従業員満足度

従業員満足度とは?|好業績化に成功した事例からわかる施策の進め方

離職率を下げる。社員の質を高める、効率化によるコストの削減をする、新しいプロジェクトを成功させる、新しいルールや制度を普及させる、現場での分析ツール・アプリの活用の促進。

あなたの会社でも、自社の品質や生産性、開発、セールス・マーケティング力の強化、自社のビジネスモデルを最適化するために様々なことにチャレンジされておられることだろう。

しかし、あらゆる取り組みの成功は、現場でPDCAサイクルがどれほど回すことができるかにかかっている。

ほとんどの計画は細部まで作りこむことは難しく、実際に実行してみてマニュアル・ルールの調整や最適な運用方法を模索しなければならないのが現実で、「実行・振り替えり・修正を何度繰り返し出来るか?」が成功と失敗の差を生み出す。

現場のある工程の効率化という日常業務の範疇であっても、社員の1人1人が成果意識を持つことで始めて課題発見がなされ、成果意識を持っていることで「こうしたほうがいいのではないか?」というソリューションが生まれ、最終的に現場責任者(管理者)がそれをノウハウ化し、それを会議や報告書で共有されることでマニュアルやルールになり、会社全体に広がっていく。

残念ながら、会社組織の大半の社員は、毎日、同じやり方でただ繰り返している。だからやる気がある人なら感じる些細な疑問も持たないし、例え気付きがあったとしても面倒だから報告したり、やり方を変えない。経営者や管理職が一流でも、それを実行する社員にやる気がなければ、組織を変える事は不可能であることは誰もが無意識にわかっていることだろうと思う。

だから、従業員満足度というキーワードを、あなたは検索したのではないだろうか?

どんな計画も仕組みも、それが機能するように現場努力がなければ絵に描いた餅で終わる。マネージャーは、人事や業界知識・技能などの専門知識と合わせて、”人を動かす”ためのノウハウを学ばなければいけない。逆に、社員心理を理解し、組織貢献やチーム協力への意欲を引き出すことさえ出来ていれば、「週1回、気付きを発表しあう」という誰もが思いつく簡単な内容であっても、劇的な成果を生む。

すでに他サイトや書籍などで事例を見ている方なら、「自社でもできそうだ。」と思える内容が非常に多い一方で、自社の社員たちがそれを活発的に行っている姿をイメージできないと感じたのではないだろうか?

施策やルール・仕組みは内容を考えるよりも実行させるほうが100倍難しい。

マネジメントで成果を出すために最も必要な社員の心に訴えかけ、動かすためのノウハウ、従業員満足度についてこれから一緒に見ていこう。

1.従業員満足度向上施策の目的と意義

マネジメントとは、簡単な言葉で言えば、伝言ゲームだ。

目指したい目標、相手に果たして欲しい役割、期待する行動など、あなたの発信するメッセージのほとんどが正しく相手に伝わることはない。なぜなら、人は”解釈”をする生き物であるからだ。だから、いわれたことしかしない人もいれば、あなたの意図を汲み取ることの出来る人、今出来る・出来ないではなく長期的な視点で話を理解できる人など、相手の解釈の仕方1つで、あなたのメッセージはいかようにも変換されてしまう。

指示や指導、ルールやマニュアルでは、どうしても能力や性格などパーソナリティな部分に強く依存してしまい、想定通りに動かない。

そこで”相手を動かす”のではなく、”相手が自発的に動く”ために考えられた方法が、従業員満足度(Employee Satisfaction)施策だ。

1.1 従業員満足度を知ることは自社の管理力向上に直結する

人は強制力で変えることは難しいが、行動の源泉となる心理を刺激し、誘導すれば、誰もが同じ結論に達するのではないか?人によって解釈が違うのは、思考を阻害している要因があり、会社組織であればそれは不満だ。

「自分なりに努力している」、「求めるなら給料を上げてくれ」、「職場平均と比べれば自分はしているほうだ」

上記のような思考の差が、行動の差を生む。

マネージャーの仕事は、目標を遂行するために社員を動かすことであり、人事評価や人員配置、指示・指導をすることではない。それらは全て目標を達成するための手段であって、それを実際にしていても、チームの作業品質・効率性に変化が起こらなければ仕事をしているとはいえない。

しかし、指導や面談をどれだけ一生懸命にしているだとか、シフトを工夫しているだとか、マネージャーたちのほとんどが、どれだけ自分がチームのために走り回っているかの方が大事で、マネジメントに対する成果意識は低いのが現状だ。

もしも、マネージャーたちの関心が、自分の思う理想の状態を目指すために、社員を動かす事が中心になればどうだろう?

