離職マネジメント

人材マネジメントの基本は出口対策!離職率と成長する企業の関係性

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人材マネジメントという言葉を検索すると、基本的な用語説明や実際に何から始めれば良いのかわからない。と混乱するような記事が多い。

しかし、人材マネジメントは企業を成長させるために必要な考え方であり、中小企業こそ考えるべき内容である。

当記事では、経営学の理論も含めて説明するが、誰もが取り組むべき一番最初の課題を明確にすることをお伝えしたいと思う。

企業拡大のための最終ゴールは、組織を優秀な人材で溢れるようにし、全ての社員が目標を持って働くことにある。

あなたが、社内には優秀な人材がいないと嘆き、「売上を上げようと思えば簡単に売上を上げられるはずなのに、どうして、そんなことも出来ないんだ!」と、従業員に憤りを感じているならば、とても参考になるだろう。

実はこのような状況になる会社にはある共通点が存在している。この問題を放置して経営を続けていると、徐々に売上が下がり続け、止めることができなくなるかもしれない。

本日の記事は、売上低迷や売上の伸び悩みに困っている人への多くのヒントを含んでいる内容であると自負している。ぜひ参考にしていただきたい。

1.【脱売り上げ不振】サイボウズに学ぶ人材マネジメント

1-1. 短期的な改善。

まず初めに断わっておくが、売上不振とはいっても、全ての月が赤字であったり、昨年対比の売上を割り込んでいる企業は私の経験上あまり見かけない。

売上不振に悩む会社に良くみられること

  • 特定の部署や店舗は好調だが、1年を通して見てみると全体の売上が下降している。
  • マネージャーに危機意識を持たせ、直近2,3ヵ月はやる気で売上が回復を見せるもののしばらくすると元に戻ってしまう。
  • しばらく好調だった部署が、優秀な人材が抜けてからガタガタになった。
  • 売上が急に乱高下することはあまりないが、じわじわ落ちてきている。

このような問題意識を抱えていれば、「力をいれて取り組めば売上を改善できる。」という感覚を持ってしまっていないだろうか。

危機意識を持って、がむしゃらに取り組むとどんな企業であれ、多少は売上が伸びる。しかし、誰もがその時点で「これで一安心だ。」と現状に満足してしまう。短期的な改善で一喜一憂してしまえば、根本的な改善が達成されない。

1-2. 短期的な改善では人材マネジメントが成功したとは言えない

短期的な改善で満足していると、上記のグラフの様になることがとても多い。なぜなら、売上課題は改善されたと思い、会議でのテーマが他の経営課題に関心が移ってしまうからだ。

徐々に売上が元に戻っていき、最終的には昨年比・昨年月比を割る様になってしまう。そして次年度の今頃にまた同じ内容の会議が開かれ、毎年毎年同じことを繰り返す“堂々巡りの経営“になってしまうのだ。

結局、1年を通したトータルの収支を決算表で見てみると、昨年総売上を割ることになることさえだってある。ところが、現場に話を聞いても、「目標達成できた月もありますし、なんとかできますよ。」と根本的な解決は進まない。そしてじわじわ真綿で首を絞められるように利益が減少していく。

このため、問題の根本はどこにあるのかわからなくなってしまうのだ。

また別の切り口から以下の記事では、離職率と売上低迷の原因について丁寧に考察している。当記事と併せてじっくり読んでもらえれば、この問題をより具体的にイメージできるはずだ。

売上不振に悩む多くの会社では、短期的な改善は達成できても、長期的な成長までには至っていない。そこでまず売上を上げ続ける会社の持続的成長へのヒントをサイボウズの例から見ていこう。

1-3. サイボウズは離職率を低下させることに取り組んだ

上記のデータは、サイボウズの社長である青野慶久氏が執筆している“noteブログ”に掲載されている売上と離職の関係性に関するデータだ。このデータをこれから詳しくみていこう。

1-4. 離職率28%を改善する人材マネメントを実現

サイボウズはWEB・IT関係の会社であり、元々の離職率は28%もあった。つまり、優秀な人材が退職する傾向の強い人材流動性が高い会社だった。

下のグラフは厚生労働省HPの「平成25年雇用動向調査結果の概況」を参考に作成したものだ。

人手不足の業界

このグラフを見れば、サイボウズが業界の中からみても、宿泊や飲食業界と同等の高い離職率に悩んでいた会社であることがわかるだろう。つまり、サイボウズは人材マネジメントに元々力を入れていたわけではないことは明らかだ。

しかしこのことは、離職率が高い業界であっても、達成することが可能であることを示してくれている。

2.人材マネジメントの基本は出口戦略!

