リサーチベースドマネジメント

【無料公開】評価制度の作り方!行動を結果結びつけるための作成手順!

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あなたは、部下に対して、「自分には当たり前のことでも、部下にとっては当たり前ではない。」という認識のギャップに憤りを感じる瞬間はないだろうか?

たとえば、「お客様に対しては笑顔で接することが大切で、親身になって相談に乗らなければいけない!」というような内容だ。または、「出社の時は元気よく挨拶をすることが大切だ!」「上司に業務の進捗を報告するのは当然!」などだ。

そういったことから、現場では売上や契約件数といった成果だけでなく、勤務態度や仕事に対する姿勢、仕事全般に関する能力評価を人事考課(業績評価制度)に取り入れたい。という会社が増加しているのも不思議な事ではない。

しかし、経営者の立場からすれば、能力や意欲で評価してしまえば、「売上や成果を軽視され、ピリッとした空気がなくなるのではないか?」や「目標達成を重視しないのではないか?」という不安は必ず存在する。

そこで本日のブログ記事では、従業員をコントロールする仕組みと売上などの成果との関係性をどうつなげ、両立していくのか?ということの基本の考え方をお伝えしようと思う。

実際に、私たちのクライアント企業では、取り組み姿勢評価を行ったことで、接客力が向上し、職場の雰囲気が和み、その結果、新規顧客の集客人数が減ったにも関らず、リピート顧客の増加と顧客単価の上昇により、昨年対比で大きな利益を出している。

つまり、ブランド価値を作り上げる仕組みが完成しつつあるのだ。

何度も読み返していただくことで理解が深まる記事となっているので、ぜひ、ブックマークして何度も読み返していただきたい。

1.ほとんどの会社が人事評価制度改革の必要性を感じている


給料に直結する人事評価制度は、自社のマネジメントをする上で中核ともいうべき制度だ。【昇進・昇給】につながらない行動を好き好んでする従業員はほとんどいないだろう。そして、従業員が10人以上の会社では、どうしても従業員ごとに評価をつける必要性が出てくる。

なぜなら、全員が一律の評価であれば、「私は彼の1.5倍も努力しているのに、給料が一緒だ。頑張るだけ無駄じゃないか…。」と不公平感を感じてしまうからだ。

優秀な社員をきちんと評価し、自社に更なる貢献をしてもらうためにも、明確な評価基準の策定は重要な要素となる。

そこで当記事では、従業員を動機付け、会社をマネジメントするツールとして、業績評価をどのようにして作り込んでいくのか?といった基本的な作り方の流れをご紹介していくことにしよう。

1.1 ほとんどの会社の業績評価は上手く機能していない

マネジメントツールとして業績評価を効果的に運用できているという会社は、実はそれほど存在しない。それは以下の5つの問題によって、そうなってしまっている。

業績評価が形骸化してしまう5つの原因
原因 業績評価運用の実態 社内で横行する考え方
業績管理の目的の不在 成果を出した社員にたくさん給料を払う。等、単なる給与査定ツールとしての運用 成果さえ出せばいい。という思考になり、マネジメントができない。
実態と目的のギャップ 方針に従うよりも、売上がいい。などの成果を出した社員の方が、評価が高い 結局、売上を出せたらいいのだから、方針や指示に従わなくても良い
人事評価への不信感 そもそも上司が業績評価をしたところで。現場の管理が上手くいくとも思っていない 職場内の誰もが業績評価の結果に無頓着で聞こうともしない。
評価作業の手間 マネージャーの中には、評価作業の手間を面倒がって適当に処理する人もいる。 人事評価制度そのものの重要性を社内に浸透させられていない
主観的評価による採点 能力や仕事態度を客観的に評価できず、好みで評価をつけてしまっている 上司の評価は気にせず、仕事をしようと言う意識になってしまう。

あなたの会社ではどうだろうか?多少当てはまるものもあるのではないだろうか?ここまでのことはないにせよ、業績評価とは、「ただマネージャーが評価をつけ、給与査定をするだけのもの。」という認識が社内でなされていないだろうか?

また評価結果をきちんと従業員にフィードバックできているだろうか?ただマネージャーが採点するだけでは意味がない。

自分のどういった部分に問題があって、どう修正すれば、会社から必要な人材だと認めてもらえるのか?そういった今後の改善につながる内容でなければ、業績評価は単なる給与査定のためだけのものとなってしまう。

1.2 ほぼ9割の会社の業績評価の中心は目標の達成度での評価方法

産労総合研究所が実施した【2016年 評価制度の運用に関する調査】では、対象3000社の内、評価制度の有無は、「評価制度がある」は95.0%、「制度としてはないが,実態としてはある」が3.9%と,ほぼすべての企業で評価制度があった。