自分が取り組んだことによって、社員の意識は変わったのか?行動に変化は見られたのか?という結果に興味を示すようになる。そこで従業員満足度に関するデータがあれば、「部下Aには、指導・指示が上手くいった。」、「部下Bには、伝えたい事が伝わらなかった」という取り組んだことに対する振り返りができるようになる。

1.2 従業員満足度向上への取り組みは良質な会社風土を作り出す

また従業員満足度は、現場社員、アルバイトにも関連する概念だ。

働きやすい職場作り、誰もが輝ける会社作りには、全社員の意識改革、協力と貢献を必要とする。あなたが例えアルバイトであったとしても、あなたは不満を感じる側であると同時に、誰かに知らないところで不満を与えてしまっているかもしれないからだ。

モチベーションというと給与や待遇などに目が向きがちで、ついつい会社の責任にしがちだがそれは間違いだ。

  • 会社・経営者が果たすべき従業員満足度向上活動
  • 現場管理者・部下を持つものが果たすべき従業員満足度向上活動
  • 現場の1人1人の社員・アルバイトが果たすべき従業員満足度向上活動

会社全体の話と現場での話は完全に別の話で、業績が好調な会社では、アルバイトだからとか新入社員だからとかいう垣根は存在しない。こういった話をすれば、優良企業にはブランド力があり、アルバイトであってもモラルが高く、意欲もある良質な応募者が集まるから、と思われるかもしれない。

しかし、学生街の飲食店を見れば、同じ大学のアルバイトを採用しているにもかかわらず、接客の質は店舗によって違う。そこには、職場文化というものが存在し、社員たちは知らない内に、その会社らしさに染まっていく。

従業員満足度に対する取り組みは、単なる指導や指示のマネジメントのテクニックではなくて、人材育成の仕組みそのものだ。

2.従業員満足度とは?

従業員満足度は、自社のマネジメント力を代弁する概念だ。そして、従業員満足度の種類は大きく分けて3つある。

  • 何を持って従業員満足度高い・低いと判断するのか?
  • 業績改善に直結する満足度とそうでない満足度を区別しなければいけないのではないか?
  • 改善したいテーマや課題によって対応する満足・不満は変わってくるのではないか?

ここまでお伝えしてきたように、従業員満足度とは、社員心理であり、心理はそれぞれの行動に紐づく。引き出したい行動、共有したい考え方が変われば、それを阻害する要因はもちろん変化するし、従業員満足度という極めて感情的なものをそもそも可視化できるのか?と思われる方もいるだろう。また、ある満足度が上がったとしても、それが業績につながるとは限らない場合だってある。

それぞれの問いに対応するのが以下の3つの社員心理だ。

総合満足度

「今の仕事が好き」、「この会社で働き続けたい」、「今の職場に居心地の良さを感じている」など、総合的なモチベーションの高さを表す満足度

業務姿勢・態度・行動

「○○を課題だと感じている」、「○○を解決したいと思っている」、「○○ができるようになりたい」など、業績目標の達成につながる動機付けたい行動に対応する気持ちの強さ

会社・職場への不満・満足度

「会社に対する不満」、「上司に対する不満」、「職場に対する不満」など、目標達成や成果、課題意識を阻害する、あるいは強める総合的満足度を左右する要素

従業員満足度施策は、上記の3つの概念をそれぞれ数値化し、それぞれに対応する施策を設定することで、社員を動かすマネジメントノウハウ・仕組みを獲得していく手法のことを言う。

