あなたの職場は、新人の社員やアルバイトに対して、どのように接していることが多いでしょうか?
あなたも、今の職場に初めて来た時は、不安な感情がありませんでしたか?その時の感情を思い出してみましょう。
では、詳しく見ていきましょう。
サポート・フォローに対する安心感
誰しもが不安を感じるのは、新しい会社に入社したての時、新しい部署・職場に配属された時、新しい仕事内容を任された時、責任ある仕事を任された時、新しいプロジェクトを立ち上げる時など、自分が初めてやる業務に対しては不安を感じます。
その不安から人は、「できるだけ指示を聞いていたい。」「自分で状況判断を極力せず誰かに決めてほしい。」「人の意見に賛成やコメントをするだけで企画したり、提案はしたくない。」といった受け身の姿勢になってしまいます。
それは、別に悪いことでもなく自然なことです。
どうしたらうまくいくか筋道が見えない。どのようなトラブルや課題が出てくるか予想がつかない。上手くチームを回す自信がない。という未来(ゴール)への到達が見えない状態では、まず何を頑張ればいいかわからないからです。
そんな時、周りのフォローやサポートの期待や安心感というのは重要なファクターになってきます。
責任・裁量権とサポート・フォローをどう捉えるか
この項目は、【Support Environment:支援環境】に対する認識の程度を測定します。
支援環境が必要なシーンは大きく2つに分けられます。
- 能力・経験・知識が不足している社員に対して指導する時
- 新しいプロジェクトや達成の難しい業務・役割を与える時
能力・経験・知識が不足している社員は、未来に対して見通しが持てていません。その状況下で、仕事だけを与えても自己解決力がなく無理難題を押し付けられたような気持に陥ります。
また十分に能力・経験を積んでいても、新しい業務やこれまで以上の成果を出すとなれば、今までとは違うやり方を試みる必要があり、必ず自分の考えが通用する保証はどこにもありません。
そのような状況下では、ほとんどの人が、失敗する未来をまず先に連想します。
<先輩や上司に、どのように頼ればいいかわからないという不安>
こちらの選択肢に回答した人は、そういった不安で積極性が発揮できていない状態である可能性が非常に高いです。
よくある上司・先輩の言葉が以下のようなものです。
- わからないことがあったら聞いてくれればいい。
- 間違えるくらいなら、何度でもいいから同じ質問をして確認をして欲しい。
- 焦らず自分のペースでやってくれればいいよ。
- いつでも相談に乗るし、アドバイスをするから任せたよ。
しかし、よくよく考えてください。質問や相談はある程度、道筋が見えている、解決の仕方がわかっているからできるのです。
何が正解で、自分がそもそも間違っているか判断できているのなら、質問することはありません。すでにやっています。
そこで、以下のように質問を切り替えてみましょう。
- 自分で間違いがわからないので、一度確認してもらえますか?
- 間違いがあった時、どこが間違えていたか教えてほしいです。直したいので。
- 例えば、どういった間違いやミスが多いですか?
- この提案書、どこが悪いかはわからないのですが、このままではダメな気がします。
あなたが判断するのではなく、相手に判断を委ねてみると効果的です。
その繰り返しによって、自分はこういうミスが多いなどの自分を知ることができます。
<わからなくて困っていても、誰かが直ぐにサポートしてくれる安心感>
逆にこちらの回答、プラスの点数がついている人は、「職場のサポート体制が整っている。報連相が文化として定着しているか。」または、「あなたに高度な質問・相談力が身についているか」のどちらかであり、どちらの場合であっても、わからないことをやりながら学んでいける吸収能力・解決力があることを意味します。
そこで、あなた自身が安心感をどのように得られるのか、ということを整理してみましょう。
- この業務のポイントはここで、ここを抑えておけばミスする確率は減る。
- 細かいことを言えばきりがないが、ここさえ押さえておけば大きな問題にはならない。
- 他人のアイデアやアドバイスを聞きたい時、こういう聞き方をすれば自分の求めている返答が返ってきやすい。
- 業務をこの順番で覚えていくほうが早く、新人にまずこれをさせて、次にこれをさせるという成長段階を整理する。
これが本当の意味でのマニュアルになります。
多くの会社でマニュアルは存在しますが、「マニュアルを見ればわかる」と思うかもしれませんが、「マニュアルを見てもわからない人がいるという事実」に目を向けてください。
サポート・フォローをしてもらうために
新しい仕事をする時、改善を進める時、企画を進める時において、やり方がわからない、先が見通せない。などの状況は、ほとんどの場合、誰もが最初からは理解できません。
