あなたの会社では、社員のパフォーマンスを高めるために、どのような取り組みをしているだろうか?
売上目標を設定したり、勤務態度に対する評価をしてみたり、仕事に対する努力や職場貢献、学習姿勢を加味したり、能力やスキルの差を明確化したり、様々な施策に取り組んでおられることだろう。
あらゆる施策での肝は、PDCAにおけるCの部分に当たる”CHECK(評価)”にある。
上手くチェックシステムが機能していれば社員たちの行動は以下のステップで洗練されていく。
- 実行して結果を振り返り、成功か失敗かを判断する。
- 失敗原因や成功原因が何かを考え、自分の中で取り組むべき課題・目標を見つける。
- その課題・目標を達成するためのポイントの仮説を作る。
- その仮説を元に作業をし、上手くいけば継続、上手くいかなければ更に試行錯誤する。
上記の改善プロセスは、一般的に意欲が高い、能力が高い、要領がいいという社員に共通するものだが、残念ながらほとんどの会社で上記の事が出来ているのはほんの一握りの社員だけで、大半の社員が、成果や結果の振り返りをせず、毎日、同じやり方を繰り返すか、振り返ろうとしても上手く振り返りができていないのが現状だ。
ではどうすれば、心の底から成果を出したいという社員や正しい振り返りが出来る社員を増やすことができるのか?
それは”数値に沿って考えれば、誰もが同じ課題を連想し、同じ解決策に行き着くための仕組み”を作り上げる事だ。
あらゆる資料・数値・仕組みは、思考をコントロールし、誰もが正しい意思決定を誘導するためにある。
当記事では、社員たちが正しく振り返りをするための数値構成に関するノウハウをお伝えしたいと思う。人事評価だけでなく、分析、企画書など様々な仕組み作りに共通するものであるので、是非最後まで読みすすめてみてほしい。
1.人事評価や数値のフィードバックが重要である理由
人事考課を現場に任せ、仕組み化していない会社では、現場の上司が指示や指導をきちんとしていれば十分ではないか?と思われるかもしれない。
ここで仮に、上司が実はきちんと現場の人間の成果や努力をきちんと見ていたとしよう。
しかし、それを確かめる術は部下たちにはない。努力していても、それが評価として反映されるかはわからない口約束みたいなものだ。だから会社の公式として文書で残さないといけない。また現場の実際と評価基準にズレがあれば、努力が評価に結びつかない。なぜなら、業績よりも会社で評価されることをしている社員が高く評価されるからだ。
社員たちの心を動かすには数値の中に以下の3つの要素を含んでいる必要がある。
①:見た瞬間に記憶が連想される
良い数値は、見た人に、特定の社員の業務風景、職場状況、成果の差を連想させる。
「あの時こうだったな」、「評価されている人とそうでない人の仕事に対する熱意、真面目さ、努力姿勢、働きぶりの差」などの映像が脳裏に浮かび、数値の差と自分の感覚にズレがなければないほど腑に落ちる。
もしここにズレがあれば、「この会社・上司の評価は、成果と関係がないし頑張っただけ損だ」と感じてしまう。
②:課題や解決方法を教えてくれる
特に人事評価では、採点を管理職に任されている事が多く、感覚的、主観で採点してしまっているケースが非常に多く、項目自体もしっかりと整理、落とし込まれておらず、数値が占いのようなものになってしまっている。
「向上心がある」、「業務態度は良好か」などが典型例だ。
このような曖昧な採点基準では、絶対に採点者の主観や好みが入る。人間の思考の9割以上を無意識が占めているからだ。
「客観的に評価しましょう」ではなく、そもそも主観が入り込む余地がない項目・テキスト・基準にすることを目指そう。
丁寧に作りこまれた数値は、「私は課題をなんとなく意識していましたが、言葉に出来ませんでした。ただこの内容を見て納得しました。自分が何に取り組めばいいかわかりました。」といったように、具体的な行動の意思決定につながるものでないといけない。
③:理想の状態・あるべき姿を教えてくれる
数値には強弱が存在する。
評価シートの場合であれば、最低点とはどのような行動・考え方になってしまっている人なのか、逆にどこまで出来るようになれば最高点になるのか?採点基準は人材育成マニュアルそのものでないといけない。
もしそれが明確であれば、採点基準表を見ただけで、それが目標となる。
「最高評価は、●●ができればとれる」というゴールまでの道筋が明確になっているからだ。
全ての数値は相手に伝わって始めて効果を発揮する
数値は作成するだけでは機能しない。数値を読んで、それが適切に解釈が出来て、その数値を高めたいと感じ、業務に対する取り組み方が変わって始めて成果につながる。数値が適切なだけでは駄目で、相手が数値が正しく理解できる表現を工夫して、相手の心に伝わるまでデザインする事が重要だ。
