離職率計算

人材不足の企業は必見!社員定着率の向上と採用コスト回収のアイデア

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人材不足だと嘆く企業は実に多い。しかし、人材不足に嘆いている企業ほど、社員教育を簡単に諦めてしまっている。または、どうせすぐに辞めてしまうからと言う理由で、社員教育を実施していない企業も多いのではないだろうか?

その改善策として、様々な社内イベントや特別手当や金銭報酬制度を実行したり、セミナーに従業員を通わせてみても、全く結果が伴わない。外部からアドバイザーを招き、会議してみても、「効率化を図ろう!!」や「人間関係のつながりを強化する」などの抽象的な話し合いで解決の糸口が見えない。

そのような悩みを抱えている人に向けて、今回の記事では、効率的に社員定着率を向上させるためのデータの作り方をお伝えすることにする。

キーポイントは、どのような社員に対して、どんな指導をすべきか?そして、いつまで指導を続けるべきか?ということが簡単にわかるデータ作成方法を理解していただこうと思う。

自分の解決したい課題の取り組みへの進捗を客観的に示してくれるデータを、妥協無く、徹底して準備すれば、必ず具体的な実行段階までこぎつけられるようになるはずだ。

1.社員定着率の向上の取り組みが上手くいかない理由

近年、社員定着率改善への取り組みは多くの会社で注目を集めるようになってきている。その理由は、優秀な人材の囲い込みをしていきたいという思惑の他に、固定費を削減するために人件費を削減したいという思いがあるからだ。

当記事をご覧になられている方の中にも、以前から社員定着率向上に関心を持っておられた方は少なくないはずだが、その一方で、社員定着率の改善に成功している企業はほんの一握りと言える。

そこでまず、「なぜ社員定着率の改善が上手くいかないのか?」ということから、みていこう。

補足:社員定着率ってどう計算するの?
社員定着率と言う言葉になじみのない方は、まず、管理職の人材マネジメントの成果を測る経年定着率と経年離職率グラフの記事に目を通すようにしてほしい。社員定着率とは、離職率の対なる概念で【100%-離職率】によって算出することが出来る。つまり、離職率が30%であれば、社員定着率は70%と計算することができる。

1.1 社員定着率の向上に失敗している会社での良くみられる会話風景

人事部署のあるなしに関わらず、どの規模の会社でも必ず人事担当者が存在するはずだ。その人事担当者に対して、あなたの会社では人材定着のマネジメント施策を完全に任せきりになっていないだろうか?

私たちが人材会定着改善に関して、クライアント企業に対してヒアリングしてみると大抵、社長か経営幹部と人事責任者が同席されることが多い。そこでよく聞くのが、以下のような会話だ。

経営幹部「2年前から対策の指示は出しているよな?どうなっている?」
人事担当者「いや色々やってみてはいるんですが…。あまり変わりません。」
経営幹部「なぜ変わらないのかきちんと分析しているのか?課題を明確にしろ。」
人事担当者「はい…。すみません。」

この会話をじっくりと読んでみて欲しい。するとある問題がわかるはずだ。勘の良い方ならもうお気づきかもしれないが、経営幹部ですら、この問題をどうマネジメントするかイメージできていない。

マネジメント層全員が解決のプロセスを全くイメージできていなく、責任だけが「人事担当者」という肩書きに集中する。これでは解決できるはずがない。

1.2 成功するマネジメントの流れ

もし仮に問題が売上や集客であった時はどうだろうか?多くの会社で責任者だけに丸投げしないはずだ。全員が一丸となって以下のことを考えるはずだ。

広告集客などのマーケティングで課題が発生している場合

  • 広告内容のコンテンツの訴求ポイントがズレているのではないか?
  • 広告媒体は適切か?他のチャネルでも試してみるべきではないか?
  • ターゲットがズレているのではないか?広告コンセプトを変更しようか?
  • 狙っているターゲットに受ける広告デザインか?デザインの見直しは?

集客などの問題であれば、あなたの会社でも具体的な会議をしているはずだ。誰かに責任を丸投げし「いつか上手くいけばいいな。」の精神ではなく、「出来るだけ速やかに課題を解決しよう!」という意思をメンバー全員で共有できているはずだ。

課題が変わっても、問題を解決するプロセス自体は同じだ。あなたの会社では、売上や集客などのように社員定着向上を真剣に取り組んでいるか、今一度振り返ってみて欲しい。

本当に全力で取り組み、ライバル企業よりも圧倒的な生産効率を誇る組織を作り上げることが出来ているだろうか?

1.3 現場でも社員定着率を向上させようなんて真剣に思っていない

社員定着率が低下し、そのしわ寄せがくるのが現場であるが、その現場社員ですら、社員定着率について真剣に考えていない。あなたの会社でも以下のような会話がされていないだろうか?

