人材育成

人材育成の目標設定で現場を動かす!すぐに実践できる手順と具体例

人材育成の目標

あなたの会社でも、人材育成能力評価シートや業務マニュアルの作成、勤務態度・行動評価を人事考課への取り入れ、管理職研修など、人材育成に関する様々な取り組みをされていることだろう。

しかしそういった制度や環境整備をしても、「現場の人材育成に対する意識の改善や社員の質ににつながった。」というケースは少なくなるケースがある。

なぜなら、人材育成で大事なのは、現場で業務をしながら、人材育成を同時に進めていくという”考えを習慣化させる”ことにあるからだ。

現場での人材育成の目標を策定する際は、長期的な「○○ができる、考えられる、貢献できる」といった最終ゴールの決定だけでなく、今週は、今月は、具体的にどのような指導を誰に行うか?を明記することが必要であるからだ。

そこで当記事では、現場での人材育成進捗管理を把握するための”人材育成目標管理シート”の作成手順とその運用方法をお伝えすることにしたい。今から人材育成に取り組みたいけれど、何をしてもいいかわからないという人にもおすすめの内容となっている。

参考

もしも、人材育成の目標としてキャリアプランを決めたい。と思っているならば、ぜひ、以下の記事を参考にしていただきたい。以下の記事を参考にしていただければ、それほど、キャリアプランを作成するのは難しくない。と思っていただけるだろう。

 

1.人材育成の目標を考える前に設定すべき目標の種類とは?

業績を上げるためのマネジメントの目標は大きく”遂行目標”と”習得目標”の2つに分けられる。遂行目標とは、現在の人員、能力で達成できるマスト目標というべきものであり、習得目標は自分たちが成長することで達成したい目標のことを指す。

ではそれぞれの違いについてみていきたい。

1-1 従来の現場における人材育成目標の設定例

売上や顧客数増加、不良品率・人件費率低下などの業績指標の改善のためにほとんどの会社では以下のような業務に紐づく様々なKPI・KSFを管理者たちが、自分の経験や知識を元に計画、実行されていることだと思う。

人材育成の目標|遂行目標

上記のものはその一例で、営業であれば、「アポや営業件数を増やそう」、「新規開拓に力を入れろ」など、KPI・KSFを現場に提出させることで、現場がどのような力を入れているかがわかる。

またそうした管理がされていない会社では、昨年対比を目標として設定されているのではないだろうか?

これは、「昨年、自分たちが達成した数字なのだから、これを超えることは今の自分たちでも出来るだろう。」という考えた方がベースとなっている。

今の業績を維持するためには、売上や顧客単価、来店者数に関する目標が必要になるし、これは絶対達成してもらわなければならない。と考えて、昨年対比という業務目標を設定し、人材育成を考えることに繋がっていくこととなるだろう。

昨年対比の目標例としては、昨対売上目標達成率、昨対人件費率、昨対原価率というマスト目標があり、これらの目標は”今の自分たちでも達成できる遂行しなければいけない目標”であるといえる。

だからこそ、「この目標を達成できないのは、やる気がない、努力が足りないせいだ。だって、無理な目標じゃないのだから」となってしまう。

いくら研修や指導マニュアルをしても、管理職や部下の指導をする先輩社員の思考が根底から変わらないのであれば、いつまで経っても人材育成は進まない。

なぜなら、目標を達成できないのは、部下のせいであると考えてしまっているからだ。

参考

KPI・KSFという言葉を聞いた事がない。あまり詳しく知らない。という方は、先に以下の記事に目を通しておくことをおすすめする。マネジメントを計画する上で、目標設定や業績指標に関する基礎知識になっているので、是非抑えておこう。

1-2.優秀なマネージャーは習得目標を考えて人材育成を行う

しかし、目標達成の進捗について、楽観視せず、職場の人員に対して、客観的な目で見れているマネージャーはそう考えない。

去年目標が達成できたのは、市場の影響もあるかもしれないし、その後の人員の変化、ライバル企業の動向といった総合的な結果にしか過ぎないと考えているからだ。

常に今の結果という事実を真剣に受け止め、現在の自分たちの力量ではこの目標を達成できるだけの力がない。と考える。

すると目標は以下のように変わる。

人材育成目標|習得目標

部下たちにどういったことをできる力を伸ばすか?

いわゆるキャンリスト「~ができる、~を考えられる」を作成したり、上記のような現場での行動に直結する目標を掲げ、「この回数を増やそう」、「目標の全体的な達成率だけでなく、全員が達成できることを重視しよう」を徹底的に考え、現場業務の中にOJTとして埋め込んでいく。

これが”習得目標志向”であり、「業務外に時間が余裕があれば教えよう」とか「人員に余裕があるときにゆっくりと教えよう」などのように業務と人材育成を切り分けて考えない。