ではそれぞれ詳しく見ていこう。

3.従業員満足度の高い・低いを評価する

モチベーション

どの取り組みでもそうだが、基準というのは非常に重要だ。基準のあるなしによって、人の意識や行動は大きく変わる。

売上や数量というのは、基準としての頑健性が非常に高い。個人の解釈や主観が入る余地がないからだ。しかし、従業員満足度のような心理数値は、回答者自身が建前の回答をするかもしれないし、良く思われようと実際そのような行動をとってはいないが、社会的・道徳的に考えれば正解だと思われる選択肢を選ぶ。一般的にバイアスと呼ばれるものだ。

そこで従業員満足度の取り組みでは、まず従業員満足度の高い・低いをどうやって評価するか?という基準の設定から始まる。

3-1.総合的な満足度の定義とその方法

従業員満足度が高いといわれれば「やりがいを感じている」や「会社に満足している」などのキーワードを連想される人が多いだろう。

もちろん、私たちRABLEでもそのような項目を使う場合もあるが、それをメインとすることは絶対にしない。なぜなら、「やりがいを感じているかどうかの感じ方」は、個人の主観によるし、それはスコアの偏りを生む。

従業員満足度の高い・低いの定義において「誰もがその人はやる気が高いと思う」というものではならない。

あなたは、普段、職場のメンバーのどういった仕草・態度から「この人のやる気は高い・低い」と判断しているだろうか?

それは積極的にコミュニケーションをとっているかもしれないし、表情が明るいなどの微妙な変化を感じ取っている場合もあるだろう。つまり、「やりがいを感じていますか」という項目を作り、そのスコアを集計し、平均点が高いからといって、職場のモチベーションが実際に高いとは限らない。

従業員満足度調査を業者に依頼する会社が多いのはそのためだ。

従業員満足度調査は、ただアンケートを作ればいいというわけではなく、心理統計に関して、分析ノウハウ、項目ライティングといった専門知識を必要とする。項目を見れば、ノウハウがあるかどうかが一目瞭然なので、もしも業者にES調査を依頼するには、品質を判断する際の基準となる。

総合的なモチベーションを測るための簡易テストとして、現在24項目のテストを無料で公開しています。以下のリンクでは、それぞれの項目の解説をしておりますので、従業員満足度が高いを判断するための視点を知る事が出来ます。貴社で従業員満足度アンケートをしておられる場合は、リンクから質問文・選択肢を見るだけでも参考になると思います。

詳しくはコチラ

3-2.従業員満足度向上に取り組んでいる会社の共通点

従業員満足度向上に取り組んでいる会社では、定期的に従業員満足度調査を実施している。その目的はスコアの比較をするためだ。

従業員満足度調査を含めた全てのサーベイ、リサーチの実施目的は「探索的リサーチ」と「比較リサーチ」の2つがあり、総合的満足度は、探索低リサーチに該当し、定期的に実施することの目的は以下の2つだ。

①:指導や面談の実施のタイミングとしてデータを活用する

面談や指導というのは当然、時間というコストが発生し、正社員の比率が少なく、アルバイトが多くを占める職場なら尚更だ。また実際の指導や指示においても、管理職が直接接するメンバーは限られ、全員に一律のマネジメントをするというのは非効率的だし非現実的だ。

そこで誰を優先して、コミュニケーションを重点的にとっていくか?というターゲットの絞り込みが大切になる。

総合満足度を定期的に調査し、スコアの一覧を出しておけば以下のように利用できる。

  • モチベーションが危険域にある社員とそうでない社員がランク・カラー分けされている
  • 名簿リストに対応する形でそれぞれのメンバーの満足度がカテゴリ別に一覧化されている

総合満足度とは、以下のようにその強さが分かれている。

つまり、「放置しても問題ない社員」と「出来るだけ早急に対処しなければいけない社員」という区別はマネジメントの優先順位を教えてくれる。ちなみに私たちRABLEでは、総合満足度をDからAのランクで評価しており、Dランクの社員に対して何の対処もしなかった場合、1年以内に離職する確立は70%を超えている。

ESデータは面談やコーチング、部下の悩みを聞くなどの施策の質を高める

従業員満足度を明確に定義し、その強弱が明確であれば、面談をしなければいけないリストの作成、また面談時の資料としても活用できる。事前にどの悩みを抱えていて、どのような心理状態に陥っているのかがわかっていれば、より質の高い面談やコーチングがしやすくなる。

