リサーチベースドマネジメント

【最新経営学】部下の行動を科学的に実証していくマネジメント手法

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企業というのは、仕組みを作らなければいけない。ということはご理解いただいているだろう。その場合の仕組みとは、マネジメントの仕組みであることが多い。

あなたは“マネジメントの仕組み”と聞いて何をイメージするだろうか?

本日の記事は、2000年以降に登場した、部下の行動を科学的に実証していく最先端のマネジメント手法である。

当記事では、売上というデータ(数値)に対して必要な能力やスキルもデータ化し、さらには、部下の考え方や行動心理もデータ化する。その結果、それらのデータを統計分析することで、あなたの会社に必要なマネジメントは何か?ということを明確にするという、極めて科学的なマネジメント手法である。

少し難しい表現となったが、全てをデータ化できれば、どのデータとどのデータに関連があり、何をすれば、どんな結果となるのか?という、統計分析が可能になる。という話である。

当記事を熟読して頂くことで、科学的な経営とは何か?ということをご理解いただけるだろう。そして、この内容は大企業だけのツールではなく、中小企業でも活用できる内容である。

あなたにとって衝撃的な内容となるかもしれないが、世界の経営学はここまで進んでいることを実感してほしい。

1. 最新のマネジメントトレンドである行動評価

今のマネジメントの潮流は「結果」よりも「行動」で評価しようという流れになってきている。

超巨大企業であるGOOGLEは他の企業よりも先行して行動評価を導入している。具体的な話は後に回すとして、まずあなたの会社でも行われているであろう、マネジメントシーンをまず思い浮かべて欲しい。

1.1 旧世代式マネジメントでは従業員をコントロールできない

ビジネスにおける最も有名な結果と言われれば、誰もが思いつくものが「売上」だ。多くのマネージャーは終始、売上が上がったのか?下がったのか?ということに固執する。

多くの会社でこうなってしまうのは別に不思議な事ではない。なぜなら、現場だけでなく、マネージャーですら改善に必要な行動とは何か?ということをイメージ出来ていないからだ。

売上という結果指標では、誰がマネージャーになっても変わらない。なぜなら、「新規顧客を獲得せよ!来月は目標売上を達成せよ!」というお決まりの文句を言うだけだからだ。

1.2 2000年代以降の最新のマネジメントの考え方

実は行動評価によるマネジメントの考え方自体は全く新しい事ではない。売上や集客人数などの結果数値では、「実際にマネジメントに活かすことができない!!」ということは、1980年当りにはすでにもう考えられていた。

そこで生まれたものが以下のような行動ベースによる売上の改善だ。

当たり前だが、新規の顧客に対しては丁寧に要望を聞くことが重要だ。そのような核となる従業員の行動を中間管理職が発見すれば、部下に対して接客方法を熱心に指導するだろう。その行動の結果として売上は上がることは、誰しもが理解しているはずだ。

つまり、行動評価によるマネジメントを簡単に言えば、「○○の行動をすれば、売上が上がる」という自社の成功法則を発見することを目的としたマネジメント手法である。

1.3 行動評価によるマネジメントの導入が難しい理由

しかしこの行動評価を導入することは簡単ではない。なぜなら、あなたの会社でマネジメント会議を開き「5月の売上はあがったが、どこが良かったのか?」と質問したとしよう。しかし、お客様の要望をしっかり聞いたから新規顧客件数が増えたのかはわからない。

もっと言えば、他にも以下のような行動が原因で売上が上がっていたのではないか?となり、様々な日々の改善があるため、原因を特定することが困難になるのだ。

  • 5月はチームワークを大切にしたので、職場全体の作業量が増加したのかな?
  • 5月は上司が変わり、徹底した指導に力を入れので、作業クオリティが上がったのかも?
  • 5月は指示する事よりも、従業員のモチベーションアップを意識して行動したからかな?

それは誰にもわからない。すると、誰もが売上が上がった真の理由を言えないために、「●●店・部署では目標達成できました。」という事実を伝えるだけの報告会となってしまう。

さらに、「お客様の要望を聞くように!」という指示を出しても、従業員は「私たちは頑張ってやっています。」と言うだろう。なぜなら、お客様の要望を聞いているのかどうか?などは監視できないため、。

つまり、課題意識はあっても、具体的な改善行動に移行できない大きな理由は、結果につながる行動をどれくらいしたのか?という数値結果がないからだ。

1-4. 「成果が出ないのは環境のせい」という社風ができる

さて、現場からはどのように見えるだろうか?あなたの会社には「上司は数字だけしか見てくれていない!」という不満が出ていないだろうか?