現場でありがちな新人社員に対する会話
社員A「A部署の○○、先月一杯で辞めたらしいよ。」
社員B「またか。これで3人目だよ。最近の子は長続きしないよね。」
社員A「ほんと、ほんと。オレたちが新人だった頃はもっとガッツあったよ。」
社員B「あと○○も、もうすぐ辞めそうな気がしない?」
社員A「それオレも思ってた。基本的にやる気がないんだよな。」
社員B「もっとやる気のある子をきちんと採用してほしいよなぁ。人事頼むよ。」

上記の例は、前節で述べた会話とは全く真逆の例と言える。もし、これが集客などの問題であるならば、絶対に新人(顧客)のせいにはしない。「どうすれば社員定着率の向上を達成(集客を改善できる)のか?」ということを徹底的に考えるはずだ。

上記は、会計用語を借りれば、マネジメントがコントロール不能な状態であると言える。というのも、誰もかれもが、課題の原因を【辞めてしまう新人のせい」にして、「自分がなんとかしなきゃ。」という気持ちを全く持っていないからだ。

1.4 数値があれば社員全員の意識をガラッと変えることが出来る

ここまで苦言を呈してきたが、どんな問題であっても必ず解決の糸口は存在する。それが数値によるコントロールだ。数値によるコントロールを導入することで、責任の所在意識を切り替えることができるようになる。

例えば、社員定着率を数値として利用する仕方には以下のようなものがある。

  • 部署毎の社員定着率
  • 指導担当者ごとの社員定着率
  • 事業部ごとの社員定着率

このような数値を導入すれば社員の意識を以下の様に切り替えることが出来る。

  • ○○部署の社員定着率が改善できていない。なんとかしなければ。
  • 指導担当者の○○さんが指導すると新人社員の離職が増えている。指導方法を見直そう。
  • ○○事業部の定着率が悪い。ストレス原因を確認して対策を講じよう。

上記のような意識へと変わっていく。なぜなら、新人を辞めさせてしまうことになるからだ。新人が勝手に辞めてしまうのと新人を自分たちが辞めさせているという意識の違いはかなり大きい。これだけでもある程度の成果は出るが、更にもう一歩踏み込んで考えてみよう。

1.5 社員定着率は具体的な目標を決定しづらい

社員定着率向上への意識改革が例えできたとしても、まだまだ十分だとは言えない。なぜなら、非常に目的があいまいだからだ。

「社員定着率を向上させろ」という指示を出された時、まず何から手を付けていいかわからない社員の方が多いのが普通だ。

なぜなら、どこに力を入れて取り組んでいけばいいかわからないからだ。まさか全ての新人社員の面倒を見るなんて人はいないだろう。もしそんなことをすれば、中途半端な行動になって、誰から見ても、何をしたいのかよくわからない不毛な結果に終わってしまう。

効率的に社員定着率を向上させるためには、「どこに力を入れて取り組んでいくのか?」という目標の明確化が必要になる。ここまで少し長くなってしまったが、次章から、社員定着率の改善目標の決定の仕方についてお伝えしていこう。

まずは、どのような人材を離職しないようにマネジメントすべきか?ということについて考えなければいけない。
1番効果的なマネジメントを実現するために、下記の記事を参考にして欲しい。

2.グラフトレンドから社員定着率目標を決定する方法

まず一番簡単なものが、社員定着率のグラフトレンドによる目標決定方法だ。この方法であれば、大抵の会社で容易に実行することが出来る。ここでは簡単にアルバイトの例で説明する。

上記のような月次で離職人数を記録し、それぞれの重要な期間を区分してみよう。それぞれの離職原因が違うならば、上記のようなグラフを用意することで改善が捗るだろう。

上記の事例の場合、特に3か月以内の離職を防ぐことと、上司の指導内容や指導方法を見直すことで、かなりの改善が見込めることがわかる。もちろん、他の月も発生しているが、1つに絞って改善を進めていけば、いずれは全ての改善もされているかもしれない。

他の月の課題は、3ヵ月以内の離職の改善に成功した後に、取り組めばいいだけとなるだろう。

このように取り組む課題の焦点化ができれば、具体的な行動に落とし込むことが出来る。

  • 入社3ヵ月以内のスタッフに対しては、上司の丁寧な指導が不可欠だ。優しく指導する上司を用意すること。
  • 職場の人間関係を改善するためには、新人でも職場に溶け込めるようシフトに入っているスタッフ全員が話しかける。
  • ベテランスタッフだけが身内ネタで話し、孤独感・疎外感を感じさせないようにする。

他にもさまざまな事が考えられるはずだ。この例はあくまでアルバイトに関しての例だが、正社員の例であれば、逆に仕事に慣れた頃、1年~2年程度に頻繁に発生することもある。というのは、「仕事が単純ですぐにマスターしてしまった。」、「これ以上学べるものがない。」、「仕事にやりがいを感じない」ということがあるからだ。