つまり、数値を作成するまえに伝えたいメッセージが明確になっていないといけない。あらゆる数値は、メッセージに賛同してもらうための裏づけでしかないからだ。
あなたが頭で描く戦略や戦術、ゴール、社員たちのあるべき姿、果たすべき役割、修得して欲しい技能、持って欲しいマインド、会社愛、職場貢献などを数値で表現するというのは非常に骨が折れる作業だが、相手の心を動かす項目、数値の作成手順についてこれからお伝えするので、1つ1つ順番に実践してみて欲しい。
2.評価シートのレイアウトテンプレート
どのような資料も、仕組みも見た目のわかりやすさというのは重要だ。
読んだ人の注意をひきつけるデザインとしてRABLEでは必ず以下の3ページを作成するようにしている。
- 結果の概要ページ
- 各スコアのカテゴリまとめページ
- 社員やアルバイトに対するコメントページ
【 結果概要ページ 】
上記の画像は感覚的に、結果が良いのか、悪いのかが一目でわかるデザインとなっている。
内訳はその後の話で、結果は良かったのか?それとも悪かったのか?がわかりやすいデザインを心がけよう。
わかりにくいレポートは人の心に響かない。
上記の表は、現在RABLEで無料で提供しているモチベーション診断結果の総評ページを引用したものになる。ここで興味を引く事が出来れば、次にその内訳について意識が移る。
【 カテゴリページ 】
概要ページの次に作成するものが、上記のカテゴリスコアの内訳だ。
ここで興味はそれぞれのスコアの内訳に移る。自分の課題はどこにあり、逆に出来ている部分はどこなのか?このページでもし腑に落ちる。納得いくものであれば、会社や上司の指示・指導に従おう、あるいは、きちんと自分の努力や仕事に対する姿勢を見てくれるので努力しよう。という気持ちになる。
レポートや分析表であれば、このデータに従えば、必ず成果を出せる。なので、この数値を良くするために全力で努力しよう。といったように、メンバーで意思の共通が出来る。
【 コメントページ 】
数値は読む人によって受ける印象は違う。
数値から何を感じて欲しいのか?読み取って欲しいのか?それを伝えるものがコメントだ。
またコメントの質は、数値がどれだけ作りこまれているかで精度が決まる。私たちは、従業員満足度調査などのアンケートでも、人事考課にも必ずコメントをつけてアルバイト1人1人に丁寧にコメントをつけているが、クライアントの現場の社員1人1人の人柄や仕事ぶりを理解する時間もないし、ヒアリングしているわけでもない。
しかし、データを見ただけで、この人は「こういう仕事の仕方をしていて、こう感じているだろうな」ということがわかり、数値を読み解いていれば以下のようなコメントを書く事が出来ている。
なぜなら以下のコメントを書くために、底から逆算して必要なデータをとは何かを決めてから作りこんでいるからだ。
評価シートの総評(事実や行動に基づく)コメント例
【事実】○○さんのスコアは、○○がよく、□□が悪い結果となっています。
【共感】○○さんのスコアからしてみると普段、こういったことを考え、○○を意識して作業をしておられるのではないでしょうか?それは○○の項目と□□の項目からもそれが伺え、△△の点でそれは非常に重要だと私どもも考えております。
【提案】ただ○○のシーンや□□の役割では、●●も重要になってきます。なぜなら、自社は●●が現状課題になっていて、■■の問題が起きているからです。そこで、●●することは、職場における●●をする上で非常に重要で、●●さんにそういった役割を発揮して欲しいと考えています。
【アドバイス】もちろん、●●さんの努力だけでそれらが達成できるとは思っていません。先輩社員から●●の指導をしてもらう、チーム全体で●●を話し合う、上司が●●のマネジメントをするなど、全員が一丸となって取り組む必要があります。当社として、●●さんが活躍できるように最大の支援をして行きたいと思いますので、より良い職場作りを目指して頑張りましょう。
社員の心を動かすために必要となるコメントの要素は4つだ。
①:数値や成果など事実に基づくコメント
評価ツールとして運用する以上、事実ははっきりと書こう。●●ができている、●●ができていない、この数値が悪い、良いなど、客観的な事実に基づいて淡々としたコメントを作成する。ここが曖昧だと自分の悪い部分や自分の課題、今後、どういった努力が必要なのかに気付けないし、現状でいいやとなってしまう。
出来るだけネガティブなことをしっかりとした口調で伝えよう。
②:共感に関するコメント
ネガティブな部分を受け入れられるように、相手に沿った共感テキストを次に作成する。
