離職率計算

多店舗展開に失敗する理由とそれを防ぐためにやるべき5つのこと

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自社のビジネスを拡大していきたいと考えている場合、その最終目標は、事業規模・店舗数、生産量などのボリュームを増やす事だ。

しかし、いざ新規の店舗・事業所を作ってみると、やっているビジネスモデルは同じなのに、「採算が取れている店舗と採算が良くない店舗に分かれてしまう。」のは、どこの会社でもありふれた光景だ。

それは立地の問題でも、新商品を開発する事でもなく、「店長(管理職)を変えれば、売上が変わる」という答えにほとんどの経営者はたどりついている。

にもかかわらず「目標の店舗数に達成するために、管理職を育成しなければいけない」というミッションを達成できている会社は非常に少ない。

そこで本日の記事では、店長(管理職)候補の頭数を揃える為に効果的なマネジメントの5つの手順をお伝えすることにする。

この記事の通りに、数値を作り、実践していけば、必ず今までより多くの店舗を維持し、売上を拡大していく事を達成することが出来るはずだ。

1.多店舗展開に失敗する理由は管理者不足!

ではまず以下のデータを見て欲しい。以下のグラフは中小企業庁が公表しているデータを引用したものだが、このグラフを見てみると、人材育成目標を達成できている企業は1割以下であることがおわかりになるはずだ。


参考URL:中小企業庁

1.1 中小企業の9割以上が困っている人手不足の正体とは?

「人が足りない」とはいっても、本当に全く人がいないわけではない。「店舗拡大時に障害となる人手不足とは一体何であるのか?」を一緒に見て行こう。

まず中小企業庁が公表している次のデータを見て欲しい。

このデータを見ると、「良い人材の採用ができない」ということが突出している。

この言葉からは、アルバイトやパート、一般作業員などの決まりきった仕事をするだけの人材ならば、少し時給を変えたり、求人広告費を上乗せすれば、最低限の人材はどの会社であっても補充することが出来る。

つまりこの場合の人手不足とは、店舗運営の中心となる「管理者候補」の採用が出来ないのであり、その意味で「良い人材の採用ができない」と言う回答が多くなっているのだ。

9割以上の企業で発生するコア人材の不足

 

  1. 管理職を将来任せたいほどの良い人材の採用ができない(2%)
    採用集客力が強くない中小企業では、管理職候補を獲得するには1から人材を育てるしかない。
  2. 新人がすぐに退職してしまう(20.3%) 育成をしても他社へ転職してしまう(16.1%)
    しかし、育成をしても退職されるため、専門知識や管理能力を教えることが出来ず、管理職を任せられるほどの人材に育たない。
  3. 将来の管理職候補として期待できる若手の人材がいない(45.1%)
    最終的に、社内に若手の管理職が育たず、店舗展開の目標通りに計画が進まない。

1.2 多店舗経営に失敗している企業の大半が管理者不足に陥っている

多くの会社で困っている人手不足とは、「会社を担う管理職候補(コア人材)の不足であり、育成をしても、その育成が無駄になり、成果につながらない。」という事が問題だ。

既存店舗で売上があり、店舗運営のためのノウハウが出来ても、多店舗展開をするためには、1事業所・1店舗を任せるための責任者が最低でも1人は必要となる。

こういった理由から、店舗を任せられるほどの管理職候補がいないにもかかわらず、年功序列的に店長(管理職)と言うポストだけを与え、新規店舗を増やしてしまうからこそ、採算店舗と不採算店舗に分かれ、最終的に店舗を閉鎖する事態になり、ある一定数の店舗数から増やす事の出来ない状況に追い込まれてしまうのだ。

2.多店舗展開に成功している企業に共通するリテンション戦略

エン・ジャパンが2016年に人事担当者243名に対して実施したリテンション(離職)対策を実施している目的に関するアンケート結果を見てみよう。

Q.リテンションに取り組む理由を教えてください。(複数回答可)

引用URL:https://partners.en-japan.com/enquetereport/old/110/

リテンション対策を実施している会社の目的の51%が「育てた人材を手放したくないため」になっていることがおわかりになるはずだ。

つまり、店舗数の拡大を実現する方法とは、以下の2つを実践することとなる。

  1. 目標店舗数を達成できる数の管理職候補の育成
  2. 育てた人材を手放さないようにするリテンションマネジメント

ではこれからいよいよ、そのリテンションマネジメントの実施手順を説明する。

3.管理職の数を増やすためのリテンションマネジメントの5つの手順

それではここから、管理職(優秀な人材)を増やしていくための方法を具体的にご紹介する。少し面倒と思われるかもしれないが、やること自体はそこまで難しくないので、面倒がらずに実践しよう。