  • 退職面談の実施リスト
  • 面談における質問指示
  • コーチング・メンター制度で活用する資料

RABLEでは、コンサルタントをしている事業様を対象に協力企業を募集しています。貴社の専門ノウハウをリサーチ項目化し、テンプレート開発をするお手伝いをさせて頂いており、研修やコーチング、面談時に心理データを活用した、心理統計・定量データに基づくコンサルティングの実現を私たちと共に目指しませんか?詳しくはお問い合わせページよりご依頼ください。

②:データの振り返りがなければ改善は進まない

また管理職だけでなく、職場単位、部署単位、チーム単位で取り組む際にもデータがあるなしでは成果はがらりと変わる。私たちのクライアントの大半が以前に自社独自で従業員満足度調査を実施した事がある会社がほとんどだが、意外にもアルバイトは対象に含んでいない会社が非常に多い。

しかし実際に行っている施策は、朝礼や言葉遣い、挨拶、コミュニケーションの活性化というもので、ちぐはぐになってしまっている。また、アルバイトを対象に含んでいる会社でも、従業員満足度調査データは、経営者や一部の管理職だけの共有しかされていない事が大半だ。

ここで考えてみて欲しい。

もしもあなたがアルバイトや権限を持たない一般社員で、自分なりに一生懸命に取り組んでも、職場メンバーたちの感情の変化や不満の解消がどうなったかわからない。自分たちには、取り組みの成果が知らされない。そのような状況で、引き続き努力をしようと思うだろうか?

成績表やレポートは、経営者や管理職だけが見るものでなく、自分たちの努力や行動の結果を振り返るためのものだ。

ESデータは会議や話し合いなどの施策の活性剤になる

「いらない会議をなくそう」や「会議時間を短くしよう。」、「話し合いをするだけ時間の無駄」と感じる現場管理職は実に多く、毎月定例の売上や原価などの報告会がその典型だ。なぜなら、毎回同じ話ばかりでどれもメールで資料を送れば共有できることばかり。それが終われば、各自が思いつきで話し合い、論点が飛んだり、テーマに一貫性がない。

それは全て議題を事前に設定し、その会議で到達したいゴールを設定していないからだ。

しかし、定期的にES調査をしていれば、訓練していないアルバイト中心の職場での話し合いも高いレベルで行うようになる。それはデータがあるからだ。データは「この数値が低いのはなぜだと思う?」や「この数値は前回よりも変わったよね。なぜだと思う?」といったように思考を誘導するからだ。

  • データを見ながら職場・チーム単位で行うブレスト
  • 職場・チーム単位で行う課題提案・ディスカッション

上記の取り組みはどの企業でも、どの職場でもできることだが、その質は数値があるなしで大きく変わる。

私たちが実施している無料モチベーション診断は、企業様単位での利用も募集しています。企業様利用では、全社レポートだけでなく、会議や話し合いで使える資料・ディスカッションシートを特典としてプレゼントしていますので是非ご利用ください。

4.従業員満足度向上の目的と事例

ここまでご説明してきたように、従業員満足度は、業績を高めるための手法であって、社員の満足度を高めることはあくまでその手段だ。つまり、総合的モチベーションが高くても、業績目標を達成するための努力や行動を引き出すことにつながらなければ、成果は変わらない。

4-1.業績につながる従業員満足度とそうでない満足度

会社や職場、職種が変われば、「向上心がある、勤務態度がいい、意欲が高い」と判断するポイントは変わる。重要となる行動や考え方が違うからだ。

上記の総合満足度は、ストレスチェックなどの「心身の健康状態」・「会社で働き続けたい意欲」という勤続モチベーションの要素が強く、業績改善の手段として、従業員満足度向上施策をするのであれば、「業務姿勢や態度・行動」の質を評価するための項目が必要になる。

  • 向上心や成果意識、スキルアップなど個人のパフォーマンスに関する項目
  • 指示や指導、連携など、チームワークに関する項目
  • チームビルディングや調整・交渉などマネジメントに関する項目

これらの項目は全て組織サーベイと呼ばれ、自社の人材の質や管理職候補の選別・育成、社風の浸透度合いを数値化するために用いられる。

実際の行動変化を数値化し、総合満足度と関連付ける事は、社員たちに従業員満足度を高めることの重要性を認識させやすくなるし、従業員満足度の取り組みの成果として、社員の行動・態度変化が起きているかを知る事が出来る。

