離職率

離職防止対策で成果をだすための9手順と面談内容の決め方

離職防止施策は、大規模な投資やコストを必要とせず、中小企業でも劇的な成果を生み出し、人材の質を高める事の出来る手段として注目を集めている。その理由は、離職防止策は、専門知識を必要とせず、どの企業でもとっつきやすいテーマであるからだ。

そういった特性から「離職者を減らそう。」や「誰もが働きやすい環境作り」、「きめ細かな部下管理・育成」、他には「社内コミュニケーションの活性化」など様々なスローガンがあなたの会社でも掲げられているはずだ。

しかし、どの企業も社員管理マネジメントが上手くいっている訳ではない。7割以上の会社が、人手不足、社員の質に困っているのが現状だ。専門知識や高度なスキルを求められるマネジメントではないのに関わらずだ。

ではいったいその差は何であるのだろうか?

その原因は、「そもそも離職防止施策の実行者である管理職や現場の社員たちが本気で改善に取り組めている会社はほとんど存在しない」ことにある。

あなたの会社では「売上や営業・マーケティングの方が優先で人材管理の話は余裕が出てきてから…。」といって毎月の会議や話し合いのテーマは、業務手順や当月発生したクレームや要望に関する調整の話ばかりしていないだろうか?

「経営層や上司は、売上と同じレベルでこの課題を真剣に改善したいと考えている。」と社員が感じなければ、改善を成し遂げることは不可能だ。

このページでは、離職防止対策で成果を挙げるための手順を具体的に6つのポイントに絞っている。このページとこのページからリンクしている6つの内容を順番通りに見て行ってもらえれば、必ず成果が出るので、是非実践してもらえれば幸いだ。また面談でどのようなテーマで話すことが良いのか?というコンテンツの決定方法も併せてご紹介する。

また離職対策を検討する上で大事になってくるのが離職対策の費用対効果だ。顧客サービスの改善と異なり、職場改善はコスト負担だけが発生する。と考えている経営者・管理者は非常に多い。しかし、そんなことは決してない。離職率の改善は人件費率・利益率の改善にもつながる。その根拠は以下の記事で紹介しているので離職対策の実施に踏み切れない、効果を疑っている人は是非1度目を通してみて欲しい。

1.離職防止に効果的な取り組み一覧

まず皆さんが興味があるのは、離職防止の方法にはどのようなものがあるの?という具体的な行動例であると思う。

他の記事でもご紹介しているが下記の表は、エン・ジャパンが人事221人へ実施したアンケートの集計結果だ。この表を見てもわかるように多くの方が少し考えれば思いつくようなものばかりで、別に目新しいものはない。

引用:https://partners.en-japan.com/enquetereport/old/096/

先に述べておくと、上記の内、パーセントが低いものであっても上手く運用すれば、必ず成果を出せる。上記の施策の内、効果にそれほどの差はないと断言してもいい。

では、一体何が離職防止策におけるポイントとなるのか?それをこれからご説明していく事にしたい。

2. 離職防止対策で必須といってもいい従業員アンケート

離職防止対策で成果をだすためには、まず離職につながっている原因を特定しなければいけない。どれだけコストをかけて取り組んでも、それが求められていないものであれば効果は全く出ない所か「無駄な投資をしただけ」に終わってしまう。そうならないためにも、離職防止策を検討する前に、従業員アンケートをとってみることをおすすめする。

2.1 新入社員の離職防止原因を特定する為のアンケート手順とおすすめ項目

私たちは離職防止におけるアンケートテンプレートとして2つのモノを使い分けている。それは「新人社員用」と「その他の社員用」だ。その理由は、入社時は会社に対して不満を抱くよりも、職場や業務に対する不安の方が大きいと考えるからだ。

「職場に馴染めるだろうか?」、「これから始める業務が自分の性格や能力に合ったものだろうか?」、「自分が面白いと感じる仕事なのだろうか?」など様々な不安を抱えながら新人社員は入社してくる。

