離職率

平均勤続年数の計算方法!人手不足の悩みが解決する驚きの活用方法

平均勤続年数は、経営者や人事担当者、就職活動者どちらにとっても重要な指標だ。

勤続年数は離職の多い職場、会社どうかを判断するための数値ではなく、会社の人材構造・人材育成システムそのものの質を示している。勤続年数が長くなるということは、丁寧に指導をしてもその投資の会衆がしやすいし、引継ぎも余裕を持って出来る。逆に平均勤続年数が短ければ、経験やスキル、知識の有無に関係なく即戦力として新人を使わざるを得ない。

会社の人材活用、管理、育成は社員の入社・退職のサイクルに大きく依存する。

しかし、平均勤続年数は長すぎれば、ポストがなく活躍しにくい、年功序列、縦社会になりやすいという欠点もある。

  • では勤続年数の最適な期間はどの程度なのか?どこからが高くて、どこからが低いのか?
  • 平均勤続年数が改善されれば、どのようなメリットがあるのか?

少し考えてみると様々な疑問が出てくる。そこで当記事では、平均勤続年数を徹底的に掘り下げて、以下の問に対して徹底的に解説する。

  • 平均勤続年数が意味すること・メリット
  • 平均勤続年数の高低の目安
  • 平均勤続の計算方法・エクセルで簡単に計算するための関数式
  • 平均勤続年数をマネジメントに活用する方法

ではさっそくみていこう。

1.平均勤続年数とは?

平均勤続年数が高い職場ではどのような特徴があり、逆に低い職場ではどのような問題が起こるのか?についてみていこう。計算方法については2章で解説しているので読み飛ばしてもらっても構わないが、非常に重要なことをお伝えしているので、是非目を通していただくことをおすすめする。

1-1. 平均勤続年数が意味することとは?

あなたは、平均勤続年数が長い職場はどのようなイメージを持っているだろうか?

平均勤続年数が短い職場ではどのような問題が起きていると思うだろうか?

どの数値にもいえることだが、ただ単純に高ければいい、低ければ悪いというものではなく、「数値の変化と共にその職場ではどのような変化が起きていくのか?」という現実とリンクさせていく事が重要だ。

「自社では平均勤続年数を伸ばすことに取り組むべきかどうか」について一緒に見ていこう。

①:平均勤続年数は採用の回転率を表す指標

平均勤続年数は、採用の回転期間を表している。

平均勤続年数が5年であれば、計算上、5年で全ての社員が入れ替わることになる。例えば、100人の社員数である場合、今の規模を維持するためには、5年で合計100人の採用が必要になるというわけだ。平均勤続年数が10年であれば、5年で辞める社員はその半分の50人になる。

1年当りの離職数は【社員数÷平均勤続年数】で計算でき、その数値は採用補充人数となる。正社員採用は平均で50万円程度なので、その金額をかければ、1年間当りの採用予算がでてくる。勤続年数が倍で比較する場合、その差額は倍となる。

ケース 社員数100人 平均勤続年数 5年 平均勤続年数 10年
人材回転期間 5年 10年
1年当り離職年数 20人 10人
1年当り採用コスト 1000万円 500万円

1年間で見てもかなりの金額だが、10年単位で見てみると5000万円の差が生じることになる。

平均勤続年数が高い会社と低い会社で、どれほど資金の余裕に直結するかがわかると思う。そして、採用は容易には減らせない。人材の減少はそのまま、事業の縮小、売上の取りこぼしに直結するからだ。

平均勤続年数が低い職場・会社では、採用に力を入れれば入れるほど、コストの無駄はかなりのものになる。

②. 平均勤続年数が低い会社では即戦力で使わざるを得ない

また平均勤続年数の長さは、入社から退職までの人材戦略のあり方を左右する。

例えば、アルバイトの離職が多く、平均勤続年数が半年程度の会社であれば、新人教育に1ヶ月もかけていられない。教育に力を入れるということは、作業の手を止めるということであるからだ。

マニュアルや作業手順だけ伝えられ、初日からガンガン作業を任される。後からどんどん新人が入ってくるので、経験がないのに関わらず、先輩になり、誰もが自分の事で精一杯で、当然教えあう文化は存在しない。

しかし、平均勤続年数が高ければ、指導に十分時間をとっても、その投資を回収できる時間が十分にある。

「損して得をとれ。」という言葉の意味すること

質問をしたり、相談をするにも、人間関係は重要だ。

教えられる側も「この人には聞いても迷惑がられないかな」という関係性は重要だし、教える側も「一生懸命教えても無駄にならない」という安心感がなければ熱心に指導しようと思わない。「どうせ教えてもすぐに辞めるし・・・。」という状況では、誰も教えようと思うはずがない。

