には、上手くいかない場合がある。

業績改善に重要となるポイントは変わる可能性が高いからだ。

だからこそ、KPIの設定は現場に行わせ、KPI数値を含んだKPI管理シートを毎月を本社に提出させるといった方法をとってもいいし、中小・中堅企業であってもとっかかりやすいやり方であると思う。KPI管理シートは形式張ったものではなく、現場で「今月この数値の改善を目指しました。理由は○○で、その進捗はこうでした。」といった内容であればOKだ。

デザインを気にするより、現場がどういった目標を掲げ、それに関する取り組みは何をしたのか?とその成果が知れれば十分であるし、現場が提出したKPI管理シートに「次からこういったこともあわせて書いてください」や「この数値も欲しいです。」といったやり取りを重ねていくことで自社独自のオリジナルテンプレートを作り上げることにもつながる。

上記の例では、平均グループ人数であれば団体予約を増やすように努力するようになるし、女性グループ単価を使っていれば、女子受けするサービス企画の成果進捗について把握できるようになる。すると結果の出ている店舗をヒアリングし、上手く言ったことを他の店舗で実行するというノウハウの共有をしていくことができるようになる。

このように、KPIを導入することで、マネジメントをより手前段階から行う事が出来るようになる。現場は売上を上げるためにどのような努力をしているのか?その努力は結果に結びついているのか?という進捗成果がより数値で把握できるようになる。

2.戦略的にKPIの設定をする3つの手順とその方法

では、ここからは戦略的にKPI管理を運用するための手順について説明することにしたい。

RableではKPIの設定において、KGIとKSFという2つの数字を関連させ、トータル的に運用することをおすすめしている。なぜなら、数値が具体的でなければ、様々な解釈の余地があり、間違った受け取られるかもしれないからだ。すると行動はブレたり、KPI本来の機能が発揮されないことは良くあることだからだ。

KPIを正しく設定し、現場で運用するための全体像についてみていこう。

2-1 KPIを正しく設定するためにKGI(Key Goal Indicator)を先に設定する

本社主導でKPIを設定する場合でも、現場にKPIを設定させるどちらであってもまず先にKGI(重要業績指標)を設定する事が重要だ。1つのノウハウを獲得するのは簡単なことではないからだ。

1つの課題を解決するためには、どのような施策が有効そうか、その内容は何にするか?を決定し、その実行をある程度実行し、定期的に結果を振り返り、内容は適切か?どういった内容に修正すべきかを検討し、再度実行、振り返りというPDCAサイクルを何度も回さないといけない。

にもかかわらず、原価率と売上向上を同時に求められたら、1つの課題に集中して取り組むことは出来ないし、今月売上を上げても、人件費率が上がっている事を指摘されたら、来月は人件費の削減に取り組むことになり、色々やりすぎて何が良くて、何がダメだったのかわからなくなってしまう。

「今月(今年)は良かった。悪かった。」という全体ばかりを見ているとノウハウが全く蓄積されない。これがほとんどの会社で売上が頭打ちになれば、そこから這い上がれない企業が多い理由だ。だからこそ、まず本社側が、本年度(四半期)の重要目標として短期経営計画(KGI)の選定をする事が重要だ。

もちろん、売上も大事だし、コスト削減も重要でどちらをとるか選べないと思う人もいるだろう。しかし、業績は「今のあなたの会社の組織力」を表す数値であり、1年くらい報告書に使わないくらいで劇的に変わらない。それを維持する能力がすでに身につけているからだ。

だからこそ、自社が本年度(四半期)で獲得したいノウハウだけを数値として使い、社員たちの意識をそこに集中させる事が重要だ。

2-2 KGIに基づくKPIの設定方法例

ではここからは私たちRableで設定しているKPIマップ例を使って見ていきたいと思う。

私たちRableでは利益を上げる上で利益体質にすることが重要であると考えている。

なぜなら、利益率が低ければ些細な景気変動や環境変化で赤字に転落するリスクが高いし、売上が変わらなくても利益率が高くなれば、最終的な純利益は大きくなるからだ。その利益率を高める上でのコスト体質を改善するために労務費率・人件費率をKPIとして設定している。

そのコスト削減において、材料費や設備投資を減らす、マネジメントコストを減らすということは品質や組織力を低下させるリスクが高いが、人件費率だけは別だ。

売上がかけているコスト以上にあがれば当然比率は下がるし、売上が変わらなくても、より少ない人数で同じだけの生産性を維持できれば利益は増える。

上記の画像を見ればわかると思うが、KPIはより詳細なレベルの指標を選ぶようにして欲しい。上記の例での「労務費・人件費」だが、これは運用を間違えてしまうと、現場でサービス残業の横行や最低人数での運用が起こっていまいかねない。

数値は誰もが正しく意図通りに受け取るわけではなく、解釈の違いが発生する事だってある。そこで、原価率の改善において、人件費率を下げるために、離職が発生することによって「採用(集客)費」と「教育研修費」に無駄が生じている。

間違った解釈をされないように、できるだけ具体的かつ限定的な数字を選ぶようにしよう。

2-3 KPI管理表を作成できればKSFも設定してみよう

またKPIの運用を現場に任せず、本社側でコントロールしたいのであれば、更に下位の次元の指標である。KSF(主要成功要因:Key Success Indicator)の運用をおすすめする。