スコアからみて、どういったことを考えているのか、スコアが悪い部分に対しては、どういったことを考えていそうなのか?それを理解している、あなたの気持ちをわかっているよ、と思わせるテキストを入れることで、ネガティブな部分を受け入れやすくしよう。
③:課題に対するコメント
職場の責任者には、必ずそれぞれの社員に対して「こういったことを出来るようになって欲しい。」や「こういった役割を担って欲しい。」という願いが必ずあるはずだ。
それはその社員が苦手としていることや避けていることであってもいいし、自分が治してほしい行動や態度でもいい。またチーム内で担って欲しい役割も書いてもいいし、具体的にその社員にどうなって欲しいかをしっかりと明記しよう。
④:応援コメント
そして最後の部分では、サポートや応援メッセージを必ず入れよう。
上司として先輩社員や周囲の社員にも問題がある場合があれば、「自分からもしっかりと指導する」と伝えたり、「自分もできる限りサポートする」といった内容など、読み手が「それならばできそうだ」と思えるようなテキストに仕上げよう。
例え悪いスコアであっても、自分の気持ちを理解しようとしてくれ、どうすれば出来るかのアドバイスがあり、自分が成長することを期待、応援してくれていると感じれば必ず前向きな気持ちを持ってくれる。
読んだ人が、「悪い部分をしっかりと受け入れ、あなたが期待する方向へと成長しようと思える」ようなコメントを書き上げよう。
2.数値を作るうえで心がけたい3つの構造
RABLEでは、どのような資料・シートを作成する際でも以下の3つの数値を作ることを心がけている。
2.1 2つの評価シート項目サンプル
まずは2つのケースを見てみたいと思う。
1つ目は成果が個人成績とひもづけられるもの。2つ目は、店舗や部署単位など個人成績に紐づける事が出来ない例だ。
CASE1:営業・販売業務における評価シートサンプル
評価観点 | 項目例 |
業績評価 |
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能力評価 |
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姿勢評価 |
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結果の差は必ず評価しなければいけない。ただそれだけでは見た人によって「売上さえだせばいい」と解釈してしまう社員が出てくる。そこで、新規とリピータを分けてみたり、ロイヤルカスタマーを増やす、など様々な観点から成果を可視化する視点を考えよう。
しかしそれでは、「この店舗・部署は良いね。この店舗・部署は駄目だ。」の判断しかできなくなってしまう。
そこで現場での人材育成の指針として、「どういった能力や仕事に対する姿勢を育成する事が出来れば、業績が向上するか」という数値を作ることで、業績を高めるための努力が出来ているかを数値で表現することで、成果を出せていない社員もスキルや知識習得に熱心にするようになる。
また当然、専門知識、状況判断のための経験、技能の習得には時間がかかる。能力が向上し、成果が出始めるまでに多くの社員が脱落してしまうかもしれない。モチベーションを維持し、努力を継続させるものが、業務に対する姿勢や真面目さを評価する態度評価だ。
CASE2:個人成績を出すことが出来ない業種の評価シートサンプル
飲食業や事務、管理職評価など、職種によっては業績評価がしにくいものも当然存在する。そうした場合は以下のような構成にしよう。
今回は軽視されやすい飲食店アルバイトの接客業務を例に見てみよう。
評価観点 | 項目例 |
行動評価 |
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姿勢評価 |
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貢献評価 |
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上記のものはオペレーションが中心だが、接客やセールストークなどをいれてもいい。生産性が高い、人件費が安い、顧客満足度が高い、クレーム・不良品率が低いなど、業績に直結する行動をピックアップしよう。
またアルバイトが中心の職場であれば、いかに人員を確保できるかが重要になり、そこに評価の比重を高めてもいい。
作業の熟練度とシフトへの貢献は別の話しだし、作業が遅いスタッフも真面目さを評価するなど、職場への貢献は個性がある。そうした意欲を引き出す数値のつながりを作ることで、スタッフの個性を引き出すことも出来る。
