従業員満足度

すぐに実践できる社内アンケートで本音を引き出す3つのテクニック!

あなたの会社でも、従業員満足度調査や社内アンケートを実施しようという議題が持ち上がっているかもしれないが、従業員の本音を引き出すことが難しいと感じていないだろうか?

RABLEでも、ES業者に依頼したことのある会社や、社内アンケートを自社で実施した会社の双方から、結局、効果的なマネジメント施策につなげられなかった。というご相談が非常に多い。

アンケートを難しいと感じる原因は、多くの人が頭の中では、他の会社でもやっている重要な施策だと認識しつつも、本心ではアンケートを非科学的なものという気持ちを持っているからだろう。

そこで当記事では、よくあるアンケートテンプレートや選択肢の配置、導入文章のどこが間違っているのか?一般的なアンケートでは、なぜ経営層やマネージャーがその結果を見て、「このデータは信じられない」と思ってしまうのか?の理由をお伝えしていこうと思う。また、従業員満足度調査のサンプルも24項目分を紹介している。

アンケート作成にはきちんとした心理統計学というノウハウが存在し、マネジメントの改善によって業績を伸ばす組織心理・組織行動学におけるデータ収集の最もメジャーな手法だ。

当記事を最後までじっくりと読んでいただければ、一般的なアンケートやテンプレートのどこがダメなのか?そして、データを正しく抜きとるアンケートにするためには、どういった部分に注意すべきか?というノウハウを余すことなくお伝えする。

非常に実践的かつ、やればすぐにでも成果が出るものなので、ぜひ、この通りに実践してほしい。そうすれば、最終的に仕上がったデータを見て、「現場に対する印象がと同じだ。」という感覚を手にすることができるはずだ。

1.社内アンケートを実施するための基礎知識|心理バイアス

心理統計学では、アンケートの集計や分析をする際に、”そもそもこのデータは本当に本音(自分が現在抱いている感情を反映したもの)であるか?“という回答への有意性(回答者のおかれた状況や質問文の意図から実際にはそうしていないのに、正解と思われる選択肢を選ぶ)が入り込んでいないかを確認しなければいけない。

まずは、社内アンケートにおける低品質な例と高品質な例をご紹介しよう。

具体的にどこが違うのか?を詳しく解説していくので、あなたの会社で実施している社内アンケートと見比べていただきたい。まずは、専門用語をご紹介したいと思う。

1-1.本音がわからなくなる社内アンケートのサンプル

低品質な社内アンケートとは質問文を読んだ時、文章やその背景にある利害関係から、自分にはどういった回答が求められているのか?という正解を狙って回答することがある。それをバイアスやイエス・テンデンシ-と呼ぶ。

アンケートにいざ回答する際、あなたはどういった感情を抱くだろうか?

回答する瞬間にも価値観や性格の違いでそこには“無意識”が入り込んでいる。私はアルバイトだから、中堅社員だから、営業社員だから、リーダーだから、という立場が、私が選ぶべき回答はこれだ。と考える。

その思い込みと事実はイコール関係とは必ずしもならない。多くのアンケートでは、選択肢を従業員は選んでいるのではなく、選ばさせられている。

では、離職率を改善するために、従業員がどのような不満を抱えているのか調査した従業員満足度の一例を見てみよう。

社内アンケートの低品質なサンプル

※ このアンケートは、従業員の満足度を向上することを目的としており実施しています。

あなたの評価にも関わることがあるため、本音で回答してください。

アンケートの質問に対して、率直なご意見として回答してください。

Q1. 現在の仕事に、どの程度満足していますか?
かなり満足 やや満足 どちらでもない やや不満 かなり不満
Q2. 今後も現在の職場で働き続けたいと思いますか?
今後も働き続けたい まだ働き続けたい どちらでもない 将来は辞めると思う もう辞めたい

