モチベーション診断

規範的コミットメント:RABLE式 モチベーション診断

周りに迷惑をかけてはいけない。相手の気持ちを考えて発言したり、行動する。締切を守る、指示されたことはやりきる、うそをつかない。こういったことは、会社で教えるまでもなく、常識的、道徳的に考えれば当たり前のことだと思うでしょう。

しかし、この常識は現在のモチベーションによって大きく影響を受けます。

  • 自分が馴染めていない職場(チーム)に対して高い道徳心を持てるでしょうか?
  • 上司や先輩が自分に対して、威圧的な行動をとっていればどうでしょうか?
  • 部下や同僚に自分がよく思われていないと思っていればどうでしょうか?

つまり「なぜ自分だけが⇒相手がそうだから」と思うようになっていくのも仕方がありません。

このように道徳・倫理・常識に則った行動をとれるかは、個人差はありますが、現在のモチベーションに大きく影響を受けます。

やりがいとは感情を持って仕事ができているか

常識的、道徳的なモラルを遵守しようとするモチベーションを 【Normative Commitment:規範的コミットメント】と呼びます。

例えば、[退職する前には事前に相談する][後任の育成や引継ぎをきちんとしてから辞めなければいけない]といった常識を例に考えてみると、それは会社や職場に愛着や感謝を感じているからこそ持てます。

反対に、[過酷な労働時間・環境だった][正当な評価をされなかった][努力に見合う報酬を支払われなかった]というような環境にいれば、頭では道徳的な考えができる人も、その会社では「自分がそれを果たす義理はない」と思うようになります。

道徳・常識は精神状態に大きく影響を受ける

そこで規範的コミットメントの強さを測るためにこの項目では、以下の質問をしています。

 

Q23.あなたは、引き継ぎをしない・連絡もなしに退職する
社員・アルバイトの話を聞いた時、どの様な気持ちになりますか?

急な退職は困ることもあるが、
仕方のないことだと思う
L4
L3
L2
L1
辞めるのは仕方がないが、
迷惑をかけるのは良くないと思う
R1
R2
R3
R4

この質問では、頭では悪いことだと思っているが、職場のメンバーや感情的や状況から考えて「そういう行動をとっても仕方ないし、同情できる」という気持ちをどれだけ持っているか?を切り取っています。

以下の解説に行く前にもう一度、今の職場をイメージして、自分はどの選択肢が近いか選んでみましょう。

<急な退職は困ることはあるが、仕方ないことだと思う。>

この選択肢は、「周囲に迷惑をかける」という事に対して、「同情できる部分があるか」という要素を測定しています。

もちろん、誰かが急にやめたりすれば、誰かが埋め合わせをせざるを得ず、負担がかかります。

しかし、同時に「そうする気持ちもわかる」のであれば、それは仕方ないことになります。

この選択肢を選んだ人は、その行動自体は悪いことだと思うが、その理由を、上司や自分を含む周囲のメンバーが作ったことにも理由があると感じています。

その人が職場になじめていなかった。上司からよく思われていなかった。仕事がつらそうだった。そういった人に対して、根性がない、常識がない、と相手のせいにするのはダメではないかと感じています。

<辞めるのは仕方ないが、迷惑をかけるのは良くないと思う。>

逆にこちらの選択肢を選んだ方は「辞めるのは仕方ないが、迷惑をかけるのは良くない」という回答は、周囲の人の気持ちや状況に配慮して自分の行動を考えることができています。

それは心身ともに健康である証拠です。自分の希望をかなえるだけでなく、誰かが負担したり、苦労しないように、状況を準備し、きちんと段取りしようという考え方ができています。

しかし、自分がそうだからと言って相手に押し付けないようにしましょう。

新人の行動や退職、職場でトラブルが起きた社員の行動や退職など、そうした気持ちを持つようになってしまった背景を考えてみるようにしてみましょう。

自分の感情に振り回されないアドバイス

常識的な行動・考え方という問題には2通りの考え方があります。

1つ目は、例外・少数、ノイジー・マイノリティに対するものです。どれだけ良い職場であっても、統計上で5%の人間はそうした行動や考え方が変わらない人がいます。これは生物学的も明らかで、マネジメントや指導でどうにもならずそうした人格を持った人がいます。

