離職率計算

離職防止対策で上手くいかない会社に是非実践してほしい6つの手順

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離職防止施策は、大規模な投資やコストを必要とせず、中小企業でも劇的な成果を生み出し、人材の質を高める事の出来る手段として注目を集めている。その理由は、離職防止策は、専門知識を必要とせず、どの企業でもとっつきやすいテーマであるからだ。

そういった特性から「離職者を減らそう。」や「誰もが働きやすい環境作り」、「きめ細かな部下管理・育成」、他には「社内コミュニケーションの活性化」など様々なスローガンがあなたの会社でも掲げられているはずだ。

しかし、どの企業も社員管理マネジメントが上手くいっている訳ではない。7割以上の会社が、人手不足、社員の質に困っているのが現状だ。専門知識や高度なスキルを求められるマネジメントではないのに関わらずだ。

ではいったいその差は何であるのだろうか?

その原因は、「そもそも離職防止施策の実行者である管理職や現場の社員たちが本気で改善に取り組めている会社はほとんど存在しない」ことにある。

あなたの会社では「売上や営業・マーケティングの方が優先で人材管理の話は余裕が出てきてから…。」といって毎月の会議や話し合いのテーマは、業務手順や当月発生したクレームや要望に関する調整の話ばかりしていないだろうか?

「経営層や上司は、売上と同じレベルでこの課題を真剣に改善したいと考えている。」と社員が感じなければ、改善を成し遂げることは不可能だ。

このページでは、離職防止対策で成果を挙げるための手順を具体的に6つのポイントに絞っている。このページとこのページからリンクしている6つの内容を順番通りに見て行ってもらえれば、必ず成果が出るので、是非実践してもらえれば幸いだ。

1.離職防止において最も成果を発揮するソリューションとは何か?

まず皆さんが興味があるのは、どの様な活動をすればいいのか?の具体的な行動例であると思う。

他の記事でもご紹介しているが下記の表は、エン・ジャパンが人事221人へ実施したアンケートの集計結果だ。この表を見てもわかるように多くの方が少し考えれば思いつくようなものばかりで、別に目新しいものはない。

引用:https://partners.en-japan.com/enquetereport/old/096/

先に述べておくと、上記の内、パーセントが低いものであっても上手く運用すれば、必ず成果を出せる。上記の施策の内、効果にそれほどの差はないと断言してもいい。

では、一体何が離職防止策におけるポイントとなるのか?それをこれからご説明していく事にしたい。

1.1 離職防止策の成果を決めるのは社員を動かす仕組み

ではそもそもマネジメントにおける基本的な流れをみていこう。マネジメントで成果を出すには以下の手順で進めていく必要がある。

マネジメントにおける4つのステージ

  1. 行為者の決定:誰が実際に現場でアクションを行うのかを決める。
  2. 実行の確認:行為者が実際に行動をしているのをどうやって確認手段を確立する。
  3. 評価方法の策定:行為者の成果が上手くいったのか?失敗したのかを評価する。
  4. 成果評価:その成果に関しての評価を伝え、次回行動の改善を促す。

上記の内どれかが欠けてしまえば、それを誰がするのかも不明確で、制度やルールを決めても、誰も運用しないし守らない。成果が分からなければ、それが上手くいったのか?上手くいっていないのかさえ分からない。そして、評価されないのであれば、無駄な努力になってしまうので、売上を上げる行動ことにしか興味を持ってもらえなくなるという循環に陥る。

つまり、Rableで行っているリテンションマネジメントの手順は、売上やマーケティングと同様に上記の4手順に従い、「社員に離職防止を徹底させる」仕組みを作り上げる事を指す。

つまり、一番大事なのは、改善ノウハウでも、テクニックでも、専門知識でもない。決定した制度やルールを徹底して現場で実施させる従業員コントロールの方法を身につける事だ。