そのような不満が溜まると、意欲的な行動や、顧客満足を高める行動などはどうでもよくなってしまうのだ。

「私は、お客様に喜んでもらうように接客している。だから、口コミなどの成果を出せているんだ。」「私は新規契約が取れればいい。フォローは他の社員にさせるべきだろ!」とそれぞれの主観で行動するが、それらを証明するデータは無いので、従業員は自分の感覚が正しいと考えてしまうだろう。

例えば、「新規顧客獲得のために100人にアプローチした!」という、行動の数値が同じだったとしても、結局はそれぞれの従業員の考え方が違えば、出てくる結果が変わってしまうのだ。

実際に、クライアント企業の悩みで多いのが、以下のような会話をしている従業員を、どうすればマネジメントできるか?である。

あなたならば、従業員Bをどのように指導するだろうか?

従業員A:「私は、お客様に喜んでもらうように提案している。だから、口コミなどの成果を出せているんだ。新規契約数も当月は25本も上がったんだよ。」
従業員B:「今月は新規契約が15本だったから、私は新規契約を取らなければいけない。だから、わが社のプレゼンを熱く語るべきだと思っている。」

あなたの会社でも同様の状態となっていないだろうか?

その原因は、結果につながる意欲や仕事への姿勢を数値化できない点にある。

そのため、従業員Bに、「新規契約を増やせ!」と指示しても、きっと従業員Bの思考の中に、お客様を喜ばせる提案をすべきだ。という考え方は根付かないため、新規顧客契約件数は増えないのだ。

2.自社の成功法則を作る為に必要なリサーチベースド・マネジメント

ここまで売上という結果では、上手くマネジメントができないことをお伝えしてきた。さらに、行動量だけを見ても考え方が良くなければ結果が出ないこともわかるだろう。ではいったいどうすればいいのか?その状況のブレークスルーとなる行動評価マネジメントの考え方をこれからお伝えしていこう。

2.1 リサーチベースド・マネジメントが科学的である理由とは?

行動評価によるマネジメントは多くの会社で今後主流となっていく考え方だ。なぜなら、GOOGLEやセブンイレブンを含めて、成功を収めている企業が実践しているからだ。

ただし、行動を評価する方法に関しては疑問や不安が多く語られる。その理由の1つに「具体的にどの行動を指示すれば絶対上手くいく!!」と言いきれる自信がないという点だ。そこで登場するのが、リサーチベースド・マネジメントという手法だ。

あなたの会社でも、今まで従業員を評価してきただろう。それらは、遅刻が無いことかもしれないし、担当客数で測定しているかもしれないし、生産量やクレーム件数なども上げられる。もちろん、売上で評価している企業もあるだろう。

リサーチベースド・マネジメントとは、これらの最終的に評価したい結果に対して、どのような行動や、どのような考え方が影響しているのか?ということを、データ分析して確証を得ることにある。

つまりは、売上や顧客数だけではなく、意識している行動や成長意欲や貢献意欲などの思考も数値化することを重視している。

少し難しい言い方となっているが、要するに以下のような図のことだ。

つまり、自社ビジネスに関わるあらゆる行動をデータ化し、それらを分析することで、具体的に何が成果を上げている行動なのか?具体的にどのような思考で仕事に取り組むべきか?ということを突き止めるのだ。

だからこそ、嬉しいことに、リサーチベースド・マネジメントを実践していただいたクライアント様からは、「科学的な経営だから信頼が出来る。」と評価して頂けている。

2.2 RABLE式リサーチベースド・マネジメントの3つの手順

では、ここからリサーチベースド・マネジメントの大きな流れを説明していこう。

前提条件として、自社に従業員を評価したい結果指標(売上・担当顧客数・作業ボリュームなど)となるデータがある企業という前提で話を進めていく。

手順1 結果を変えるための明確なビジョンを持とう。

結果指標を変えるためには、マネージャーという指導する立場であるならば、「売上を上げるためには、○○という行動が重要だ。」、「□□の状況の時は、こうした方が良い。」という自分なりの仕事の流儀、哲学を持っていなければならない。それを仮説と呼ぶ。

手順2 本当に実行に移す価値があるものなのかの裏どりをする

しかし、あくまでも仮説は仮説にしか過ぎない。本当に売上を上げることにつながるのかはその時点では誰にもわからない。そこで、心理指標(従業員アンケートデータ)を用いて、売上などの結果との関連性を重回帰分析によって確認し、特に売上を上げることにつながる仮説はどのような行動であるか?ということを選別していく。