具体的な項目に関しては以下の記事で紹介しているのでそちらを参照するようにして欲しい。

個人のパフォーマンスに関する項目

チームワークに関する項目

マネジメントに関する項目

4-2.従業員満足度:ES向上事例・施策事例

業績と関連付けて、自社・職場・部署におけるモチベーションが高い状態を定義することは、従業員満足度施策の質の向上につながる。

人事考課の評価の観点に取り入れたり、研修のコンテンツ、マニュアルやルールへの反映などの仕組みだけでなく、そういった制度を整備できていない中小企業であっても、業務姿勢・態度、行動項目をスコア化することはそれだけでマネジメント力を高めてくれる。

従業員満足度に限ったことでなく、あらゆる改善は「弱点をなくす」か、「あるものを伸ばすか」の2択で、不満を解消したり、今自社でできていないノウハウを獲得することは非常に難しいが、すでに自社にあるものを拡大することは比較的簡単に出来る。リッツカールトンやスターバックス、ガイアックスなどでも取り入れられている規模に関係なく実践できる施策をご紹介しよう。

マネジメント研修

研修といっても別に専門家を呼んだり特別な資料は必要ない。

これまでお伝えしてきたように、「従業員満足度が高くなれば人は変われる」という認識を管理職で共有さえできればいい。もちろん、説得力を持たせるストーリー作りや演出はあったほうがいいが、「上司が嫌いな状況で、あなたは上司の指示や指導を真剣に聞こうと思うか?」など「指示や指導、目標が納得できない状況」について話し合えることが出来ればそれで十分だ。

知識を与える講座ではなく、人が反発する状況や条件を参加者で話し合うことで、様々な気付きが得られる。従業員満足度の成功事例はいずれもまず管理職たちに言い聞かせるではなく、「自発的に頑張ろう」と思える会社作りをしよう。というマネージャーの意識改革から始まっている。

サンクスカード

サンクスカードとは、「○○してくれてありがとう。」、「○○してくれて助かっています」、「あなたの○○の部分を私はいつも見ています」という感謝の気持ちをメッセージにしてチームで評価しあう取り組みのことを言う。

この取り組みの意義は、行動の継続にある。

サンクスカードを貰った人は「この行動もこれからも続けたいと思う」、「自分の努力はきちんと見てくれていた。無駄ではなかった。」という気持ちを持つ。

この取り組み自体は、非常にシンプルでカードさえ社員に書かせれば出来るのでどの企業でも出来るが、カードを書くだけで、それぞれの社員宛に書かれた声をまとめて社員1人1人にフィードバックするというところまでやり切れている会社は実は少ない。人事部の仕事はサンクスカードを書かせることではなく、その声を社員に伝え、モチベーションを向上させるところまでが仕事だ。

それを現場任せにし、結局職場のポスターに掲載するだけで、実際にはほとんどの社員が見ていない。自分の名前を探すのも面倒だし、しっかりと演出がされてなければやらされている感が強く、心に響かないからだ。サンクスカードは書かせるだけでなく、心に響く演出含め、人事部はその運用まで徹底的に考え抜いて取り組む意識を持とう。

褒賞・表彰

行動の強調において表彰は古くから存在する手法だ。全社員を集め、表彰するという行為は人間の承認欲求に強く訴える。

売上一位などのパフォーマンス面だけでなく、離職者が少ない職場やアイデアを最も出した人、職場の社員の感謝の声1位など、思いつく限り様々な賞を作る事が大切だ。表彰の目的は、業績評価に表れない行動や態度が良い社員をピックアップすることで、その行動や考えを普及させることにある。

そのため、財務指標で評価できる観点を数多く用意することにしたい。

ロープレ

自分の考えに関係なく、あるテーマに対して「賛成・反対の立場で主張してください」というロープレは思考の切り替えに役立つ。

ある目標が与えられ、あなたは納得していません。なぜでしょうか?