STEP1:成果を数値で評価するための土台作りを行う

売上でも販売数、広告などと同じように、何かの成果を出すためには、数値で管理することが重要だ。成果の振り返りが出来なければ、実践と課題の発見、改善行動を進めることが出来ないからだ。

とはいっても、そこまで難しい事ではない。専門知識がない人でも十分実践可能だ。

以下の写真の黄色で塗られたセルの通り、【氏名・入社日・退社日・従業員ラベル」のたった4つを記録しておくだけでいい。

※これからご紹介する内容は私たちが無料で現在公開しているエクセルテンプレートの内容から引用しているものであり、以下の黄色のセルを入力さえすれば自動でグラフや表が作成されるようになっている。エクセルの知識がない方や自社で内製する自信がない方は是非ご活用してほしい。

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従業員ラベルに関しては、以下の定義に基づき入力していこう。
私たちの場合であれば、従業員ラベルを以下の5つに定義している。

Rableにおける従業員ラベルの定義について
1 コア社員 職場の中核を握るマネジメント社員
2 エース社員 職場の売上や生産に貢献してくれるエース社員
3 標準社員 一般的な働きぶりのノーマルな社員
4 わけあり社員 良く働くが人間関係に問題アリのわけあり社員
5 問題社員 成績も良くなく、人間関係にも問題の多い社員

詳しく以下の記事で解説しているので、自社社員を5つに分けて管理する方法に興味がある人は、是非一読してみて欲しい。

上記の5つのデータの内、今回は店舗運営のマネジメントのカギとなるコア社員(管理社員)に注目してみていく。

STEP2:管理職(コア社員)が増えているかを確認できる2つのグラフを作成する

氏名・入社日・退社日・従業員ラベルの記入が出来れば、次は4つの数値を使って、以下の2つの種類のグラフを作成しよう。

作成グラフ1:年度・従業員ラベル別人材状況

集計年度 コア社員 エース社員 標準社員 わけあり社員 問題社員 期末人数
2011年 17人 6人 8人 13人 0人 44人
2012年 26人 10人 16人 15人 3人 70人
2013年 35人 14人 45人 24人 8人 126人
2014年 42人 37人 82人 34人 13人 208人
2015年 49人 66人 84人 30人 22人 251人

私たちがこのグラフを作成している目的は、「自社の人材がどれだけ増えたか?」を確認するのと同時に、「自社の人材の質はどの程度か?」という2つを確認できるようにするためだ。

採用をしたからといって、従業員が辞めているのでは数は増えないし、作業員だけが増えて、会社の中核を担う人材が増えていないのでは意味がない。

人をただ無暗やたらと増やすのではなく、「質の高い社員は採用できているのか?」・「人材育成をしっかりと行い社員の質を高めていることができているのか?」の2点を確認できるようにする必要がある。

 

作成グラフ2:年度別従業員ラベル比率

集計年度 コア社員 エース社員 標準社員 わけあり社員 問題社員 合計
2011年 38.6% 13.6% 18.2% 29.5% 0.0% 100.0%
2012年 37.1% 14.3% 22.9% 21.4% 4.3% 100.0%
2013年 27.8% 11.1% 35.7% 19.0% 6.3% 100.0%
2014年 20.2% 17.8% 39.4% 16.3% 6.3% 100.0%
2015年 19.5% 26.3% 33.5% 12.0% 8.8% 100.0%

 

しかし、先ほど説明したグラフでは、どうしてもボリュームに目が向き、「人手不足の根本的な解決方法は採用への投資ではないか?」や「給料や待遇のせいで人材が増えない」という採用環境のせいにして、現場への問題の落とし込みが難しい。

そこで上記のグラフを比率で表したものを作成し、全体当りの人材の質の割合を表したグラフを作成することが重要になる。

このグラフを活用することで、以下の2つを数値で評価することが可能になる。

1.人材の育成状況はどうなっているのか?

【コア社員+エース社員+標準社員の比率は前年と比べて増えているか?】

2、育成した人材の流出が起きていないか?

【コア社員+エース社員+標準社員の比率は前年と比べて減っていないか?】

すると、社員数ではなく、従業員の質の問題になるので、

  1. 問題社員と優秀な人材の離職比率はどちらが増えているのか?
  2. 人材育成をしっかりと行い優秀な社員を増やせているか?