2.2 評価基準を作り上げる上で一番重要なのは縦の関係
人を動かすためには、ストーリーが必要だ。
上記の3つの数値には連続性がある。
- 業績が出せている社員を多角的な視点から評価する。
- 今は成果を出せていなくても能力を身につければ業績は上がる。
- 上司や先輩の指示・指導に真面目に従っていれば一定以上のスキルや能力は身につく。
上記の例であれば、「業績を上げるためには、社員1人1人のスキルアップが重要で、スキルアップは上司や先輩の指示や指導に従っていれば、必ず成果が良くなっていく。」という関係性が出来ている。
つまり、それが職場での話し合いの資料や個人に配布する評価シートとしてデザインしてあれば、それを読んでいけば、誰もが上司や先輩の指導・指示を聞こうと思うようになる。
また上司や先輩の立場からしてみれば、どういった能力や考え方を身につけさせないといけないかという人材育成のミッションになる。
2.3 コミュニケーションのための数値
上記は人事評価の例だが、会議や打ち合わせ、話し合い、指導、などあらゆるコミュニケーションに通ずる。
それぞれの会議や打ち合わせ、話し合いでは、どのような問題をしたいのか?どのようなアイデアを出したいのか?どこまでを決定したいのか?というゴールを担当グループが見通しておく事が大切だ。
自分たちの主張を聞いて、どのような解釈パターンがあるのか?という想定質問を事前に決めておき、話の論点がずれたり、そもそも論が出ず、メンバーを納得させるための根拠としてどのような数値を作るべきか?
それらが作りこまれていれば、話し合いたい課題に集中して建設的な話が出来るし、もし反論されても数値に対するものなので、「そうした考視点は考えてなかった、こういう数値も見てみないとわからないね」といったように、更にブラッシュアップされていく。
数値を作れば作るほど、社員たちの視点は客観的・根拠に基づくものになり、話し合いを続けていけば、自社にとっていらない数値、いる数値が見えてくる。
3.評価シート項目が目標を設定する
では次のフェーズとして数値の作成方法に移ろう。
3.1 評価シートの項目サンプル例
数値の作成方法には様々なものがあるが、全てを紹介することは難しいので、上司による採点という人事評価シートを例にみていくことにする。
よくみかけるものが、以下のようなタイプだ。
顧客との関係性を作りあげることができている。 | 1 - 2 - 3 - 4 - 5 |
選択肢は全て数値だけで、何を1点として、5点とするかは採点者の感覚1つだ。
つまり、成績良好な店舗と成績が悪い店舗では、平均的な社員の基準は違うし、管理者による主観的な採点では、成績表を仮に部下たちに渡してもそれから得られることは「良かった」・「悪かった」以外にはない。
しかし以下のようなテキストがあれば採点基準は明確になる。
1 | 2 | 3 | 4 | ||
顧客関係構築 | 顧客に不信感や信頼を損ねるケースがあった | 問題もないが、新しい案件や紹介もない | 新しいプロジェクトやリピート案件が増えた | 新しい顧客の紹介をしてくれるようになった |
どうすることができるようになれば4点になるのか?このような採点表があれば、2点の人は、新しいプロジェクトやリピート案件を獲得できるようになろうと思うし、3点の人は、紹介案件が発生するように努力する。
数値を作るということは、人材育成のマニュアル、社員の習得技能を言語化することと同義だ。
3.2 人を動かす人事評価項目例
また社員たちの意識を変えるためには、項目の作りこみが重要で、上記の例のライティングは結果を切り取っているだけだ。
上記の項目からは、どうすれば良好な顧客関係を構築できるか?は見えてこない。
1 | 2 | 3 | 4 | |
ストーリーのある営業 | どの会社に対しても同じアプローチで営業をしている | 営業先の担当者が抱えている課題や目標に関するヒアリングが十分に出来ている | 営業先の企業が抱えている課題を事前に明確し、上司に相談している | 営業先ストーリーを入念にロープレ、話の展開をシミュレーションしている |
営業では、毎回提案すればいいという訳ではないし、ヒアリングをする営業、関係性を維持する営業など、段階に応じて達成すべきゴールは変わる。上司からすれば、毎回今回の営業活動にどのような意図をもって、どのように攻めていくのか?を確認できるようになる。
上司としても、どのようなことを出来る部下を増やせばいいのか?というゴールが明確になる。
つまり、顧客関係を上手く構築するためには、どのような能力や姿勢が重要なのか?がまず自社の中で明確に出来ていないといけないし、何を教えるべきかが明確になっていないといけない。
3.3 適切な項目選択肢はいくつ?