レベルアップするには、「作業の確認をする」、「できていない箇所を指摘する」、「ゴールを伝える」、「そのためのアドバイスをする」という工程が必要になるが、それをしようと思えば、作業確認、指導時間、フォロー、サポートの時間を余分にとらないといけない。

それができるのは、下記のモデルが成り立っている事が前提となる。

人材育成コスト

人件費目標を達成するためには、職場の9割の社員(一部の問題社員は除く)が一定水準に達する事が必要だ。

それができて「1時間でこれだけの作業が出来る。すると売上÷給与の比率が30%以下になる。」という図式が成立するが、そのためには全社員をその水準まで引き上げるマネジメントをしなければいけないが、一度、その水準まで達した社員は自社に利益をもたらす金のなる木となる。しかし、指導コストをかけなければ、生産性に見合わない給与を払い続けないといけない。

「教育コストをかけずに低生産な社員を使い続ける方法」と「教育コストを十分にかけ長期的にコストを回収する方法」

あなたはどちらがお得だと思うだろうか?

社員の質を上げ、高利益、低人件費率を達成するためには、ある程度の平均勤続年数は絶対に必要だ。

③. 平均勤続年数が高い職場が持つ圧倒的なイニシアチブ

平均勤続年数が長くなるともちろんデメリットも発生する。

「モラル・熱意の低い社員を辞めさせられない」、「社員の入れ替えが出来ない」などだ。

しかしよくよく考えて欲しい。

「人手が足りない、必要な採用応募が少ない会社」「社員が辞めず必要な採用数がそもそも少なく求人に困っていない会社」

有利なのは圧倒的に後者だ。

後者は経営者や人事の意識が変われば、すぐに変革を実行できるが、前者では人が足りないので採用を吟味できない、問題社員を使い続けなくてはいけない。「社員に辞められても代わりがいる」、「そのポジションを任せたい若手がいる」という状況でなければ、どうしても会社の立場は弱くなってしまう。

平均勤続年数が長くなればなるほど、社員に離職されても困らない状況が出来ているので、平均金属が高い会社では離職させてはいけない。と考えるのは不自然だ。平均勤続年数が高い会社には、年功序列や成果や能力と関係ない人事をしている、改革をする気がないことが問題なのであって、平均勤続年数が高いほうが圧倒的に改善はしやすい。

「なぜあの人を降格させないのですか」、「あの人と同じ給料なのが納得できない」、「問題行動をしているのにお咎めなしなのはおかしい」

そういった声に対して、離職で困っている会社のほうが対処できていないのが現状で、社員を選べる立場にないのが根本の原因だ。

1-2. 理想の組織構造から考える平均勤続年数目安

では具体的に平均勤続の目安はどの程度なのか?ということについてみていこう。

まず毎年同じ数の人数の社員が入社し、同じ数の定年退職があるケースで考えてみよう。

大卒22歳で入社で60歳で退職するケースであれば、最長の勤続年数は38年となり、それぞれの勤続年数の社員が3人いたとする。合計の勤続年数を出すために【年数×社員数】で計算し、全てを合計すると2223年になり、合計人数の114人で割れば、平均勤続年数は19.5人となる。

勤続年数 社員数 年数×社員数
1 3 3
2 3 6
3 3 9
4 3 12
5 3 15
35 3 105
36 3 108
37 3 111
38 3 114
合計 114人 2223年
平均勤続年数 19.5

上記の場合であれば、社内の平均年齢は22+19.5で41.5歳となる。

実際には、業績や人員状況によって毎年の採用人数は変動するので、あくまで参考に過ぎないが、一般的に20を超えればホワイト企業、15年あたりがボリュームゾーンと呼ばれているので、世代の偏りがなければこのあたりの数値になる。

1-2-1. 平均勤続年数ベストランキングと理想の平均勤続年数は違う

では次に勤続年数が長いほうがいいのか?ということについて考えてみよう。

勤続年数ランキングを見てみると1位が25.4年で、平均年齢46.7歳、100位が20.8年の平均年齢41.3歳となっているので、大体上記の表のような構成になっていると考えられる。

しかし、人材マネジメントの観点から考えると上記のような人材構成はあまり適切でない。

なぜなら、大きく組織は「現場ワーカー」・「中間管理職」・「経営層(マネージャー)」という3つのピラミッド構造になっているからだ。作業員7割、現場指揮官2割、マネージャー1割といったように、全員がキャリアを積みかさねることは当然出来ない。

大抵の企業ではある程度年功序列的に給与が上がるので、勤続年数が均等に上がるということはコストの増加を生む。もちろん、成果に基づく、昇格・昇給をしているなら問題にはならない。