ではこれから売上不振の原因と離職率の関係性を上記のグラフを見ながら丁寧に見て行こう。自分の会社状況と照らし合わせて考えれば、必ず成功へのヒントが見えるはずだ。

組織が成長する4段階のステージにおける課題から、あなたの会社に必要な人材マネジメントを理解しよう。

2-1. 売上拡大時期は人材の振り分け時期

どの企業であっても、しっかりとした会議を行い、全てのマネージャーが「絶対に売上を上げよう」と一丸になって売上改善に取り組めば、必ず何らかの成果は得ることが出来る。この段階では規模が小さいので、意思決定をすばやく具体的に実行できる。

この段階では、業務のオペレーションやサービス内容は整理されていないが、顧客からのニーズは高まり、リピート率・顧客単価が向上し、利益体質が良くなっていく。常にクリエイティブな業務に挑戦している気持ちが高いため職場全体の生産性はMAXまで高まる。

この段階では、業務内容やオペレーションが確立していないので、自らやりたいことがある社員しか残ることが出来ない。

いわゆる、どのような人材が必要であるのか?ということを振り分けられる段階と考えても良いだろう。

2-2. 人材補充・規模拡大時期は頭数を揃える時期

売上がどんどん伸び、職場の稼働率が100%の限界に達するようになると、今のままの人員数だけではこれ以上の売上が見込めなくなる。そこで社内に「人員を増やし売上向上を目指そう」という意見が出てくるようになる。

しかし、人員を採用しても、教育システムが十分でなかったり、部下に対する的確な仕事の割振りが出来ない職場では、特定の社員だけが忙しく、仕事のできない社員が目立つようになる。すると、職場の人間関係は不満が高まってしまう。

また日常業務に加えて、指導業務・部下への業務割振りや顧客対応などあまりにも過負荷な仕事が中間管理職であるマネージャーにのしかかる。

するとこれまでの好調期とは打って変わり、職場の生産性はどんどん低下していくようになる。またサービスの質も社員の能力により、バラバラなものになり、顧客からのクレームの増加、リピート離れが発生し、売上の低下・コストの増加など様々な経営課題が多発する。

上記の図は経営学で言われる成長曲線とよばれるものだ。この成長曲線では、次のステージに行くためには必ず停滞期をのりこえなければいけない。それがいわゆる成長の壁と呼ばれるものだ。

会社が上手くいっているときは、顧客に満足してもらえる事だけを考え、サービス価値を高めるだけで上手くいく。しかし、会社の規模が大きくなると、自社の社員を管理するマネジメント力を高めることなしに、次のステージに到達することは出来ない。

つまり、顧客を増やすことや顧客単価を上げること、新しい商品を作ることなど、会社の売上だけを目標に仕事していては、次のステージに上がることが出来ないということだ。

2-3. 離職の増加による売上低迷時期

この段階で離職率を測定しているかどうか?ということが重要となる。

単純に考えて、離職率が高いということは、従業員は不満を感じている状態にある。そのような心理状態で、売上を上げろ!と上層部から指示が出ても、上がるわけがないのだ。

離職者の人数が増えていくと、次第に会社は人材教育への投資をおろそかにするようになっていく。なぜなら、教育に時間をかけてもやめられてしまうからだ。すると、ろくな教育も施さずに、現場に投入したり、即戦力の中途採用ばかりに投資することが目立つようになる。

しかし、教育にコストを投資しないという事は、それ以上、会社が成長する見込みはないことを意味する。また、離職率を鑑みない雑な人材マネジメントはサービス価値を低下させ、顧客離れを引き起こす大きな原因になる。

その理由を、人材の成長と組織の成長という視点から説明する。

社員の成長から自社ノウハウ蓄積へのステップ

自社のノウハウを蓄積するために必要なのは、なによりもまず1人の社員が“成功と失敗の積み重ね“を体験することだ。
業務での失敗を通じて、「今回はココがダメだった。次はこうしよう。」という課題が見つかり、それを複数回繰り返せば「○○をすれば上手くいく。みんなにもやらせよう。」という会社ノウハウへと昇華されていく。

しかし、1人の社員に独自ノウハウを獲得してもらうためには、ある程度の期間を必要とする。なぜなら、その成功体験を得るまでに、かなりの試行回数と失敗を経なければいけないからだ。そのため、ノウハウを習得する前に、会社を辞められてしまえば、また新たな社員が同じ失敗を繰り返さなければいけないので、成功体験までの進捗がリセットされてしまう。

そういった理由から離職率が高くなると、売上は低迷し、横ばいになるか、ゆるやかに低下していくようになるのだ。

あなたの会社で離職率を出していない場合は、以下の記事はとても参考になるだろう。
入社日と退社日を入力するだけで、離職率の経年変化を確認することが出来る。

2-4. 人材マネジメント取り組み時期

このような状況になって初めて会社は離職対策と言う人材マネジメントの必要性を強く意識するようになるのだが、何をどうやって取り組めばいいかわからない企業が大多数を占めている。