どんなにいいアイデアや制度も社員たちにきちんと運用して貰えなければその実力を発揮することはない。

2.離職防止対策における6つのポイント

ではこれから実際に私たちが徹底して行っている社員たちに本気で離職対策に取り組まさせる仕組み作りにおける6つのポイントを紹介していこう。

2.1 成果を正しく判断する為の基本的な数値を作り上げよう

まず最初にしなければいけないのは成果を正しく判断する為の数値を作り上げる事だ。一番わかりやすいのが売上だ。

例を挙げよう。「本年度の売上は前年より10%減で、これで3年連続減収となる。」このような言葉を聞いたら社員たちはどう思うだろうか?「誰もがこのままではダメだ。何とかして改善しないと!!」と思うはずだ。

そこで以下のような数値を使おう。

上記の表を使えば、複数年で自社の人材状況を正しく知る事が出来る。そうすれば、「年々、人材の人数に関して何%上昇、あるいは減少」という売上と同じように自社の人員状況を把握できるようになる。

そしてこの表と併せて以下の表も見て欲しい。

最初の表で人材が増えている場合であっても、単に大量採用しているだけで人員の埋め合わせをしているだけかもしれない。その場合は、採用や教育にかなりのコストを投じている可能性があり、人件費が悪化している危険性がある。

そこで採用人数と離職人数の比率をみることで、人材投資効率が悪化していないか?を確認することが出来る。

この会社全体の人材状況を把握するための、より詳細な手順は以下の記事で解説しているので詳しい内容はそちらで確認するようにしてほしい。

2.2 意識を誘導して全社員で共通の課題認識を作り上げよう

会社全体で「人材に関する問題が深刻だ」と言う共通認識を作り上げることが出来れば、次は社員たちの思考が誘導する段階に移ろう。

基本的に課題解決は以下のプロセスで行われる。

改善行動の4つのプロセス

  1. 課題具体例:こういうことがありました。
  2. 原因帰属:それはこういうことが問題なのかもしれない。
  3. 課題解決の提案:その課題には○○の方法が効果的だと思います。
  4. 課題解決の実行:ではその施策に取り組もう。

改善や改良と言うのは、何かの問題がそこに合って、それに合う改善方法を考え、実施する。逆に言うと、それぞれの社員がバラバラの課題意識を持ってしまえば、足並みは揃わないし、一貫性を持った行動をすることは出来ない。

誰もが「同じ認識を持って、同じ課題に向けて解決していこう。」という思考の誘導をしていかねばならない。

そこで私たちが使っているのが以下の離職者の内訳データだ。下記の表は、それぞれの勤続年数を基に社員を4つのグループにカテゴリ分けして集計した結果だ。

各グループの定義については私たちは以下のものとしている。


グラフ15. 勤続年数グループ別離職比

上記の様な離職者の内訳データを見れば、どの層の社員が離職していることが課題で、その社員を辞めさせないためには、どういったことに取り組んでいく必要があるのか?と言う課題認識を意図的に誘導することが可能になる。

共通の課題を共有できれば、それに対する改善策は自ずと絞られてくる。すると、社員全体で同じ問題意識を持って足並みを揃えた取り組みを実行しやすくなる。

離職対策に関する課題意識の誘導手順は以下の記事で詳しく解説しているので、そちらを参考するようにしてほしい。

 

2.3 離職防止研修などで気を付けなければならない成果の質

社員同士で共通の課題認識が共有でき、具体的な改善案が出されても、それが上手く運用されるとは限らない。その理由は「離職数が減ればいい」という見た目上の数値の改善に捉われてしまうケースが存在する為だ。

私たちは社員を以下の5つに区分している。その理由は、離職された時の会社の損失は離職した社員が誰があるかで大きく変わってしまうためだ。離職防止研修を行い、面談や丁寧な部下指導を心がけても、それが部下を甘やかすだけの結果に終わってしまったり、職場がだらだらする結果になってしまっては意味がない。