そして入社後、不安が的中し、「これからこの会社でやっていける自信がない」と判断すれば早期離職が発生する。つまり、入社3年以内の離職率と入社3年以上の離職率の原因は全く異なっていることの方がずっと多い。それが私たちが2つのテンプレートを使い分けている理由だ。

ではこれから具体的にそのやり方を説明する。

2.1.1 新入社員が抱える会社に対する不安を聞き出すのに最適なおすすめ10項目

以下の項目は、別にアンケートとして実施してもいいし、面談によってヒアリングしてもいい。アンケートの場合、10個目の項目は「特に不安はない」という項目に差し替えてもらえればOKだ。

新入社員の不安要因10項目のリスト
1 職場の人たちとの人間関係が不安
2 良い上司の元で働けるか不安
3 業務内容を覚えられるか不安
4 希望している部署に配属されるか不安
5 役職が上がると残業が増えないか不安
6 将来的にどれだけ給料が上がるのかわからず不安
7 身体が疲れるので続けられるか不安
8 急に休みが欲しくても取れ無さそうで不安
9 遅い時間まで働く必要がありそうで不安
10 本音は聞き出せなかった

2.1.2 ヒアリング・アンケートデータの入力方法

実施したアンケート・ヒアリングデータから効果的な離職対策を考える為に必要な準備としては氏名・入社日・退社日・アンケート結果の4つのセルがあれば必要最低限の準備は整う。

氏名 入社日 退社日 アンケート結果

アンケート結果のセルには、上記における番号で入力するだけでOKだ。上記の4つの情報があれば、以下のようなグラフ・表を作成することが可能になる。

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他の社員に対するアンケート項目は、私たちが現在公開している無料エクセルテンプレートに同梱されているので是非ダウンロードして頂き、参考にしてください。また当記事で解説している表やグラフを自動で作成する関数が入力されているので、ノウハウがない方でもご利用いただけます。是非、貴社の離職改善にご活用ください。

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事業を拡大するために、さまざまなデータが必要となります。当RABLE研究所では、離職率の改善を最初のステップとして、データ根拠のある事業の拡大メソッドをブログでお伝えしています。様々な無料ツールも用意しています。

2.2  離職率の改善に直結する項目だけに絞り込む

アンケート・ヒアリングデータを入力出来れば、離職に直接つながっている項目の選定作業に移ろう。不安や不満要因は社員によってバラバラだが、離職している社員のデータと離職していない社員のデータとかけあわせることで、その不安が離職につながっているかどうかと紐づけることが可能となる。

上記の表は離職人数の発生順に並び替えたものだ。

そして私たちは、その回答をした人物の離職発生確率を合わせて表示するようにしている。そうすることで、何のの不満に対して取り組まなければいけないか?という重要をわけることが大切であるからだ。

2.3  実際の離職データを基に最適解となる防止施策・面談を実施しよう

実際の離職につながっている原因を特定化することができれば、あとはその原因に対して、どの様な制度やフォローが効果的か?を考え、企画

を実施してみたり、その内容に対する面談を行おう。

面談や企画をする上で心がけることは「何か問題がないか?」や「要望を教えてくれ」という受け身の姿勢では絶対に駄目であるという事を理解しておくことだ。退職面談が成功しない4つの原因とRABLE式のシンプルな解決方法の記事でもお伝えしているように、「辞めようと思っている社員が本音で話す」という事は決してない。

「こういう事で悩んでいないか?」、「○○に対する不満を感じていると思うんだが、、、」と具体的なテーマで話さない限り、面談は効果的に機能しない。

具体的な話題を面談で振っていくためにも、予めアンケートやヒアリングでその社員が抱えている不満をリストアップしていくことが必要となるわけだ。

3.離職を低下させるにはニーズの細分化が必要不可欠

さてここまで新人社員の離職に直結する原因を選定した訳だが、不満や不安と言うのは、現在自分が任されている職務内容や職場での立ち位置によって変わる。作業員側と管理職側で対立が発生するのは、お互い見ている視点が違ってくるからだ。

