あなたは、今の業務に対して、自分に合っている仕事だ。と感じることはできていますか?反対に、自分には合わない仕事だと感じていますか?
このような業務適正を自覚しているか?ということはモチベーションに大きく影響します。
では、詳しく見ていきましょう。
自分に合う仕事はモチベーションが上がる
人は無意識に未来をイメージし、そこから逆算しています。
- この仕事内容なら自分にもできそうだ
- 努力すれば、自分にもできるようになると思う
- 今はできなくても、周囲のサポートもあるから大丈夫だ。
上記のように、たとえ、今は未熟で知識や経験・スキルがなくとも、職場の指導体制や上司・先輩のサポートが充実していれば、未来に対してポジティブなイメージが持てます。
反対に、以下のように、怒られ続けたり、全くサポートが得られない職場だと以下の気持ちを持つようになってしまいます。
- この仕事は自分には向いていないかもしれない
- どう頑張ってもできるようになっているイメージが持てない
- 自分の能力は、周囲の誰よりも劣っているかもしれない
自分に合う仕事なら達成できると思える
人は“達成可能性”を感じなければ、努力や工夫をしようとはしません。なぜなら、頑張ってもそれが無駄な努力であると感じるからです。
現在の能力や知識量に関係なく、【Self-Efficacy:自己効力感】が高い人ほど、好い成果を残しやすい傾向が高くなります。
そのため、今の仕事内容に対する自信をどれだけ持てているか?という気持ちはモチベーションの最も重要な要素の1つとして認識されています。
その自己効力の1つが当項目で測定している業務効力感です。
<自分には向いていないかもしれないと思うことがある>
こちらの選択肢に回答した人は、自身のこれからの成長や業務能力に劣等感を感じています。
そのため、上司や先輩から指導を受けても「自分は一生懸命やっているのに。。。」という気持ちが先行しています。
- 頭ではわかっているが身体がついていかない。
- 頭が混乱して優先順位がバラバラになってしまう
- 考えればわかることを言われてからしか気づけない
これらの気持ちになってしまい、繰り返しの簡単な仕事だけをしていたい、指示されたことだけをやりたい、あるいは仕事をやめようか、、、という気持ちが頭によぎることが多くなっているかもしれません。
そこで、大事なのは、自分で解決しようとするのではなく、周囲にサポートやフォローを上手に頼む方法を身に着けていきましょう。
<この仕事は、自分にとてもあった仕事だと思っている>
反対に、こちらの選択肢を選んだ方は、自分の能力に対して自信を持てています。
新しい仕事や転職してもすぐにめきめきと力をつけていきます。それは以下のようにやるべきことをイメージできているからです。
原因帰属;仕事の初期や失敗した時、なぜ失敗したかの原因がなんとなくわかる
課題提起;成果をだすために、足りない要素や身に着けるべきものがなんとなくわかる
援助要請;自分1人でうまくいかない時、先輩や上司に手助けを上手く頼める
試行錯誤;業務通じて、上手くいった、こうしたほうが良かったという試行錯誤を無意識にしている
上記の要素を身に着けているからこそ、今、自分が業務に対する知識や経験、スキルが不足していても、できるようになっている自分はイメージでき、そうなれるように努力できます。
その根底にあるのは、過信でも楽観視でもなく、こうすればきっとうまくいくはずだ。という未来への見通しがなんとなくできていて、自分の学習能力について自信が持てていることに他なりません。
自分に合う仕事にするための5つのステップとは
この仕事って自分に合う仕事かな?ということを考えるよりも、仕事を続けていく過程で、どのように気持ちを切り替えていけば、自分に合う仕事だと思えるようになるのか?を考える方が建設的です。
業務能力や自身の学習能力に自身を持てていない時、必ずしも自分1人で解決する必要はありません。教育にはステージがあります。
- 上司や先輩に教えてもらいながらならできる
- 上司や先輩にフォローしてもらいながらならできる
- 上司や先輩に指示をしてもらえるのならできる
- 上司や先輩に相談やアドバイスを受けながらならできる
- 1人で試行錯誤をしてできるようになる
上手くいくためにはどのような要素が重要で、そのうち自分に足りないものはどのようなことなのか?
できるようになるためには、それをどう意識すれば良いか?ということは、未来のイメージが見えていない状況ではどう頑張っても上手くいきません。
あなたがするべきことは、1人で努力することではありません。自分の成果が良いかを先輩や上司に自分から確認し、コツやポイントを自ら何度も質問し、疑問点やアドバイスがあれば必ず報告・相談することです。
できないのであれば自らサポートやフォローを頼む行動をとることが重要です。
この点数が低い人にあなたがしてあげられること
上記のような指導を全員にすることは当然限界がありますので、全員には不可能です。
そこで現在の能力だけでこなせる仕事しか振らない人、指導を行い育成する人をしっかり区別し、1人ずつ丁寧に指導していきましょう。
指導が終われば、後は勝手に自己成長するので、次の指導に移りましょう。全員同時に指導することは無理があります。
そして一番重要なことは、人は勝手には成長しません。そして現在のステージにあった指導をしなければいけません。
そのため、指導する相手の状況を見極めていきましょう。
- その業務をこなすために必要な技能がみについていない
- 状況に柔軟に対応するための優先順位や職場での役割を理解していない
- トラブルやわからないことがあった時、上司を上手く頼る質問・相談力がない。
- 原因や課題が何であるかを特定する思考力が足りない
- どういう意識をして仕事をすれば、自分が成長できるか?という課題意識がない
それぞれのステージで必要なこと、適切な指導は異なります。
「部下が成長しない。」「工夫をして仕事をしようとしない。」と愚痴をこぼす前に、部下の1人1人の成長ステージが今どの段階なのか?それぞれの部下に対してどのような成長テーマを与えるべきか?という指導者意識を持つことが大切です。
働きやすい職場づくりへのヒント
多くの企業で課題としているのが、「向上心を持って取り組んでくれない。」といった悩みです。
社員の成長は組織運営を考えるうえで最も重要なテーマの1つです。そのテーマについてほとんどが部下の能力や適性が無いことを理由にしがちですが、実際は、そうではありません。
指導(先輩)社員が変われば、上司が変われば、大きく成長することはよく見られることです。「何が悪かったか考えろ」、「どうすれば改善できるから考えろ」などの言葉を多くの会社で見かけますが、本来、それは指導者側、上司が教えるべきことで、部下自身に求めることではありません。
つまり、何が悪かったのか?という要因には指導側の責任もあり、どうすれば改善できるのか?ということも部下だけに求めることではありません。
わからない、できないから今の状況がある訳で、そのような状況を解決できない側(部下)に全部を委ねること自体が間違っています。
Rableではこの項目をさらに分解し、当記事で紹介した能力のどれが欠けているかを数値化しています。そしてその数値を元に、どの社員に対して、どの指導をしなければいけないのか?という事に活用していただいています。
「あなたではなく、他の管理職の下であれば、もっと部下は成長できたのではないか?」と考えてみればどうでしょうか?教育業界では、その考え方が当たり前です。
できない社員側に求めるよりも、指導側に工夫させたほうが成果は早く出ます。指導側のほうが、部下が今どのような気持ちで、どのように持っていけば、どう行動するようになるか?を考えられる能力が高いからです。
自分自身の能力に自信はないけれど、「この人についていけば何とかなると思う」と思わせることを目的としましょう。