そういった場合には、「仕事の奥深さを伝える」ことや「新しい仕事を任せる。」という事が効果的になるだろう。

いずれにせよ、離職が頻繁するボリュームゾーンを明確にすることが大切だ。ボリュームゾーンさえ明確にできれば、「その層の離職理由はなんだろう?」という会議や打ち合わせで内容のある話をすることができるようになるからだ。

3.コスト回収期間という考え方に基づいて社員定着率目標を決定する方法

次は、少し難易度は高くなるが、コスト面から見た目標の決定方法をお伝えする。コストの出し方に関しては、今後丁寧に解説していくので、興味を持っていただけた方は楽しみに待っていてほしい。

以下の表はアルバイトの離職率ですら改善できれば、年間300万円の利益に!で解説している1人の人材を採用する際に発生する教育コストの金額だ。以下の例では、最低8か月は働いて貰えなければ、人材を採用しても赤字になる事を意味している。

月間平均売上 ¥160,000 ざっくりと平均離職期間 6か月
売上に占める人件費や管理費など必要経費 60.0% 離職人数 12人
上記を抜いた割合 40.0% 定着人員数 5人
1人当たり教育コスト総額 ¥258,539 離職による減価償却未消化月数 1.2か月
1ヶ月当りの教育減価償却額 ¥38,400 離職による減価償却未消化額 ¥23,139
減価償却に必要月数 6.7か月 減価償却未消化額合計 ¥337,673
定着人材の1ヶ月当り償却額 ¥184,320 未消化額の償却に必要月数 1.8ヶ月
教育コストの減価償却に必要な月数
8.0ヶ月

上記のような採用・教育コストの回収期間を設定していれば、「離職率の削減目標として、8カ月以内の離職率をゼロにしよう」と具体的なマネジメント目標を設定することが出来る。

仮にこの目標を達成することができれば、会社の採用・教育コストが格段に減り、人件費が経営を圧迫することはなくなり、長く働いて貰えれば貰える程、会社にとって利益として蓄積されるようになる。

4.労働力の観点から社員定着率目標を決定する方法

2章で説明したものとは異なり、3章で説明した目標の決め方は大手企業でもない限り、大半の中小企業では詳細な採用・教育コストを算出し、投資コストの回収期間を設定することは容易ではない。そこでざっくりとではあるが、おおまかに教育コストの回収期間を設定できる方法をお伝えする。

ここでも2章と同じように誰もが簡単にイメージしやすい飲食店の例でご説明する。アルバイトを初めたての頃は、当然、作業力は大体0.3人分程くらいしか見込めないだろう。すると、その足りない作業力を補充するために、普段より多くの頭数をシフトに入れる必要性が出てくる。

それが最終的に人件費を圧迫する原因となる。時給を800円として計算すると、新人2人でやっと1人分程度の労働力だとすると、800円×2人で1600円の時間給を支払わなくてはいけなくなる。

そこで1人分の労働力としてカウントできるまでに3ヵ月程度必要だとすると、教育コストの回収期間として2倍の6ヶ月を見込んでおこう。

アルバイト全員が6ヶ月以上働いてくれるようになれば、1年通年で考えれば、売上に占める人件費の割合は理想の形に落ち着くようになる。逆に、6ヵ月以内に多くのアルバイトが辞める店舗では、人件費の占める割合が多くなり、経営を圧迫することになる。

まとめ

当記事では、社員定着率の向上目標の決定方法についてお伝えしてきた。しかし、必ず数字を出すだけで満足しないようにしてほしい。

数字を出す目的はあくまで、自社の活動の進捗を客観的に定量的に評価する為だけのものに過ぎない。数字を活用する上で一番大事なのは、具体的な行動目標を設定することにある。

「離職率を下げよう」と会議で決定したところで、具体的に何をどうする?と言うところは決まらない。しかし、数字を上手く活用できれば、「アルバイトの8か月以内離職率を0に近づけよう。」と言う具体的な目標を決定することができ、そのゾーンの社員が陥りやすい悩みとは何だ?という仮説を考えるようになる。

従業員心理の仮説を立てることが出来れば、「こういう制度はどうか?」、「このようなフォローアップが効果的ではないか?」具体的なマネジメント行動案があちこちで出されるようになる。

改善を成功させるためには、行動の実行が必要不可欠だ。曖昧な目標であればあるほど、会議の内容が発散し、具体的な企画が出ることなく、誰も真剣に実行しないまま流れてしまうことになる。

具体的な行動を決定するために、「必要な情報は何か?」「その情報を限りなく細かく定義できているか?」を徹底的に考えるようにしてほしい。

そうすれば、実行力が高く、達成力のある職場を作り上げることが出来るはずだ。

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  2. 2.新入社員の1年以内・2年以内・3年以内の離職率を確認する方法

  3. 3.勤続年数10年以上の社員が何人離職しているのか確認する方法

  4. 4.営業成績の良い社員が、どれだけ離職しているのか確認する方法

  5. 5.どの管理職の元で働くと離職する社員が多いのか確認する方法


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