評価制度の仕組み回答内訳

こちらの表を見てみると、売上や契約件数などを表す「目標の達成度」で評価している企業は、9割程度にも昇っている。

また同調査によれば、昇給や賞与、昇格に評価を反映している会社は9割程度であることがわかっている。


引用元URL:http://www.e-sanro.net/jinji/j_research/j_research04/pr1702-2/

1.3 行動評価を取り入れる必要性はどの企業でも感じている

しかし、目標の達成度という成果による業績評価では、多くのマネージャーが現場では活用できないと感じているのも事実だ。なぜなら「売上を上げろ!!」や「契約をもっととれ!!」、「目標が達成できていないぞ」という指示しかできないからだ。

また会社方針や会議で決定したことを守るように伝えても、「それを守れば、数字は悪くなりますよ。数字は出すので、自分の方法でやらせてください。」と反発する社員に頭を悩ませている管理職は非常に多い。

素行や勤務態度が悪い社員に対しても、数字を出している社員には強く言えず、目先の売上ばかりに捉われて、気づけば、売上も従業員の質も低下し、手の施しようのない状況になってしまった。という会社も珍しくない。

だからこそ、「○○の能力を身につけているか?」という能力評価や「■■の行動をしてくれているか?」などの行動評価、「会社に貢献しようと言う意識があるか?」といった取り組み姿勢や勤務態度を評価制度の中に取り入れていきたい。と望む会社は多い。

そういった業績評価の中身ならば、「〇〇をできるように■■を意識して、作業するようにしてくれ」や「この仕事では△△がポイントだ。だから、必ず■■の手順を忘れないようにしてくれよ。」などの、現場でのマネジメントに活用できるからだ。

そういった要望にもかかわらず、なぜ9割以上の企業で、成果給で評価するという実態になってしまっているのか?その理由を考えてみよう。

1.4 行動評価の導入に足踏みしてしまう理由とは?

行動や態度、能力評価ベースによる業績評価の導入が難しい大きな理由は、どうしても評価者の主観が評価に入り込み、偏った評価になりやすいことである。

こちらの表は、NTTコムリサーチが20代から50代のビジネスマン1054名を対象にした人事評価の不満理由の集計結果だ。

不満を述べている人は、355人であり、全体の3割程度が会社の業績評価に不満を持っていることがお分かりになるはずだ。

引用元:http://research.nttcoms.com/database/data/001961/
そのため、どうしても評価の基準が誰の目からでも明確で、わかりやすい目標売上達成率などの成果指標で評価しがちになってしまうのが現状だ。

2.失敗しない業績評価を行うための基礎知識

では一体どうすれば、現場が活用でき、従業員に納得してもらえる業績評価基準を作り上げることが出来るのか?そのことについて、一緒に考えていこう。

会社分析における基本的な考え方の枠組みである比例関係

業績評価を考える上で、当たり前だが絶対に抑えていかないといけないのが、売上との関係だ。いくら会社にとって、重要な要素であっても、売上を差し置いて重視してしまうとなれば、会社の利益を損なってしまうかもしれないからだ。
だからこそ、多くの会社では、売上向上に関連するものを目標数値に設定することが多い。

具体的には、顧客単価や受注・契約件数、年間購買回数などだ。これらは全て売上と“比例関係“にある。

比例関係とは、「片方が上がれば、もう片方も上がる」という関係を意味する。

下記の様な“財務数値”であれば、誰もがその数値が上がれば、売上は上がる。ということを不思議に思わないだろう。なぜなら、下の図の数値を足したり、掛けたりすることで、実際の売上と同じ数値になるからだ。

上記の様な数値であれば、「この数値を改善できれば、売上があがる」ということを理解できない人はいないはずだ。

財務数値による目標数値の設定は、以下の記事で詳しく解説しているので、まだご覧になられていない方は、当記事と併せて読むようにしてほしい。


しかし、〇〇の能力があると言う【能力評価】や○○の行動を日頃からとっているといった【行動評価】などの“非財務数値”であればどうだろうか?

それを守ったり、実行したりしても、売上が上がる保証はどこにもない。

だからこそ、「能力評価や行動評価は取り入れることは検討しているが、売上が下がってしまうかもしれないと考えると実行に踏み切れない」と不安に感じるマネージャーが多いのだ。

3.財務数値と非財務数値をリンクさせる相関という考え方

ここまでご説明したように、財務数値であれば、売上との関係性は基本的に掛け算や割り算で示すことが出来る。売上ならば、【顧客人数×顧客平均単価】といったように、その関係性は明確だ。

しかし、直接には売上と結び付けられない、従業員や顧客心理と言った数値であっても、実は、売上との関係性を知る方法が実は存在する。

それが相関という考え方だ。この章では、相関と言う考え方がどのようなものであるのか、を説明していく。

3.1 財務数値と非財務数値を結びつける相関係数

例えば、あなたの会社で、営業知識に関するテストや上司評価によって、部下の点数を出したとしよう。その点数は、あなたの会社の商品やサービスをする上で、絶対に欠かせない、確実に身につけなければいけない数値であったとしよう。
しかし、どれだけ自社に大切な考えや能力であっても、その点数と売上の関係性をそのままでは見ることは出来ない。なぜなら、財務数値とは違って、その数値は基本的に目では確認できない数値であるからだ。