上記のようなアンケートを実施した場合、どのようなバイアスが働くのかを考えてみよう。
アンケート回答の際に発生する、様々なバイアスの一例


① 確証バイアス:
人事部や上司の望みや要望から選択肢を選んでしまうパターン

「この質問文は、人事部や上司が”満足している”を選ぶことを望んで作成していると感じる。
そのため、かなり満足という回答選択肢を選ぼう!」

② ソーシャルバイアス:
社会的な道徳や誰もがそうでありたいという選択肢を選んでしまうパターン

私もこうなりたいと思うから”楽しんでいる”や”目標がある”などのポジティブな選択肢を選ぶ。

③ 正常性バイアス:
自己採点が非常に甘く、普段の行動を素直に回答しないパターン

非常にたまにしかしていない行動だが、以前に何度かしたことがあるから、
”〇〇している”などの選択肢を選ぶ。

その他にも、様々なバイアスがあるが、基本的に上記の3種類のバイアスは発生しやすい。
では、本音が集まる社内アンケートのサンプル例を見ていこう。

1-2. 本音が集まる社内アンケートのサンプル例

では、次に本音が集まる社内アンケートのサンプル例をご紹介していこう。

※ このアンケートは、働きやすい職場づくり向上させるためのアンケートです。回答に正解はありませんので、素直な気持ちで回答してください。

回答は左側と右側に分かれており、どちらの感情が近いのか考えて回答してください。

また、このアンケートの結果で評価が変わることもありません。

Q1. あなたの性格や適正を考えた時に、今の仕事内容は自分に向いていると思いますか?
自分には向いていないかもしれないと感じる瞬間がある この仕事は、自分にとても合っている仕事だと思っている
L4 L3 L2 L1 R1 R2 R3 R4
Q2. あなたの将来について10年後の未来をどう考えていますか?
10年後も、この会社で働いているか正直わからない 10年後も自分は今の会社で働いていると思う
L4 L3 L2 L1 R1 R2 R3 R4

このような質問内容ならば、しっかりと読まないと回答できないため、回答者は自分の感情を理解して回答しようと考え始めることになる。

そして、このような内容の社内アンケートを実施すれば、回答がL4からR4まで回答がバラバラにつくようになる。RABLEでは、何度もクライアント企業のES調査を実施しているが、必ず回答はバラつく結果となる。

回答がバラつくというのは、社員1人1人が本音で回答しているためだ。私たちが作ったアンケートは以下のような集計結果になる。

以下のページでは、従業員満足度調査のサンプルを24項目紹介している。

興味のある方は、今なら無料で回答できるので、ぜひ、参加もしていただきたい。

では、どのようなポイントに気を付ければ、自分の感情を理解しようと考えて回答してくれるようになるだろうか?ここから、3つのポイントに絞って改めて考えていこう。

2.正解バイアスやイエステンデンシーについて

正解バイアスやイエス・テンデンシ-といった概念は人間が無意識下に行うものだ。従って、「可能な限り本音で回答してください」といくら伝えても、どうしても入り込んでしまう。

無意識に入り込んでしまうのならば、アンケート作成側が主導して、その無意識を意識的に変えてしまえば良い。

具体的には、以下のリード文章が効果的となる。

2-1.リード文章に書いておくべき3つのポイント

RABLEがES調査を実施する際のリード文章をご紹介しておこう。

ポイント1:アンケートの目的

このアンケートの目的は、職場や会社のマネジメントにおける課題を発見するためのものであること。また、上司や経営側が自己満足をするためのものではないとし、現場を正しく知りたいと考えているので、本音での回答を真に求めているというメッセージを書こう。

ポイント2:アンケートにおける注意点

このアンケートでは回答の一貫性や回答パターンを認識する処理をしているため、意図的・恣意性のある回答はすぐにバレる事を伝えよう。質問文章や選択肢を見て感じた素直な回答を選ぶことを伝え、自然な回答である場合は、経営陣・人事から見て都合の悪いデータであっても、高く評価するメッセージを書こう。