こういった問を与えられた時、目標の非現実性や社内のリソース不足など様々な原因が考えられる。しかし、普段のあなたは指示や目標を与える側だ。そこで逆の立場で考えた時、納得させることの難しさ、大切さを実感するはずだ。

4-3.従業員満足度を向上の取り組みはコストをかけなくてもできる

従業員満足度の向上は、新しい制度の立案や待遇改善などコストをかけなければいけないイメージが強い。給料や福利厚生は、生産性が向上し、利益率が改善され、財務に余裕が生まれなければ、中小企業には難しいからだ。

しかし、今あるものを強めることはどの企業であっても出来るはずだ。

成果を変えるには、必ず前兆があり、ある行動が出来る社員が増えたり、職場への貢献が増えてきて、それが一定水準に達した時始めて結果に表れ始める。

管理職によって業績が変わるのは、その些細な変化や努力に気付けるかどうかだ。

どんな些細なことで社員が実行すれば褒め、その行動を継続させる。するとその行動を他の社員が真似し始め、それが職場文化として定着する。管理職が変われば、職場が変わるのはそのためだ。

しかし、気付きや褒めるポイントというのはどうしてもセンスや知識、経験に依存し、どうしても出来る人・出来ない人に分かれてしまう。

だが、データがあればどうだろうか?

業務態度や行動がスコア化されていれば、その変化(行動努力や職場貢献、勤務姿勢)を数値で可視化され、褒めるポイントがわかるし、レポートとして社員にフィードバックすることは、管理職の能力に依存しない。

従業員満足度調査は、業績に現れる前の社員の努力や意欲を評価し、その行動を継続させるためのツールとしても機能する。

5.社員ニーズに対応した従業員満足度施策

業績向上につながる従業員満足度を定義できれば、後はその行動、考え方につながる不満・満足をリストアップする工程に入ろう。

冒頭でも触れたとおり、行動が変われば、それにつながる心理や感情は当然変化する。社員たちの持つ不満は「会社に対する不満」・「上司に対する不満」・「仕事に対する不満」・「職場に対する不満」の4つに分かれる。

5-1 会社に対する不満を解消する施策例

会社に対する不満には、給料・待遇などの金銭面や福利厚生といった特典だけでなく、人事考課やキャリアに対する納得・公平さ、知識やノウハウなどの学習環境など様々な事が上げられるが、それが意味することはたった1つだ。

それは会社や経営者に対して、期待あるいは信頼間を持っているかどうかだ。

  • 会社、あるいは経営者は、現場の社員の気持ちに寄り添っていると感じられるか?
  • 会社、あるいは経営者は、売上を伸ばすことに意欲的であると思うか?
  • 会社、あるいは経営者は、課題に真摯に受け止め、都合の悪いことも正しく認識できると思うか?

現状できていなくても、経営者や管理職にやる気があれば未来は変わるし、現場の問題を真剣に考え、解決したいという熱意があれば必ずなんとかしようとしてくれる。

社員たちは、「すぐに給料を上げろ」と無理難題を言いたいのではなくて、それが問題であると認識せず、改善しようという姿勢が見えないことに不満を持っている。つまり、従業員満足度で知ることは、改善できない不満を知ることではなくて、社員たちが経営者や会社に対して、どういった部分に努力不足を感じていて、どういったすれ違いや誤解、認識の違いを改善すべきか、ということだ。

そうした視点でスコア化される不満は、自社の規模や経営状態に応じたものに必ずなり、自社が実施すべき施策は何か、それはデータが教えてくれる。

5-2 上司に対する不満を解消する施策例

中間管理職とは、実にマルチな能力を求められる。

進捗管理、指示の妥当性、現状の客観認識力、チームビルディング、ビジョン、コーチング、交渉力、評価の公平・客観性、他にも数え切れないほど、マネジメントに必要な能力・資質・知識を定義しようとすれば、ユーティリティプレイヤーでなければいけないと一般的には思われがちだ。

しかしそれは間違いだ。

それは自分がやるか、他人にやらせるかはどうでも良くて、「能力がないのに自分でしようとする」、「間違った意見を押し通す」、「現状を正しく認識できていない」などの問題が起きている事が問題なのだ。