そこで、出てくるのが“確率”と言う考え方だ。

物理や化学と言った自然科学の分野では、純粋な計算が可能だが、心理学や教育学、経営学といった社会科学の分野では、実際に起こっている現実と照らし合わせる検証をすることが難しい。

そこで考えられたのが、【そのテストで高得点】をとった人物が、【実際の売上成績】も良いのか?という2つの物事の同時発生率を検証してみるという分析手法だ。

その2つの物事の発生確率を基に、「売上を上げる社員の多くは、どの様な知識やノウハウ、考え方、スキルを持っているのか?」という関係性を表すのが“相関”という分析手法と言える。

3.2 相関をわかりやすく理解するためにグラフの形を理解しよう

ここまでの説明では、相関係数と言う言葉を、元々知っている人はともかくとして、イメージできない人が多いと思うので、具体的なパターンを見て行こう。相関には大きく5つの形がある。

それぞれのパターンから業績評価が正しく機能しているかどうかを知る事が出来る。

【強い正相関関係がある】売上の良い社員はその知識を持っていることが多く、逆にその知識がない社員は売上が低いので、その知識量を業績評価に取り入れるべきだ。
【弱い正相関関係がある】売上の良い社員はその知識を持っていることが見られることがある。しかし、必ずその通りになるかわからないので、業績評価に取り入れても効果は薄い。
【強い負相関関係がある】その知識が持っていればいる程、売上は下がる。逆に、その知識で考えないようにさせないような取り組みをしなければいけない。
【弱い負相関関係がある】その知識を持っている社員は、売上が低いことがみかけられるので、その視点で考えないように指導する方が良い。
【相関関係がない】その知識を持ってようが、持っていまいが、成績にはあまり関係がない。そのため、業績評価に取り入れても効果が薄い。

つまり、自社の評価項目と売上の関係性を見て、①の結果になった項目だけを残し、そのほかの売上には関係が見られなかった項目を新しい評価観点に差し替えることが重要となる。

それを繰り返していくことで、最終的に、自社オリジナルの自社の利益を改善することにつながる、能力・知識・取り組み姿勢・行動評価による業績評価ツールが完成するのだ。

3.3 基本的に業績評価は事前に入念なリサーチを行ってから作成するもの

私たちがクライアントの業績評価を設計する時は、元々あった業績評価基準とヒアリングから得た課題を合わせて合計100項目を必ず作成するようにしている。

なぜなら以下のような相関分析をかけた時、100項目もの評価基準を作成しても、財務数値と強い関係性が見られるのは、大体30項目程度しか残らないからだ。

以下の図は、私たちが作成した評価項目と財務数値の関連性を見た図だ。実際には、評価観点が100個存在するが、わかりやすいよう5項目だけを抜粋している。

※成果指標と強い正の関係性が見られる項目は水色、成果指標と強い関係が見られない項目をオレンジで表示している。

上記の表を見てみれば、全ての財務数値を改善することに強い関係性を持っているのは、評価観点5の<業務進捗を上司に報告する>しかないことがお分かりになるはずだ。
ここまでのことがわかっていれば、この項目を業績評価に取り入れ、社員に徹底することで、売上が上がる!!という裏付けを取ることが出来る。

財務数値との裏取りがないまま、「行動評価を取り入れるべき」、「勤務態度を評価に入れた方が良い」などの“べき論“では、会社の売上を下げることにもつながりかねない。

業績評価を考える時は、必ず財務数値との関連性を確認してから、改善に臨むことをおススメする。

まとめ

あなたの会社での業績評価基準はどの基準で作成されたものだろうか?これまでの経験則から、「わが社はこの理念を大切にしているから、このような評価基準が重要なのだろうと思うけれど・・・」といった感覚で作ってはいないだろうか?
あるいは、「他の会社も同じようなものを使っているから大丈夫なはずだが・・・」といった、横並び志向に陥ってはいないだろうか?
それでは絶対に上手くいかない。

なぜなら、従業員に自信を持って説明ができないからだ。従業員に「なぜ、その行動で評価されるんだ?上司は現場をわかっていない。」という質問に対し、「これはデータ根拠があるのだから確実だ!!やれば必ず結果につながる!!」と言う返しができなければ、従業員からの納得や賛同は得られない。

このように、売上やその他の財務数値と、行動や姿勢という非財務数値の関連性を把握できていれば、自信を持って従業員に説明できるようになる。

それだけではなく、現場にとっても「この行動をすれば、売上や顧客単価を上げることが出来るんですね!出来るように頑張ってみます。」という前向きな気持ちを引き出せ、具体的な改善指示を業績評価基準が与えてくれるようになる。

つまり、「その行動をとれば、売上が上がることが保障されている。」というのは、現場にとって、安心感、希望を与えてくれるのだ。

是非、財務数値の裏付けをとり、現場の改善を支援する非財務数値による業績評価ツールの作成に取り組んでみてはいかがだろうか?

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