手順3 実行する価値がある行動のみをマニュアル化し社内全体に普及させる

そして最終的に、売上(結果)を変えることにつながる行動を明らかにし、マネジメントマニュアルを作成していき、最終的にはそれを従業員指導ツールに落とし込むというのが基本的な流れとなる。

AMOS(統計ツール)による行動分析全体像サンプル

AMOSを詳しく知りたい方は、こちらがSPSSの製品紹介ページとなっているので、一度確認してみよう。

上記は、サンプル事例として紹介しているが、顧客単価を上げ、顧客人数を増やすためには、それぞれ、どのような意識した行動が必要で、どのような経験や知識やスキルが重要であるのか?ということについてデータ分析している。

詳しくは書かないが、ここで明らかとなったのは、顧客単価を上げ、顧客人数を増やすために重要な要素は6つあるということだ。

2.3 行動評価テストを作成し、従業員の意識を評価しよう。

次に、先ほど話ししていたように従業員それぞれの行動を評価するために、従業員評価テストを作成しよう。以下は、目標意識についてのテスト内容のサンプルだ。

私たちは、人材育成に力を入れているクライアント様に対して、これらの評価テストを半年に1度は実施することを奨励しており、1度のテストで20問を作成している。

ぜひ、あなたも、どれが一番評価の高い項目であるのか?ということでチェックを入れて回答して欲しい。このテストの難しさを実感できるはずだ。

仕事における目標意識に関する項目
Q:当グループでは毎月、売り上げ目標や集客目標などの数値目標を掲げています。あなたは、目標数値を指示された時、どういう気持ちでその目標に臨むことが多いですか?
店長・マネージャーから与えられた目標を達成できる自信が無い場合や方法がわからなければ、何を具体的に頑張るか質問することが大切。 店長・マネージャーから与えられた目標を必ず達成する為には、どうすれば達成できるか?具体的に自分の中で考えてからすぐに行動に移す。 店長・マネージャーから与えられた目標を達成するために、まずは行動する。そして必ず結果を振り返り次月の行動に活かすようにする。 店長・マネージャーが提示する毎月の目標数値に対して、達成できる方法は見えなくとも、まず頑張る意思・姿勢を持つことが何よりも重要だ。

いかがだろうか?どの項目が正解であるかわかった方はいらっしゃるだろうか?

答えを言うと、1番評価が低いのがイで、評価が高いのがロだ。このテストは、従業員の成長段階に合わせて、作成しているため、テストの点数が1番悪かった従業員には、次のランクの行動を意識するように指導している。

このテストの正解は、以下で詳しく「なぜ回答を4つにしているのか?」という理由も含めて説明している。

2.4 良い・悪いという評価ではなく、成長させるための評価方法

これまでのクライアント企業でも従業員を評価するテストを設けていた。しかし、多くの場合は以下のような内容であった。

Q:あなたは、上司から目標数値を指示された時、どういう気持ちでその目標に臨むことが多いですか?
選択肢A 選択肢B
とにかく指示されたことだけを何も考えずにやり続けて目標を達成しようと思う。 結果を振り返れる数値目標を作ってから、目標を達成できるように行動しようと思う。

上記のテストを見て、「選択肢AよりもBの方が良い」というのは、誰の目にも明らかだ。このテスト結果によって給与が変わる。ということを事前に知らされていれば、どう考えても全員が選択肢Bを選ぶだろう。

具体的にイメージしていただけるかわからないが、このテストで従業員を評価しても、給料は決められるかもしれないが、従業員を育成することはできない。

RABLEが提供している先ほど紹介したBBD評価は、従業員の成長段階を4つに分解するようにしている。そのために、回答は4つに分けている。

4つの回答を設けている理由は、人間はいきなり成長しないからだ。いくつもの小さな成功体験を積み上げて、ゴールにたどり着くことで育成されていく。参考事例の回答結果は、イ・ハ・ニ・ロの順番で従業員は成長していくと考えて作成している。

2.5 従業員に小さな成功体験を積み上げさせるBBD評価とは?