大事なのは、真面目に働いてくれる社員や優秀な社員の育成・囲い込みが成功しているかどうかという成果意識を忘れない事だ。

離職対策はあくまでマネジメントの一環であり、自社にとって売上や生産力を高めることにつながっていないといけない。

Rableでは、以下の5つのグループに関して以下の定義としている。

この表は、以下の記事で詳しく紹介しており、自社の人的資源を優先順位をつけて管理する方法を解説している。

表21.属性別離職人数

そこで私たちは上記の様に成果の質をしっかりと把握できるように、上記の表を活用している。上記の表で【コア社員・エース社員・標準社員】は離職させてはダメだが、【わけあり社員・問題社員】の離職は別にかまわない。という切り分けを行っている。

そうすることで、部下を甘やかし、見かけ上の数値改善を防ぐことを目的としたいからだ。

真面目に部下育成に取り組み、怒る時はしっかりと怒り、その後で部下のフォローを行う。そのような管理をさせるために、成果の質をコントロールする対策を行う事が必要となる。

成果の質のコントロール方法は以下の記事で説明しているので、そちらを参照してほしい。

2.4 若手・新入社員の離職防止成果を採用活動に反映して計画を調整しよう

若手・新入社員の離職が減り、定着人数が増えれば、当然のことながら採用計画にも影響する。今までよりも社員数が増えやすくなるのだから、例年の採用人数が少なくて済むようになる。

以下の表はそれぞれの人数増減に関する簡単な表だが、基本的に採用はどこかの部署の人手が足りなくなったり、追加人員が欲しいから「今年は合計何人の採用をしよう」と考える。

 

 

 

しかし、その人員追加は離職人数に大きく左右される。離職が発生するから人員不足が起きる訳で、離職が少なくなればなるほど、追加人員は少なくなる。

つまり、離職率は下がれば下がるほど、長期的に見れば、かなり大きな効果を会社にもたらす。次年度の採用人数は少なくて済み、再来年度の採用人数はもっと少なくて済む。人材のアウトが減れば、人材のインはより少量で足りるからだ。

コストを削減するという観点から見ても、離職防止策と言うのはかなりのコスト効果を自社にもたらしてくれる。

離職率と採用計画の連動方法に関しては以下の記事で詳しく説明している。

2.5 離職率データを使って現場の行動を引き出そう

ここまではあくまでデータの分析・活用に関するいわばプランニング(計画)の話だ。上述したように、どんな優れた計画・制度・ルールも現場に活用して貰えなければ意味がない。

ここからは特に現場での実行力に比重をおいた手順を解説する事にしたい。以下の内容は他の記事を引用したものとなっている。

採用者別のコミュニケーションの壁を取り除くためのアイデア

  • アルバイトの定着率が3年後は、40%台となっている。各社員は「所詮アルバイト」や「辞めたら他の人が入ってくる」などの意識を改革する必要がある。そのために、アルバイトと正社員の双方に、自分に足りていないこと!や、これから取り組みたいこと!を会話させ、コミュニケーションを活性させるようにし、目標を60%に定めよう。実際に、意外にもアルバイトは正社員の足りない部分を理解していることが多いので、非常に有効な方法だ。

  • 正社員の新人離職率が高いために、アルバイト頼りの経営になっている。そのためには、正社員と店長の壁を取り除く必要がある。正社員と店長が一緒に協力して、新人の育成方針を決定していこう。新人定着率80%にまで引き上げるために、双方のコミュニケーションを活性させる報告書や指導履歴確認書などを作ろう!このように、一緒に、どうすれば新入社員を早く育成できるのか悩ませるという方法も有効だ。

離職データは単に経営分析のために使うのではなく、そのデータを現場の社員たちに見せることで、「自分たちの普段の行動がデータに出てしまっている」という意識を与えることが出来る。