つまり、自分に出来ない、苦手なことならば誰かにやらせればいいし、チーム全体で見たとき、それが機能しているなら誰も不満を持たない。

マネジメントに対する不満をスコア化するとき、多くの管理職は自分に駄目だしされることを怖がる。

ES施策は、能力がないことを指摘するものではなくて、様々なマネジメントの役割において、チーム内の誰かがその役割が果たせるように分担するタレントマネジメントを実行するためにある。

マネージャーに最も求められるのは、適正のある人に仕事を与える仕事を創出する力だ。暴論をいえば、役割分担が適切に出来て、あらゆるマネジメント業務が上手く機能していれば、マネージャーは仕事をしなくてもいいし、何もしなくても仕事をしているといえる。

実際にはそんなことにはならないが、チームを機能させるために、どの機能が機能していなくて、不足している役割を出来る人材を用意する、育成する事がマネージャーの役割だといえる。

従業員満足度施策で知るべきことは、どのマネジメントが機能していないか?に他ならない。

5-3 仕事に対する不満を解消する施策例

ここまでご覧になられて勘の良い方ならばお気づきかもしれないが、満足度とは事実ではなくて、人の感じ方だ。

例えば、工場のラインで「職務内容的に他の職種よりも職務満足度を感じにくい業務です」と仰られるマネージャーがおられる。

しかし、精確性やスピード、段取りなど探そうと思えばやりがいはあるし、やりがいはあるものでなくて、見つけるものだ。どんな仕事でも好奇心がなければやりがいに気付けない。大事なのは、やりがいを感じさせる努力をしているかどうかだ。

どの仕事でもやりがいを感じている人、感じていない人に分かれ、それは感じ方の違いによるものだ。

従業員満足度でそういった認識の違いがわかれば、どういった気付きを与えればいいかがわかる。満足・不満足の差は、認識の違い、物事の捉え方から起こるものであり、そのギャップをスコア化することは、どういったコミュニケーションが不足していて、どういった気付きを与えることでやりがいを持たせる事が出来るかを知ることにつながる。

5-4 職場に対する不満を解消する施策例

職場に対する人間関係は心理の最たるものだ。

相手のどういった部分に不満を感じたりするポイントは人によって当然違う。また満足もある人は満足に感じる事が、ある人にとってはストレスに感じる場合もある。

つまり、働きやすい職場というのは、個人の感じ方によって変化するものであり、大事なのは相互理解だ。

スコアによって、その人の感じ方や不満というものをスコア化出来ていれば、自分の考えと相手の考えの違いを知る事が出来るし、自分が良かれと思ってやっていることがどう伝わってしまっているのか、相手からは自分はどう見えているのか?を知ることにつながる。

誰もが働きやすい職場作りとはデータなしにはなしえない。

まとめ

従業員満足度向上事例・施策は、簡単なものから、コストがかかるものまで非常に多岐に渡る。

しかし、どれだけコストをかけてもそれが形式的・表面的で終わってしまえば、上手くいかないし、声掛けという些細なものであっても、経営者・管理職・現場社員が徹底して取り組めば劇的な成果を生む。

そしてそこに共通するのは、やった、やっていないではなくて、相手はどう感じたか?、自分はその思いを伝える事が出来たか?相手はこう捉えていないか?という相手目線だ。

従業員満足度というテーマにおいて、人間観察や表情や声色、仕草といったことに敏感な人は、専門的な知識がなくとも優れたマネージャーになれる。それは特に女性や経営者に多く、「こうすれば人はこう動く」という天性のセンス・感覚を持っている人たちだ。

従業員満足度施策というものは、これまでセンスや才能と呼ばれてきたマネジメント力を誰でも、あるレベルで実行できる仕組みを作り上げることを目的としている。

相手が心の内に秘めている感情、適切な行動や業績につながる考え方を阻害している要因、自分の働きかけによる相手感情の変化、それらをリサーチによって数値化し、その数値の解釈や運用方法を体系化するものが従業員満足度施策であり、それはこれまでに紹介した3つの従業員満足度を組み合わせることによって達成できる。

業績を向上させるために、どういった行動をとることや考え方を持つ事が重要で、その行動や考え方はどういった心理を持てば、その結論に行き着くのか?

そのメカニズムは従業員満足度を仕組み化することによって体系化する事が出来る。

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