BBD評価の「目標意識を持たせる」という項目において、このクライアントの例では以下の達成レベルを設定している。

LV1 目標を与えられた時、自分でやり方を考える前に、人を頼ろうとしてしまう。
LV2 目標を与えられた時、ネガティブな感情を持たず、意欲的に取り組める。
LV3 目標を与えられた時、どうすれば目標を達成できるかを自分で考え抜ける。
LV4 目標を達成できた時も、出来なかった時も、次回の行動につなげられる。

そうすることで、

LV1と回答した従業員には、LV2を指導・指示するマネジメントを実施し、LV2と回答した従業員には、LV3を指導・指示するマネジメントを実施する。

というそれぞれの従業員の到達レベルに対応したマネジメントをシステマチックに行うことが可能になる。このように高度にマニュアル化されたマネジメントであれば、指導者の主観によって教育方法が変化することはない。

2.6 マネジメントマニュアルに落とし込む

テスト結果が出れば、現場スタッフにフィードバックすることが可能になる。テスト結果を以って、現場スタッフに指導を行っていくわけだが、具体的な指導内容をマニュアル化することが望ましい。

その理由は、それぞれの回答に確固たる自信を持って、「レベル1よりもレベル2が良い行動である。」ということを部下に説明する必要があるからだ。しかし、あまり内容を理解せずに、単純に点数が良ければいいんでしょ。と考える指導者も実在する。

そうなってしまえば、旧世代式のマネジメントとなんら変わりがなくなってしまう。

BBD評価の目的は、現場の仕事に即した内容であり、かつ、部下の思考をより高いレベルに引き上げることだ。

そのため、私たちは、「いかに現場管理者がスタッフに指導できるようにマニュアルを用意しておくか!」ということを徹底している。このマニュアル作成の内容については、少し長くなるので別の記事で詳しく解説する。

従業員を行動評価で測定するテスト、そしてそのテストの解説をしてくれるマニュアル。この2つが揃うことで、人材の力量に依存しがちだったマネジメントを体系的にシステム的に運用することが可能になる。

3. 会社を拡大するためにはシステマチックなマネジメントシステムが必要

ここまで、リサーチベースド・マネジメントの解説を行ってきたが、売上の上がる要因をリサーチし、データ分析することで明確にするという方法をどのように感じられただろうか?

セブンイレブンのPOSシステムもGOOGLEのアナリティクスも、行動をデータ化するという点では共通している。

これから先、多くの企業が、心理データを重要視していく流れであるのは間違いない。

なぜなら、行動の源泉である考え方を変えることができなければ、根本的な改善をすることはできない。そのために、今までは企業理念という言葉で組織を牽引していこうという風潮があった。しかし、言葉だけで組織を牽引することは、誰にでも出来ることではない。

近い将来、あなたの会社でも従業員心理を明確にする。ということについて、必ず取り入れていく考え方となっていくだろう。

本日の記事で、AMOSを使ったデータ分析は出来ない!という方も多いだろうが、最初はデータ分析の部分を無視して、従業員を育成するための評価ツールを作成してみよう。

優秀な人材が来ないと嘆いている場合ではないのだ。どうにかして、自社で優秀な人材を育成し、組織を強くしなければ企業の成長などありえないのだから。

まとめ 会社の成功法則を確立するリサーチベースドマネジメントを実践しよう

いかがだっただろうか?

もし、あなたの会社でマネジメントにおいて、ここまで詳細に、自社の業務に沿った行動項目による管理が可能になったらどのような変化が生まれるだろうか?

  • 従業員の業務スキルレベルにあった個別マネジメント
  • 従業員の作業の質の全体的な底上げ
  • 中間管理職のマネジメント能力の向上
  • 指導・教育成果の進捗管理
  • マネジメントマニュアル作成による組織力向上
  • 売上に直結する行動評価のリストアップ

上記のようなことを初め、あなたの会社のマネジメント能力は格段に上昇するはずだ。このような手順で体系的にマネジメントを行うからこそ、クライアント企業の全事業所での売上目標の達成を私たちは実現できたのだ。

マネジメントの成功とは、必ず全体的な視点で行わないといけない。黒字部署(店舗)・赤字部署(店舗)といったそれぞれの成功に一喜一憂しないようにすることが重要だ。

自社のビジネスモデルの根幹部分をじっくりとじっくりと数値に基づき、評価し、数値を基に改善していけば、必ず自社全体の利益改善を成功させることが出来る。

そのためには、マネージャーの管理スキルと言った個人の手腕に依存するのではなく、マネジメントのマニュアル化を推し進めていくことが重要だ。

作業・業務オペレーションの様に、標準化されたマネジメントシステムを作り上げることが出来れば、自社の成長を計画的に推し進めることができることをお約束しよう。

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