ここで、離職率にもう一度目を向けて欲しい。それは、従業員が不満を感じていることになるからだ。

多くの企業では、従業員の不満を解消するために、給与や待遇を改善するために、手当てや休日を増やすことを考えるのだが、実際に従業員はそのようなことだけを不満に思っているわけではない。

以下の記事で紹介しているが、従業員の不満は上司や経営者の仕事の仕方や人間関係で悩んでいることがほとんだ。

私たちのクライアント事例でも、経営幹部が気にしているのはエンドユーザーからの評価だけである場合が多い。

そのため、従業員がどのような不満を持っていて、どうすれば不満を解消できるのか?ということを具体的に理解できていない。

その結果、「従業員の不満は給料だろう。」と、勝手に決めつけ、簡単なヒヤリングだけで不満要素を特定しようとする傾向にある。

そのような、拙い人材マネジメントでは、成果を上げることが出来ないばかりか、現場からすれば、「私たちの不満に向き合うことなく、勝手に解決した気分になられても…」という心理となり、建設的な会話すらできない状態となってしまうのだ。

人材マネジメントをする際には、必ず具体的な不満を引き出すために、覚悟を持って挑んで欲しい。

サイボウズの例では「絶対に全ての社員の不満を聞くことから逃げない!それらの不満を解消し、働きやすい職場を作り上げるための社内制度を作り上げ、誰もが社内制度を利用できるように、運用についても徹底的に考えて取り組む。」という強い意思が記事にも表れている。

会社が一丸となって取り組んで初めて、離職率が低下し、会社に技術やノウハウの蓄積がなされることによって、売上向上が達成されるのだ。

3. 会社を持続的に成長させるための人材マネジメントとは?

本質的なことになるが「優秀な人材が不足している。」と考えて、採用強化を図るために求人広告に投資することで人材不足を解消できるものではない。

そのような入口の対策ではなく、離職率の改善や、従業員の不満を解消する。という出口の戦略を考えなければいけない。

「離職率が高いんです。」という声を多くの企業様から頂くが、そのほとんどの企業はその問題を会議に挙げるだけで「各部署で離職率を下げるように努力してください。」と通達をするだけにとどまっている。

それでは上手くいくはずがない。あなたは自社の社員の気持ちについて、以下の6つの条件に照らし合わせて説明することが出来るだろうか?

会社の変革を達成するためには以下の6つの条件を理解しているか?

  1. 従業員はどのようなことに不満足な気持ちを持っているかを明確にできているか?
  2. そのためにどのような企画・制度に落とし込むという具体性があるか?
  3. 制度や仕組みを作るだけでなく、導入後の運用イメージを持てているか?
  4. そしてその仕組みは、費用対効果の高い現実的なものであるか?
  5. そのシステムを社内全体に波及していくという覚悟があるか?
  6. 実際に、改善結果を数値で確認できるような設計となっているか?

上記の6つのことを担当者が具体的にイメージできていなければ、制度やツールを企画することがそもそもできない。また他社の見よう見まねで導入したとしても、中身が伴っていないので、社内に広まらず、コストだけを浪費する結果となってしまうだろう。

4.まとめ

ここまでの流れを最後にまとめてみよう。

  1. 離職率についての数値データを取り、昨年対比での傾向に注目しなければならない!
  2. 離職率が高まってくれば、従業員が不満を抱えているということを理解しなければならない!
  3. 不満を解消し、働きやすい職場作りのために、先頭に立って組織を改革しなければならない!

従業員人数が増えれば増える程、会社の規模が大きくなればなるほど、顧客管理だけでなく、従業員を管理し、上手く回すことのできる人材マネジメントスキルが求められる。だからこそ、「現場はなぜ売上が上げることが出来ないだ!!さぼっているのか!!」と感じる人が多くなるのだ。

しかし、真の原因は、会社を拡大するためには、人材マネジメントが必要不可欠であるということである。

人材マネジメントの最初のステップは、離職率の改善に他ならない。

あなたの会社の従業員が、会社に対して不満を感じることなく、愛社精神を持って全力で仕事に取り組めるように、仕組みやマネジメントの在り方を考え直すチャンスとして、全力で取り組むようにしよう。

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コメント

  1. 松田 より:

    雛型が欲しくメルマガ登録しましたが
    ダウンロードできないのですが

    1. 浅田雅也 より:

      メルマガ登録が完了していないようです。
      お手数ですが、再度、メルマガ登録いただけますでしょうか?
      https://researchbased.org/lp/free-excle-template/

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