に意識を向かわせることが出来る。

 

STEP3:数値を使って人材マネジメントにおける結果意識を持たせる

上記の2つの数値が作成できれば、自社が現在やっている取り組みの「成果が出ているのか?」・「成果が出来ていないのか?」の判断を容易にすることが可能になっているはずだ。

数値を上手く運用して、社員たちが以下のような意識を持つように誘導しよう。

マネージャーの指導 社内での意見
離職対策は行っているか? 面談を定期的に実施しています。
数値をみても、効果は表れていないが、面談の運用を見直すべきだと思うが? 面談の内容をヒアリングした結果、「不満はないか?」と聞いていただけだったようです。
コア人材が増えているかどうかを今後、マネージャー評価査定にいれていく。 わかりました。面談をしっかりと運用しているかどうかを責任者に伝え、人材管理での結果意識を持たせるようにします。

他にも上記の数値の使い道は様々存在するが、一番効果が高いのは、「運用しています。」・「管理はしているつもりですが、、、」と言う成果を意識しない言動や振る舞いを辞めさせることだ。

このように会社が決めた方針や制度を「ただ運用しています」・「守っています」ではなく、「結果をだす!!」と意識させることができなければ、いつまで経っても目標は達成されない。たとえ、一生懸命やっていなくても、いくらでもごまかせるためだ。

しかし、数値があればそうはいかない。結果が出た責任者と結果が出ない責任者にはっきり分かれるからだ。

STEP4:意識共有できたメンバーで会議を行い新たな試みや制度を立案する

しっかりと数値を運用し、社内での共通目標とすることができれば、人材目標に関して、結果意識を持った会議が実践できるようになる。

最終的には以下のような会話が会議で飛び交うようにしよう。

司会者の質問 会議参加者の提案
離職における現場課題は何だと思うか? 現場では2年から3年の間の離職者が問題となっています。
その理由は何だと思うか? 上司が指示だけをして、なぜそうしないといけないのか?の説明がないというコミュニケーション不足と言う声が上がっています。
その対策は難しいと思うか? 現在の業務における負荷から考えて、時間を取ることは難しいと思います。
コミュニケーション不足を解消する制度やツールを検討しておいてくれ。 わかりました。課題と原因についてはわかっているので、現場負荷を高めず、コミュニケーションを活性化する方法を探してみます。

結果意識が身についていれば、上記の様な具体的で建設的な会議が可能になる。なぜなら、誰もが会議をすることが目的ではなく、結果を変える為に、何が原因で、それを解決するにはどうしたらいいのか?と言う解決志向がすでに身についているからだ。

STEP5:人材マネジメントの失敗を環境のせいにしない社風を作り上げる

あなたの会社ではどうだろうか?

人手不足を解消するという目的に対して、結果の解消に対して責任を背負い、出来るだけ早く現状を変える。と言う結果に対する強いこだわりを持てている社員は一体どのくらい存在しているだろうか?

売上アップであればだれもが真剣に話すだろうが、人材に関して、責任を背負ってやり切る!!と言う気概を持って管理職が動いている会社は実はそう多くない。

給与や待遇と言った会社の体制といった環境のせいにしてしまうからだ。

多くの管理職が、そのような意識しか持っていない状況で会議をしたり、新しい制度を作ったとしても、それは適切に運用されず中途半端な結果で終わってしまうことになる。

自社の現状で出来る範囲で出来る事を考え、結果を変えるというこだわりを持つことが何よりも重要だ。

 

まとめ:リテンションマネジメントが出来なければ多店舗展開は上手くいかない

多店舗展開・店舗数の拡大は意外と難しい。なぜなら、物理的・空間的に離れているため、1事業所・店舗に1人は、優秀な人材を確保しないといけない為だ。

どのような企業でも事業を拡大させるためには、管理職を増やすことが重要であり、優秀な管理職を育成できるかがカギになってくる。

そのためには、売上や集客、サービス・製品改善を向上させるための、人材に関する課題を明確にしなければならない。これが人材マネジメントである。

人材マネジメントに対するこだわりを管理職に持たせることは簡単ではない。なぜなら、上司と部下という関係が存在するため、辞めた社員や出来ない社員が悪い、といった部下への批判を繰り返すことで上司としての立場を守ろうとするからだ。

そのような流れを断ち切り、結果意識を持たせるためには、人材マネジメントに関する数値を作り、会議や制度の運用に活用しよう。

人材マネジメントの数値化を難しく考えず、RABLEが提供している離職管理EXCELツールで採用人数と離職人数を数値化することから初めてみよう。

使い続ければ、本日の記事で紹介した内容のように管理職の社員数の増減を管理でき、多店舗展開に対する人材戦略を構築できるだろう。

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