ビジネスモデルに基づいて平均勤続年数の目安を考えるのであれば、以下のように、人材が果たすべき役割とそのために必要なスキル、知識、経験を勤続年数と紐付けよう。

社員ラベル 求められる役割 必要な経験年数
新人社員 次世代社員の確保 3年未満
若手社員 業務遂行 3年から10年
中堅社員 指導・指示・連携 10年から20年
ベテラン社員 チームマネジメント 20年から30年
コア社員 分析・企画・運用 30年から40年

上記の表を実際の社員構成に表したものが下記の表だ。

社員数500人の場合
社員ラベル 理想の社員構成比率 社員数 社員数×勤続年数
新人社員 20% 100人 150
若手社員 40% 200人 1300
中堅社員 30% 150人 2250
ベテラン社員 10% 50人 1250
コア社員 5% 25人 875
合計 525 5825
平均勤続年数 11.1 年

オペレーションの観点から、それぞれの役割を果たすために必要な比率を考えれば、それぞれのグループに必要な頭数がわかり、各平均勤続年数の中央値と社員数をかけた合計を社員数で割れば、自社の平均勤続年数の目安がでてくる。

人材戦略はあくまで、自社の生産性を最大化することから逆算して考える事が大切だ。

1-2-2. ケース:平均勤続年数の問題を考えてみよう

では具体的な数値を見て3つのケースを考えてみよう。

以下の表は、それぞれのケースに合わせて人材構成比を変えたものになる。

社員ラベル 理想組織 危険組織
安定期 成長期 高離職 高齢化
新人社員 15% 30% 60% 5%
若手社員 25% 30% 20% 5%
中堅社員 35% 25% 10% 20%
ベテラン社員 20% 10% 5% 30%
コア社員 10% 5% 5% 40%

上記の表の比率に基づき、社員数500人の場合で人数を出すと以下のようになる。

社員ラベル 理想組織 危険組織
安定期 成長期 高離職 高齢
新人社員 113人 225人 450人 38人
若手社員 813人 975人 650人 163人
中堅社員 2625人 1875人 750人 1500人
ベテラン社員 2500人 1250人 625人 3750人
コア社員 1500人 750人 750人 6000人
合計 7550人 5075人 3225人 11450人
平均勤続年数 15.1年 10.2年 6.5年 22.9年

平均勤続年数はあくまで平均に過ぎない。

最終的な平均勤続年数の内訳はどうなっているのか?を詳しく見ることで始めて実態や問題が見えてくる。

2.平均勤続年数の計算方法

ではここからは実践編として平均勤続年数を計算し、自社の人材分析に活用していく方法をお伝えする。

2.1 平均勤続年数をエクセルで簡単に計算するために用意するもの

平均勤続年数の計算自体は至ってシンプルで、入社日から退社日を引くだけだ。

手計算でも出来るが、月が30日だったり、31日だったり手計算だと誤差が出やすい。しかし、エクセルでやると知識がなくても簡単に計算できる。

以下のように、氏名、入社日、退社日、勤続年数という4つの列を用意しよう。

氏名 入社日 退社日 勤続年数
スタッフ1 2000/4/1 2020/3/1
スタッフ2 2000/4/1 2020/3/1
スタッフ3 2000/4/1 2020/3/1
スタッフ4 2000/4/1

勤続年数のセルには、=datedif(入社日のセル,退社日のセル,"d")を入力して、下にオートフィルすれば勤続年数が自動で計算される。

しかしこのままでは退職していない社員は、退職日が入力されていないので、エラーが表示されてしまう。そこで、退社日の関数式として、=if(退社日のセル=””,datedif(入社日のセル,today(),"d",datedif(入社日のセル,退社日のセル、”d”))に書き換えよう。

この式の意味は、「まだ退職していない社員は入社した日から今日までの勤続年数を計算し、すでに退職した社員は退職日との差を計算しろ」というものになる。これで現在自社に在籍している社員の勤続年数を計算できるようになる。

もちろんこの仕込をしていれば、離職した社員の平均勤続年数を調べるということも可能だ。

補足:エクセルで平均勤続年数を計算の単位について

DATEDIF関数は”d”,”m”,”y”という3つの単位、日、月、年で出す事が出来るが、私は”d”を好んで使っている。

氏名 入社日 退社日 勤続年数 計算結果
スタッフ1 2000/4/1 2020/3/1 DATEDIF(K3,L3,"d") 7274日
スタッフ2 2000/4/1 2020/3/1 DATEDIF(K4,L4,"m") 239月
スタッフ3 2000/4/1 2020/3/1 DATEDIF(K5,L5,"y") 19年