今までよりも余裕を持つために、目標の達成を楽にするために、人材育成がある。つまり、人材育成をしない限り、今よりも状況がよくなることはありえない。

2.人材育成目標の具体例

人材育成には単なる数値の一元運用だけでなく、段階を経た成長ストーリーを作っていく事が大切になる。

全てのことは、1つのことができたから、次のことができるようになり、、、といったように最終的な業績に結びつけるための成長ステップを考えないといけない。

また細かくステップとして分けておくことで「Aさんは、○○は問題ないが、△△が弱い。なので、△△が高いレベルでできるようになる事を目指せよう」といった社員ごとの育成プランを考えることにもつながる。

2-1.人材育成目標を業種別に具体例で紹介しよう

営業のケース

まず、最初の段階ではアポイントの件数や商談の獲得件数やクロージング率が重要な指標となるが、ここまでを習得すれば、次は営業の質を高める人材になるための人材育成の目標が必要となる。

そこで、単純に電話することではなく、いかに、多くのキーマンに会い、具体的な課題を機取り、継続した長期間の契約を勝ち取れるか。という質が重要となってくる。

担当者によって、目標は異なるだろうが、デザインを行っている担当者ならば、いかに高い商品を購入していただき、リピートしてもらうことが重要となる。

しかしながら、1つ1つの商品が売れれば良いという基準で仕事すれば、継続した収益にもサイト全体での収益も伸び悩むため、サイト全体で売上を上げられる目標へと視点を大きくしていくことが重要だ。

接客のケース

最初の目標は、まずは数をこなすことが重要となる。また、1カ月間の中で、勤務時間が長い方が重要であることも多いだろう。

しかし、次は、顧客のニーズを把握する接客ができ、サービスの改変にアイデアを伝えられたり、常連顧客をロストしない関係性を結べる能力を育成できれば、職場全体での売上の増加を見込むことが可能となるだろう。

製造部門のケース

まずは、時間あたりに、どれだけ不良品を発生させずに、目標の生産個数を達成できるのか?という目標が重要となり、それが、月間となると、どれだけの日数を勤務したくなるように指導すべきか?ということが重要となるだろう。

また品質改善では材料ロスや不良品率で評価するよりも、不良品を発見した件数を加点方式で評価することや、工具や機械の破損率を抑えることで、設備投資コストを抑えることが可能となり、最終的には、暇な時間があれば、他の工程をヘルプできる人材に育成できれば、言うことなしだろう。

2-2. ステップアップする人材育成の目標を作成しよう

人材育成の目標を作成する際には、段階的に能力をアップさせるための計画が必要がある。

役職ごと、役割ごと、その切り口は会社によって様々だが、いきなりあれもこれも求めても上手くはいかない。

例えば、「自分の成果を高めること」と「職場全体のために貢献する力」は、同時には満たされない。

自分が成果をリードすることとチームに貢献することは正反対であるからだ。

だからこそ、指導初期では、チーム全体よりもまず自分の役割をきちんとこなせるようになったか?だけに焦点を当て、そこから段階的にチームに貢献する、チームを動かす。といった育成計画を練る事が重要だ。

そのため以下のような段階別な人材育成の目標を設定する必要がある。

成長させる人材育成目標

ポイント

ステージ1の未成熟な段階では、何よりも自分の知識や経験を高め、作業力を高める事が求められる。そこで重要になってくるのは、仕事での失敗や他人からの指摘・指導に対して素直に耳を傾け、がむしゃらに仕事に打ち込める前向きさが重要となる。そこでの指導の成果は、上司や先輩のいう事を真面目に実践できるかで決定される。

ステージ2の一人前の作業員となった段階では、自分なりの考えを持つようになる。その段階から周囲の働き方、業務姿勢、考え方に不満を持つようになり、「○○が駄目だ。」とか「○○すればいいのに」と思うようになる。

しかし、業績を伸ばすためには、自分1人が頑張るより、職場全体のレベルを上げなければ目標を達成できない。そのため「自分の意見は正しい」、「自分は仕事が出来るほうだ」などの自己満足に陥ることなく、「今の職場でこうすることならできる」、「自分が請う指導・指示すれば上手くいくのではないか?」などの全体視点が必要となる。

最後のステージ3の職場の中核を担う段階では、組織全体での視点で考えられないといけない。様々な意見や課題からどの施策ならば実行可能なのか?それを取りまとめるための意見調整や施策の実行内容の具体化など、解決に向けたマネジメントが求められる。課題を発見するよりも、解決に向けて詳細に詰めていくことは職場政治力も必要とする。

人材育成の目標設定を考える場合には、最初から高いクオリティーを求めるのではなく、「とにかくコレだけは出来るようになってほしい。」という必要最低限の目標を達成できるように指導していこう。

それが達成できた後に、クオリティを求めていくわけだが、ここでクオリティとは品質だけではなく、全体的な視点に立てる。ということや、顧客満足を高める接客が出来る。など、一歩進んだ目標を設定することが重要だ。

参考

職種ごと部署ごとの人材育成の成長、キャリアの設計をすることは人的資源戦略を考える上で非常に重要な要素といえる。その全体像を表したものが「人材育成計画書」であり、以下の記事人材育成計画書の書き方やその内容についてお伝えしている。