その方法には2つのやり方が存在する。

3.1  勤続年数ごとに効果的な離職率軽減策を検討する方法

まず1つ目の切り口が勤続年数別に離職につながっている不満理由をリストアップする方法だ。私たちは、勤続年数別に社員を4つの段階に区分している。

未成熟層 まだまだ1人前には仕事が出来ない。全ての業務を把握するまでに至らず、ミスなどもありフォローが必要な期間
新人層 業務の全般を理解しているため1人前には仕事が出来るが、イレギュラーな場面での対応などの経験が必要な期間
中堅層 会社の方針を充分に理解しており、イレギュラー対応も可能な経験と知識がある。会社の中心として働いてくれる期間
ベテラン層 さまざまな経験を経て、社内の仕組みを考えるだけではなく、実行までできる。中堅社員への教育や指導もできる期間

この区分ごとに離職理由を整理したものが以下のものとなる。

離職対策で効果を出す為に重要になってくるのが誰の悩みを解決するのか?という課題の落とし込みをすることだ。誰にも共通する悩みというのは存在しない。

自社の離職率の内訳をしっかりと理解し、その上で優先度をつけ、まずどの層の離職から対策していくか?という優先度をつければつけるほど、より具体的な企画や面談が実施できるようになる。

優先度順にどの社員の離職から対策するか?その層の社員の離職につながっている理由は何か?その理由に対応する防止策はどのような物が考えられるか?といったように、課題の絞り込みがより細かく出来ればできるほど、成果は出やすくなる。

離職者の内訳を細分化し、自社の離職率を正しく客観的に評価する方法は以下の記事でご紹介しています。当記事と併せてご覧になることで理解がより進みます。

3.2  社員の能力ごとに対応する不満に対処する離職率低減策を考える方法

また第2の方法として、社員の能力別の不満をリストアップするという方法がある。上記のリンクの記事で詳しく説明しているが、私たちは能力別に社員を以下の5つのラベルに区分している。

その理由は、辞めて欲しい社員と辞めて欲しくない社員の離職は同じではないからだ。

私たちは、別に「全ての社員を離職させてはならない」と考えてはいない。会社に貢献してくれない社員の離職は逆に会社の生産性や人件費削減にプラスになるとさえ考えている。

離職で問題になるのは、真面目に取り組んでいる社員や優秀な社員が他社にとられてしまうことだ。それは今まで社員に与えてきた知識やノウハウ、経験、育成コストを自社が負担するだけして、今後得られる利益を他社にプレゼントしてしまうことを意味する。

上記の表の内、優先度が高いのはコア社員、エース社員、次いで標準社員の不満要因となる。問題社員やわけあり社員の不満は別に対処しなくていい。逆に対処しないでいれば、「離職が自然発生し、円満に人材の入れ替えが出来る」ということを意味するからだ。

4.実際に離職を下げるための自社マネジメントの運用ノウハウ

誰がどのような不安・不満を持っていて、どのような対処をすればいいか?が決まっても、現場の責任者が社員たちの気持ちを的確にとらえることが出来ていなければ、間違った方向に突き進んでしまう。

それはアンケートであれ、ヒアリングであれ同じだ。人間が質問やアンケートに答える以上、「仕事上の話」という本音と建前が混同することになる。

そこで私たちは、不安・不満理由に加え、現場管理者たちに社員たちの勤続モチベーションをA~Dでつけてもらえるようにしている。

具体的には、「この子はこれからも頑張ってくれる社員をA,この子はもう辞めるだろうなと思う社員をD」といったようにランク付けをしてもらっている。

4.1 自社(仕事)に対するモチベーションを可視化する

上記の表は、そうした現場責任者の評価データを基に、勤続年数別に仕事に対するモチベーションを可視化した表となる。そのデータから、私たちは実際の離職と紐付けし、現場管理職の部下に対する管理・観察能力を可視化するようにしている。