そうすると自然に「自分たちのやり方を変えないと」といった意識変化を生み出すことが可能となる。

またそれは店舗別の管理や部署毎の文化ややり方を変える時も効果的に働く。

上記の表は店舗別の数値を出したものだが、数値によって成果の差別化を行うことによって、「〇〇店舗はいい。悪い。」が明確に作り出すことは、「ウチの店舗の離職率が悪い。このままではマズイ!」という意識を与えることができる。

離職データを現場にフィードバックし、改善につなげる方法は以下の記事で詳しく解説している。

2.6 離職率データと人事評価を連動させてマネジメントを一生懸命行う社風を作り上げよう

最後に、内部管理・人材管理を会社に浸透させ、継続した取り組みにするためには、仕組みとして自社の中に落とし込んでいかねばならない。その最終形態が、人事評価の観点の1つとして評価項目の中に取り入れる事だ。

以下の表を見て欲しい。

上記の表とグラフは、各責任者が管理している人数と、その内の何名が離職したのか?を集計したデータとなる。このデータを作成しておけば、どの責任者も「離職率を下げなければいけない」という意識を強く持つようになる。

なぜなら、数値があることで、自分の管理責任が明確になるからだ。別にこの数値は、給与や査定に反映しなくとも、管理職たちに数値を公表するだけで効果がある。

「この数値は自身の管理評価に入っているかもしれない」という意識を植え付けるだけでも十分だ。

なぜなら、「このデータは社長も人事も見ている訳で、この状況はヤバい。」と数値を見ただけで想像をめぐらせ、改善の必要性があることを感じるからだ。

上記の表の他に、以下の表を合わせて用意すれば、その成果の質を評価することもできる。

上記のデータは、それぞれの社員属性別の人数の増減に関する数値だ。

この表を見れば、どの管理者が熱心に人材マネジメントに取り組み、社内の人材の質を高める事に貢献しているかがわかるようになる。

上記のデータは、ダントツで高橋部長が人材育成に貢献し、田中部長は単なる作業員を集めるだけで、優秀な社員を手放していることが分かる。

離職データを人事評価に取り入れ仕組み化する方法は以下の記事で解説している。

まとめ“何をするか?“よりもどうやって社員たちを”本気にさせるか?“の方が大事!!

ここまで離職対策で成果を挙げる方法について解説してきたが、それをまとめるとテクニックや施策内容よりも従業員の行動や考えをどうやって誘導するか?という事だけに集約される。

元も子もないと思われるかもしれないが、どんな陳腐な企画やアイデアであっても、それが「社員の不満を絶対なくしたい」、「部下が上司を信頼し、頑張りたいと思える職場」と言う信念の元で、全力で取り組めてさえいれば、離職率は必ず下がるし、社員たちは少々給料や待遇が悪くても、熱心に働いてくれるようになる。

精神論になるかもしれないが、自分に対して一生懸命になってくれているのであれば、それに報いたいと思うのが、人間であるからだ。

大事なのは、中身ではなく、自社で「絶対に離職者を減らす。」という共通認識が全社員でできているかどうかだけだ。大手であっても、中小企業であってもそこに変わりはない。

金をかけさえすれば上手くいくなんてことは絶対にないし、この施策をすれば上手くいくなんて絶対唯一の完璧なマネジメントなんてものは存在しない。

だからこそ、社員たちの問題意識をいかにコントロールし、「絶対に改善する」と言う意欲を引き出せるか?が重要になってくる。テクニックや他社の成功事例に翻弄されず、社員の足並みを揃え、上手くいくまで何度失敗してもやり遂げる。

そういった実際の現場での改善行動を誘導する・刺激する仕組みを作り上げない事には、どんな施策を考えようが、現場で有効に利用されることはない。

そのことは、逆に言えば、どんな陳腐なアイデアや些細な行動であっても、社員たちを思う行動であれば必ず成果が出る事を表している。

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