そうした人は目につきやすいかもしれません。

しかし、そうした少数をだけではありません。

2つ目は、残りの95%の人たちです。努力次第で考え方・行動を変えてくれます。 

一部の例外を除き、多くの人は、環境のせい、モチベーションの低下によって、非道徳な考え方・行動をしています。

そうした問題に対して、全て相手のせいにせず、職場の関係性の改善やサポート環境を作ることで、根本的な問題はどこにあるか?と目を向けることにしましょう。

大事なのは、変えられる人、変えられない人を見極め、どうしても難しい人は辞めてもらう、違う仕事をしてもらうなどの施策をとりながら、同時に環境の改善や自分からのサポートフォローといった歩み寄りを行い、可能な限り、高いモラルを持った職場にしていく、という努力をしようとする気持ちを持つことが重要です。

良い職場だから高いモラルができる

高モラル組織(職場)という言葉があるように、高いモラルは社員たちが“勝手に”するものではなく、狙って作るものです。たとえ高校生アルバイトであっても、採用された職場によって、2,3か月後形成されるモラルは大きく変わります。

1.丁寧な指導・フォロー

新しい仕事を与えるときや仕事を管理する際に、どれだけ丁寧にできるかは重要な要素です。

1通りやり方を教えたとしても、きちんとできているかを見て、アドバイスやコツを教えたり、間違っている箇所を指摘してあげるなどを心掛けましょう。

2.人間関係

同期同士や先輩社員と雑談をしたり、交流できる機会を持たせることもまた重要です。

孤立したり、馴染めていない人間を放置していても関係性は深まりません。休憩時間や手の空いた時間に話しかけてあげたり、グループの輪にいれてあげることで、人間関係を作れる“きっかけ”を先輩社員側が提供しなければいけない。という気持ちを持ちましょう。

3.上司・先輩のしかり方

現在の若者も怒られたくないとは思っていません。叱る事自体は必要です。そのやり方がダメなのです。

「それをしてしまうとどういう問題が起きるのか」というダメな理由を提示したうえで、「こうすれば問題なくできるので、こちらを意識するように」という改善例を示し、「○○さんにこうなってほしい」という期待を伝えることで、「この人は自分をよく見てくれている」という納得感を与える指導を心掛けましょう。

高いモラルは、朝礼などで「相手のことを考えて行動しましょう」などの言葉1つでは変わりません。

あくまで、積み重ねた信頼の結果にすぎません。逆に、部下のことを思い親身に接していれば、勝手に、迷惑をかけないように考えて行動するようになります。

感謝や尊敬の対価として、自分はこうしなければならないという義務として常識が芽生えます。義務を求めるのであれば、まず会社側・職場側がやるべき責任を果たさなければいけません。

やりがいを持たせていくためのヒント

会社に貢献しようというモチベーションはワークコミットメントと呼ばれ、規範的コミットメントはその一部になります。

ワークコミットメントには、感情的コミットメント、ジョブインボルブメント、キャリアコミットメント、組織コミットメントという様々な要素が絡み合い、総合的に「この会社に貢献する行動をとりたいと思うか、評価を得るために頑張ろうと思うか」といったモチベーションが決定されます。

そして、規範的コミットメントは上述の他のコミットメントに影響を受けます。あなたも仕事だけでなく、プライベートでも、頭では道徳的な正解がわかっても、必ずそうできるわけはないはずです。

この状況ならば仕方ない、今回だけだから、この人に対してだけだから、など、時には自身の行動を正当化して、頭では悪いと思う事もしてしまうこともあることでしょう。

だからこそ、「道徳的・常識的な行動をとりましょう」というスローガンや理念を掲げるだけでは根本的な解決にならず、根本的な原因を特定し、それをなくす職場改革をしなければ真の解決ができません。

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