その理由は、「人間はこの問題はすぐに対処しないといけないと感じなければ動かない」と考えているからだ。いくら「部下管理をもっとするようにしろ」と指示を与えても、肝心の管理職が「大丈夫ですよ。問題ありません。」と感じていれば動かないと思っているからだ。

以下の表は、管理職がつけたA~Dの離職率と実際の離職率のギャップを分析したものとなる。

4.2 管理職の感覚で人材管理を辞めさせることを徹底しよう

あなたの会社でも実践して貰えれば実感してもらえると思うが、人間の感覚とは往々にして合わない。辞めないと思っていた社員が辞めたり、辞めると思っていた社員が予想外に頑張っていたり、所詮経験や勘と言うのはギャンブルの域を出ない。

上記の表であれば、A判定がB判定よりも離職発生確率が多かったりとした場合は、現場管理職の部下管理がズレているという事になるし、アンケートでの総合結果を入力している場合であれば、そのアンケートは、本音ではなく建て前を聞いていることになる。

間違った要望を改善する為の企画や面談を実施しても成果が見込めないのは当たり前のことだ。

4.3 離職防止アンケートでは精度の高さが一番重要

なぜここまでデータの精度について私たちがこだわる理由は、「人は建前を話す生き物」であるという前提があるからだ。そしてそれが仕事関係であればなおさらだ。

特に人材管理・人材育成というのは、人間の感覚や感情が大きく入り込む成果を出すことが難しいテーマの1つだ。成果が出ていないのに上手くいっていると錯覚したり、成果が出ているのに成果が出ないと勘違いして行動を止めてしまう。という事がどこの会社でも起きてしまう。

だからこそ、感覚や経験に頼ったり、ヒアリング(面談)結果を鵜呑みにせず、社員たちが思っている”本当のコト”を抜き出せるマネジメント力が重要になってくる。

脚注:無料ツールでは誰でも実践できることを重視し、管理職の方々にA~Dのランク付けをしてもらうようにしていますが、私たちが提供しているリサーチサービスではリサーチデータを基にA~Dを計算式で排出しています。その精度は高く予測発生確率の誤差は5%以内に収まり、多くても10%程度になります。

まとめ.一番難しいのはいつだって人間心理

例えばお客様の声が正しくわかっていればどうだろうか?ビジネスは今までより簡単になるはずだ。なぜなら、いくらの商品で、どの様な商品ラインナップならば買う、リピーターになる。という勝利の方程式がわかっていれば、「じゃあそれをしよう」と改善案なんて考える必要すらない。

しかし、現実はそうはいかない。お客様の本当の気持ちなんか誰にもわからない。だから購入数やリピータ率と言う結果論で「これはお客様のニーズにあったんだろうな」と後付けで理屈を考える。

それは内部管理、部下育成・管理にもあてはまる。

  • 管理職たちは部下の要望や不満、気持ちを的確に把握できているだろうか?
  • 部下の気持ちとはズレた行動や1人よがりな判断をしていないだろうか?
  • 自分の判断は正しいといって、自分勝手な行動をする管理職はいないだろうか?

それほどまでに持論や経験なんてものは当てにならない。上手くいったとしても、それはたまたま状況や条件が一致した奇跡にしか過ぎない。

しかし、本音を抜き出すためのテクニック・ノウハウという物は磨けば磨くほど高まっていく。それはマネジメントという確固たる知識財産であるからだ。マネジメントの本質は正しいデータを手に入れ、愚直なまでに客観的に行動することだ。

だからこそ、是非あなたも部下たちは社員たちはどのような不安・不満を持っているのか?優秀な社員が持ちやすい不満は何か?一般的な社員と衝突する部分は?逆に新人であれば?などに疑問を持ち、どうすればその気持ちを客観的かつ中立的に手に入れることが出来るのか?について徹底的にこだわって欲しい。

自分(会社)に求めていることさえわかっていれば、誰だって簡単に成果を出せるのだから。

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