また選択肢をいくつ作るか?だが、数値の分布状況によって調整しよう。
以下の表は私たちの例だが、アンケートでも、人事評価でも数値を作る際は、山なりの形を目指すようにしよう。
例えば、点数が低い社員ばかりであれば、より低い社員の基準となる項目を追加したり、逆に全員が高得点ばかりになってしまえば、よりレベルの高い項目を追加しよう。
一口に出来ない社員といっても、その出来なさの程度は社員によって差があるし、逆もしかりだ。
あまりにもスコアが偏ってしまうと見た人が「私とあの人が同じ評価なのが納得できない」となってしまう。スコアがばらつくというのは、きちんと能力の差を評価で来ていることを意味する。統計では、定量尺度と認められるは7点尺度(選択肢が7つ以上)であり、私たちの実験でも似たようなデータが出ている。
数値を作りこんでいくと選択肢は7つか8つ程度になるので、あまり考えず、集計したスコアを見て、偏った点数を細分化する項目を追加して上記のような山なりの形を目指そう。
まとめ
数値はつながりが重要だ。
結果を知るための数値、能力を区別するための数値、努力をするための数値。その全てがつながっていないといけない。
それは人事評価だけでなく、会議でもそうで、進捗管理のための数値、その原因を特定するための数値、解決策となる数値といったようにだ。
上記で紹介した私たちのモチベーションの強さを特定する目的であれば、やる気の総合点、やる気を構成するカテゴリスコア、それぞれのカテゴリに紐づいたストレススコアといったように、やる気が上がらないスイッチはどこにあるのか?が特定できるようになっている。
やる気は、外部要因と内部要因の2つがあってそれを紐解いておくと以下の4つのグループに分かれる。
- やる気がある(スコアが高い)人であれば、無意識にどういったストレスを感じているのか?
- やる気がない(スコアが低い)人は、職場に対してどういった不満が一番強いのか?
- やる気がないのは、周囲のせいだけではなく、自分にも非があるのではないか?
- 自分は無意識に職場や会社、上司に対してどのような印象を無意識に抱いているのか?
そういったことがわかるようになっている。
上記のレポートは、回答した人全員にプレゼントしているので、その個人成績表に別紙として、スタッフ1人に対して、「職場ではこういった取り組みをしようと思います。」や「●●さんはたぶんこういった人に不満を感じたり、こういうことをなくすように指示・指導をして行きたいと考えています」などメッセージをつければ、読んだ人の印象をがらりと変える事が出来る。
数値とそれをデザインして作る資料は、会社・上司がする指示・指導そのものになる。
1人1人に丁寧なフィードバックや指導をするには膨大な手間と時間がかかってしまうが、きちんと項目と選択肢、解説、コメントを作り上げる仕組みさえ作ってしまえば、資料がそれを代わりにやってくれる。
読んだ人にこれを感じて欲しい、読み終わればこういった行動をしてほしい。
そういったメッセージ性のある数値・資料を作り上げることができれば、意欲に溢れた組織を作ることは難しくない。