3.人材育成目標管理シートを使った人材育成目標管理

冒頭でも少し触れたが、人材育成目標の施策の1つとして、多くの会社で”出来るリスト・業務チェックリスト”を作成されている。具体的には以下のようなものが一般的だ。また人事考課の評価の観点として取り入れられているところもある。

人材育成の目標ステップ

そして9割以上の企業で、そのチェックリストは数百にものぼり、実際現場でのに上手く活用できていないのが現状だ。

その理由は単純で「○○の知識がある」、「○○の業務が出来る」、「○○が操作できる」といったように業務内容を書き出すとどうしても膨大になりがちで、更にそこに「○○が考えられる」、「○○を促せる」などの技能・スキル・業務態度を加えれば軽く100以上になってしまうからだ。

これを1人1人の作業員に対して○・×をつけて管理することなんて不可能だし、結局、現場では、報告書提出期限前に一律にチェックをつけるという全く活用されない仕組みになってしまっている。

これがマニュアルやチェックリストを作成しても現場で運用されない理由だ。

3.1 ○○ができる、業務能力・スキルチェック表を作成する意味とは?

もちろん上記のリストの作成が無駄だとは思わないし、管理職が部下たちに何を教えればいいのか、具体的にどのような業務があるのかを整理し、体系化するための参考資料としては有用となる。

定期的にチェック表を振り返り、「Aさんにはそういえばこの業務を教えていないなぁ」や「この業務は出来る人が少ないから誰かに教えさせる必要がある」など、指導すべき内容を確認・整理することには非常に役立つし、人事考課の評価軸を作成する時には、人材育成計画書として非常に有用であるのは間違いない。

しかし、人材育成の進捗を評価し、現場の人材育成の目標をサポートするツールには向かない。

3.2 現場での人材育成の進捗を把握するための人材育成目標管理シート

当たり前だが、職場の社員全員に一度に指導することは時間的にも物理的にも不可能だ。

今月は○○さんに□□の指導をして、△△できるようになってもらおう。というのが実際の現場での指導だ。

毎月、全ての事項に関する指導を職場の全メンバーに対して、することなんて不可能だし、現在抱えている課題に対して、解決するような指導を現場がやっているのを確認する事が本来の目的で、余計な事務作業を作ることは本位ではないはずだ。。

そこで以下のような人材育成の目標を達成するための計画シートを部下のいる社員に作成させよう。

すると、それぞれの社員がどのような意識を持って、部下たちに接しているかを簡単に知る事が出来るようになる。

上記のような報告書があれば、現場で人材育成の主メンバーが、どのような課題を感じていて、誰を対象に、どのような指導をしようとしているのかがわかるようになる。

上記のことは別に面談などの口頭ベースで行っても構わないし、成績の優良な部署・店舗のリーダーは無意識に上記のような会話を業務中に行っている。

また上記のシートの作成や面談を通じて、指導に当たっている人物が、「誰に」、「どの指導を」、「何が出来るように」、「どうやって行うのか」を明確にさせる事が出来れば、職場の人材の質はどんどん上がっていく。

現場の責任者である上司はこのシート作成サポートや面談を行うだけでいい。大事なのは、人材育成が進む環境を作り上げることに時間を使うべきであるからだ。

このシートの指導内容を考える際に、先ほどの業務チェックリストは非常に良い教科書となる。

3.3 人材育成の成果を可視化し管理する仕組みをあわせて取り入れよう

この現場での人材育成管理ノウハウが身についていれば、人材育成を仕組み化し、その成果を可視化し、指導の質を高め、ノウハウとして獲得していくためには成果の可視化は非常に高い効果を発揮する。

参考

人事考課と紐づけることで、人材育成に対する意識や成果を出そうという意欲を引き出すことができる。その運用をするために以下の記事では、人材育成の成果を数値で可視化し、人事考課に紐付けられるお勧めの方法を紹介しているので、参考にしてみて欲しい。

まとめ:人材育成目標は、現実的な人の成長に合わせよう。

人材育成の目標で多くの企業が間違うのが、どのような段階を経て人は成長するのか?ということを見ずに作成してしまうことにある。

特に、入社時から優秀な人材を獲得しよう!と思うほどに、人材育成の方法を間違えてしまうことがある。

創業期などは、みんなが同じ職場で働き、それぞれの仕事ぶりを見て、次はこういったことを学んで欲しい。できるようになってほしい。この目標に挑戦してみて欲しい。といったやり取りが自然に生じるが、組織が大きくなってくると、それが難しくなる。

なぜなら、現場の管理者は、創業者や経営幹部ではないからだ。だからこそ、目の前の仕事にこなすことを優先するし、自分の給与を左右する業績目標の達成を重視する。

新しく入ってきた部下に仕事を出来るように指導や指示を出して動かすよりも、自分が作業したほうが早いし、信頼できない気持ちから、2度3度手間になるチェックを増やすなど、ストレスがかかることもあるだろう。

まずは、現場でどのように人は成長するのか?ということを考え、そのために必要な指導内容とは何か?1つ1つ成長するステップを考えて作成し、最終的に優秀な人材を育成できる人材育成の目標設定を作成していこう。

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