上記の計算結果をみればわかると思うが、”y”だと少数が切り捨てられる。なのでアルバイトだと、1ヶ月以内、3ヶ月以内の離職など細かな調整がきかない。

後で調整をしないで済むように、私は”d”で計算しておいて、/365という式を付け加えている。

すると、上記であれば、19以降の少数も表示されるようになるので応用しやすいというわけだ。

2-2. 平均勤続年数の計算

ここまできたらあとは簡単だ。

氏名 入社日 退社日 勤続年数
スタッフ1 2000/4/1 2020/3/1 20
スタッフ2 2013/4/1 2020/3/1 7
スタッフ3 2010/4/1 2020/3/1 10
勤続年数合計
入力個数
平均勤続年数

データの最後の3行に勤続年数合計、入力データ個数、平均勤続年数を出力するための3つのセルを用意しよう。

勤続年数の合計はSUM関数、入力データの個数はCOUNTA関数を使って出して、合計÷個数をすれば平均勤続年数は計算できる。

2-3. 社員構成比を出そう

勤続年数が出せれば、以下のように自社の社員を10分位に分割してみよう。

数値の作り方は、勤続年数の列をそれぞれMAX関数とMIN関数を使って、最大値と最小値を計算し、それを10で割ると10分位の基本値が出る。

以下の表は、データの幅が20の場合の例を計算しておくので参考にして欲しい。

最長勤続が20年の場合の十分位表

 

 

 

 

 

 

 

上記の数値を基にして、以下の表を作成しよう。

勤続年数の十分位表

 

 

 

 

 

 

関数の作成方法は、countifs関数を使って、左側の列より大きく、見側の列より小さい人数をカウントすればOKだ。

平均勤続年数グラフ

上記の表に関しては、先ほど勤続年数と役割と連動させることで自社の現状を知る事が出来る。

社員ラベル 求められる役割 必要な経験年数
新人社員 次世代社員の確保 3年未満
若手社員 業務遂行 3年から10年
中堅社員 指導・指示・連携 10年から20年
ベテラン社員 チームマネジメント 20年から30年
コア社員 分析・企画・運用 30年から40年

これはアルバイトでも活用でき、頭数だけでなくて、自社の人材運用状態がどうなっているかを把握することにもつながる。

3.営業利益と平均勤続年数の関係

平均勤続年数ランキングのほかにも、営業利益率ランキングというものがある。それをみれば、平均勤続年数が比例しないと感じられる方も折られるだろう。

しかし、それは特定の業種など、前提条件が存在する。

それはエンジニアやコンサルタントなど、専門職と呼ばれるものだ。専門職であれば、採用面接で「どういった業務をしてきたか」・「どういった成果物・実績があるか」・「どういったスキルを保有しているか」という業務に必要な知識、能力を保有しているかを知る事が出来る。

なのでそういった業種であれば、平均勤続年数は関係ない。

しかし、そういった人材を採用するには、当然それなりの金額が必要になるし、大抵の会社では、業務をきっちりと役割別に明確化することは難しい。組織の改革やチームを纏め上げるには、政治力、社内のメンバーとの人間関係が必要になるし、優秀なマネージャーを採用で獲得することは難しい。

短期間でチームを掌握するということは不可能に近いからだ。

結局採用で解決できるのは、それぞれの業務が独立していて、自分の作業を自分の裁量権で決定できる、チーム全体の連携が重要でない業種でないと難しい。

まとめ

平均勤続年数は、自社の人材戦略と連動させる事が重要だ。

平均勤続年数を複数のグループにわけ、それぞれの年数グループごとに、どのようなスキル・知識・業務知識を習得させることを目標とするのか?

それらを明確に出来ていれば、それぞれの勤続年数に達するまでに、どのような業務知識やスキルを身につけていないといけないかを明確にする事が出来るし、アルバイトであっても、担当できる業務の種類といった人材評価シートと連動させることで、勤続年数と能力が伴っているかを評価することで、現場の人材育成活動をマネジメントする事にもつながる。

また勤続年数の分布表を見るだけで、職場の人員状況が一目でわかる。

勤続年数というのは長ければいい。短ければ悪い。というわけではなくて、オペレーションから逆算して、どのような役割をこなせる社員がそれぞれ何人ずつ必要で、そのスキルを身につけるには、経験はどの程度必要で、底から逆算していけば、勤続年数の目標はどの程度で、人員構成目標が見えてくる。

平均勤続年数目標を決めることは自社の人材戦略と密接な関係がある。

あなたの会社のビジネス、部署、店舗のパフォーマンスを最大化するためには、どういったスキルを持つ社員がそれぞれ何人必要だろうか?そして、スキルがありすぎれば人件費は高くなるし、スキルが足らなければ生産性や品質が足りず、人員の数を増やさざるを得ず、人件費がその場合も上がる。

勤続年数はビジネスモデルによって適正値が存在する。

自社のビジネスに合った理想の勤続年数は何年か人材戦略から逆算して設定してみよう。

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