上記の例であれば、更に具体的な課題として、現場に実行してもらいたい内容として「離職率」を掲げ、離職率の改善に関連する項目、平均勤続年数を上げ、経験が豊富な社員を増やすことで、生産性向上と離職によるコスト損失を防ぐ。という具体的な施策コンセプトを表現できるようになる。

ここまで明確になっていれば、現場は、「新人の定着率を高めるためにどうすればいいか?」、「離職社員が増えないように現場で出来ることは何か?」という現場での施策検討、実行することだけに専念できるようになる。

また課題と上位のKPIがリンクしていることで、離職率の改善によって浮いた「採用費用や教育研修費」の無駄の削減の貢献金額を原価率への改善として人事評価につながるという一貫した運用も可能になる。

3.KGI・KPI・KSFを一貫運用することのメリット

現場でKPIを運用・管理させることのメリットは1章でも伝えたが、2章の例でお伝えした本社主導でKGI・KPI・KSFの一貫運用することは、人事考課と連動させ、仕組みとして落とし込めるところにある。

以下の表を見て欲しい。

上記の表は、先ほど設定したKSFに関する成功・失敗要因を確認するためのチェックリストとなっている。そして、それはそのまま人事考課の基準として運用することもできる。

管理職がリテンションに関して正しい理解や実践ができていなければ、それは管理者研修やマネジメント力に関する指示・指導ができていない経営層の責任であり、改善・解決を行う主体者は経営層だ。

しかし、リテンションマネジメントに対する知識や能力が十分にあるのに、社員に満足を与えることができていなかったり、職場文化を構築できていなければ、それは現場責任者や中間管理職の責任となる。

しかし、職場全体で正しい価値観や行動を共有できているのに、末端社員本人ができていなければ、それは社員本人の責任であり、改善義務を担わなければいけない。

課題を分解し、それぞれが課題と責任を担い、1つのチームとして全員が努力するための紐づけができてはじめて、絵に描いた戦略は現実になる。

  • 経営陣やマネージャーが考えなければいけない課題は何で改善すべきことは何か
  • 中間管理職本人の課題は何で、改善しなければいけないことは何か
  • 現場の社員が実践しなければいけない行動や身に着けるべき価値観・意識は何か

これらをアンケートベースで数値化し、それぞれにフィードバックすることにRableでは取り組んでいる。

RABLE式の従業員アンケートは、他とは違うため、ぜひ、以下の記事も読んでいただきたい。

今まであなたが知っている従業員満足度調査とは違うので、何かのヒントにしていただければ幸いだ。

4. 徹底的に落とし込まれた指標はタスクリストになる

経営管理職の責任となる指標、中間管理職の責任となる指標、現場社員の責任となる指標をそれぞれ作成し、全員が責任をもってその達成に取り組む。それを実現するのが先行指標だ。

数値は徹底的に落とし込めば落とし込むほど、目標だけではなく、“達成すべきタスクリスト“により近いものになっていく。

実際に成果を上げるためには以下のことが見えてこなければいけない。

  1. ○○の知識やノウハウを身に着けるようにしなさい。
  2. ○○のことが効率よくできるように努力しなさい。
  3. ○○のことから□□を読み取れるように思考能力を磨きなさい。
  4. ○○のことに配慮できるようにコミュニケーションスキルを身につけなさい。
  5. ○○にも視野を持てるように、□□の考え方を身につけなさい。

まとめ

本日の記事では、KPIの管理方法や設定方法について簡単にご紹介してきた。

KPIやKGIは、ここで紹介した以外にも数多く存在するし、工夫次第で様々な数値を作成することも可能であるので、自社に会う数値を作りこみ、戦略を立てマネジメントをすることに挑戦してみてほしい。

数値作成で重要なポイントは、「KGI⇒KPI⇒KSFまでが一貫していなければいけない。」という点と、それぞれの立場での目標を設定することで「組織全体を動かす仕組みを分業化する」という点だ。

数値のどこからどこまでが経営陣の責任で、中間管理職の管轄はどこか、そして末端社員が担う数値は何か、という責任の分担、分責化を行おう。

また、目標数値はあくまでも目標であり、そこには、どのような意識を持って取り組むべきか?課題の本質を解決する注意点は何か?ということがわからなければ、自社ノウハウとならない。

真の競争力を獲得するには、「わが社ではこういう能力が重要で、全社員にこういう指導を行っており、全社員が○○の考え方、行動が実践しています」と言い切れるようにならねばならない。

とても大変な作業と思うかもしれないが、ここまでの全ての工程を踏んでKGIの設定から先行指標の作成まで、トータルで実践することの意義を理解し、ぜひ、あなたの会社でも現場を思い通りに動かす数値作成に挑戦していただきたい。

【無料】RABLE式のモチベーション診断

無料|RABLE式24問のモチベーション診断

モチベーションを高めるための要因を分析すれば、離職率が改善でき、生産性も高まります。ぜひ、一度、受けてみてください。

-目標管理

© 2020 RABLE Powered by AFFINGER5