なぜなら、業務について細かいところまで教えきることは難しく、逆にそれをマニュアル化すれば膨大な量になってしまうからです。
そのため、「職場の教育体制が悪い。」「指導担当者が十分な指導をしてくれない。」と感じる場合でも、教育には限界があり、学びながら、解決しながら仕事せざるを得ません。
そこで大事なのは、自分で成果を判断できない時、自分のやり方が正しいのかという手順を確認したい時、間違って覚えてないか知識を確認したい時、自分の考えや方向性が間違っていないかを相談したい時、というように周囲の手助けを得るための質問をパターン化することです。
指導側も「○○について質問したい。○○はどう思いますか?○○はどうしていますか?」などの具体的な質問・依頼であれば、「私の場合は...」と具体的な指導をすることができます。
「あなたが何に困っているかがわかり、どのような手助けを求めているのか?」ということが解れば助けることが可能になります。「誰も教えてくれない。誰もサポートしてくれない。」と思うのではなく、自分が困っていることをきちんと周りに質問することが重要です。
サポートがない時、それはあなたが困っていると誰もが知らないだけかもしれません。
この点数が低い人にあなたがしてあげられること
仕事においては、状況によって優先度が変わったり、手順を変えたりすることもあり、一度にすべてを教えきることは難しいことだってあるでしょう。新しいことをする場合には、誰にも正解や答えがわからず手探りで進めてもらう必要だってあるでしょう。
それを言葉にすることが大切です。
1.最初に全てを見通すことなどできないことを伝える
経験したことのないものに取り組んでもらう際に、誰でも最初はできない。わからない。という状況からスタートすることを伝え、最初からすべて出来ない。良い成果は出せない。ということを伝えましょう。そのうえで、最初は「ここまでできればOK」という最低基準を提示することが大切です。
2.許容できる失敗と必ず押さえておくことを分けて考える
「これはもう少し慣れてから教えるから今は気にしなくていいよ。こちらで確認して直すから」という優先度をしっかりと持ち、「ここだけに注意して進めてくれ」という達成目標を与えましょう。
新しいプロジェクトの場合は、最初はうまくいかなくて当然だけど、どこが原因で何が課題なのか?をしっかりと分析して、こうすればうまく修正できるのではないか?という修正案を報告するようにして欲しい。といった進捗管理をするようにしてください。
3.何度でも話を聞いたり確認してあげることを面倒くさがらない
またプロジェクトの始動時や指導はじめは「このやり方で正しいと思うけれど、本当にあっているのか不安」や「会議で決定した方向性からして、この内容が適切だと思うけれど」といったように、慣れたり、経験を積むまでは「絶対にあっていると確信できない」という不安があります。
そこで「何度も同じことを聞かないで!」と面倒くさがれば、相手は怒られたくない。といった気まずい気持ちから確認することに抵抗感を感じてしまいます。
4.課題を発見できることこそが一番大切であることを伝える
一通りの手順を覚えたり、プロジェクトが一段落ついても、教えるべきことや、より良くしていくべきことは探せばいくらでも見つかります。
しかし、指導・管理側も自分の作業や他にしなければいけないことがあり、いつも確認したり、把握することは難しいです。
そのことをしっかりと伝え、「この場合はどうするのか?」や「こうしたほうがいいのではないか?」という好奇心や課題を自ら見つけ、相談・提案するようにすることを求めましょう。
付きっ切りで教えたり、面倒を見ることは難しいですが、質問や相談をされれば対応できることを伝え、仕事をしながら学んでいくことを目指させていきましょう。
働きやすい職場づくりへのヒント
人材育成やフォロー・サポートの課題は、相談する側と相談される側の相互の歩み寄りが重要です。
指導側は、何を聞きたいのか?何がわからないのか?といった、相手がわからないことを知らなければ、具体的なアドバイスや指導をすることが難しいですし、指導される側は、自分がわからないことや答えのわからないという状態の時に、どう先輩を頼ればいいかわからない。という互いの言い分が存在します。
そのような指導の難しさの根本をしっかり理解し、指導を受ける側は、できるだけ自分が何で悩んでいるのか、どういったことを不安に感じているのか?を具体的な言葉にする努力をする必要があり、指導側は、そういった質問や相談をしやすい状況・環境づくりをすることが大切です。
仕事をきちんと教えてくれない。わからないことがあっても質問してくれない。という不満を互いにぶつけるだけでは、不満や信頼関係の溝は深まるだけです。
Rableでは、課題や解決策を見つけるコミュニケーションをとり、仕事をしながらスキルを高めたり、手探りで進めていく力が身についているかをこの項目をさらに分岐させ、数値化しています。