ポイント3:回答集計データの活用について

実際にはそうしていないのに、正解を狙った選択肢を選んでいると思えるものや回答に一貫性がみられない場合、再検査や無効回答として処理するというメッセージを書こう。

上記の3ポイントは、アンケートの分析ノウハウや専門知識がなく、回答の一貫性や有意性の確認ができない場合、自信を持って書くことが難しいかもしれないが、「素直な回答を本気で会社は求めています!!」という熱い思いを文章に込めるだけでも効果は十分にある。

2-2. 収集方法はWEBアンケートフォームを活用しよう

また従業員は、会社や人事がそういうスタンスを示しても、現場で間違った運用をされることを不安に感じることがある。

上司や同僚が他の人のアンケート用紙を盗み見して、どんな回答をしているか見られるかもしれない。また集計結果を直属の上司に見られれば、自分がどのような回答をしたかが分かってしまう。

例えば、上司に対する満足度を調査する内容などの場合は、特に不安を抱えることになる。そういった理由から、私たちはWEBアンケートフォームでの回答方法を強くおすすめしている。

WEB上での回答ならば、アンケートの回答結果を盗み見することは不可能であるからだ。

また回答結果についても、現場の管理者にはアクセス権限がなく、見る事は出来ないこと、そして管理者に集計結果を伝える際は、直属の上司を不都合な項目結果を見せないことを記載しよう。

2-3. 社内アンケートには必ず氏名の記入欄を作成する

最後にアンケートの設計で質問が多いのが、「匿名にすべきか、名前を記入すべきか、どちらがいいですか?」というものだ。

アンケートを広報目的や感想を集めるためのものであれば匿名でも良いかもしれないが、それではアンケート結果を人材育成や現場管理に活用することは出来なくなる。

個人と回答結果の紐付けができなくなるからだ。

下記の画像は私たちのリサーチサービスで提供している離職しそうな従業員を発見するためのES調査の結果を数値化したものになる。

濃い灰色の部分は、退職したい気持ちが高まっていることを示している。

青色のデータになるほどに、離職したい気持ちとは反対にモチベーションが高い状態を示している。

RABLE式の従業員満足度調査のサンプル項目は、以下のページで全体像をご紹介している。他のサンプル項目もご覧になりたい場合は、こちらの記事も参考にして欲しい。

上記のような個人成績表が作成できていれば、【スタッフ1】は、どのような満足度が低いのか明らかとなり、この社員に対しては、どういった指導・フォローが効果的であるか?という現場運用が可能になる。

データを現場で運用するという視点で考えれば、「匿名では意味がない。」ということに納得できたのではないだろうか?

上記のリード文章の作成を私たちがこだわっている理由は、匿名ではないアンケートで本音を引き出す事ということが経営改善のためのアンケートに必須の条件であるからだ。


3.社内アンケートで本音を引き出す選択肢の設計

アンケートに対する認識を誘導するリード文章の作成が終えれば、最後に選択肢でチェックするポイントをご紹介しよう。

ここでは、簡単に選択肢の配置のみをご紹介するが、実際には、選択肢のテストライティングがとても重要となる。回答選択肢のテキスト作成に関しては、簡単な集計でも効果抜群の社内アンケート作成方法の記事を読んでいただきたい。

3.1 リッカートスケールは何点尺度にすべきか

アンケートの選択肢はリッカートスケールと呼ばれる数的順序のある選択肢が最も一般的となる。

具体的には以下のようなものとなる。

Q.〇〇に関してあなたの満足度はどのくらいですか?
かなり満足 やや満足 どちらでもない やや不満 かなり不満

そのリッカートスケールにおいて、選択肢を何個用意するか?を決定していくこととなる。

例えば、上記のような場合は、選択肢が5つあるため5点尺度と呼ぶことになる。

以下にわかりやすく5点尺度と8点尺度をご紹介しておこう。

5点尺度の場合:不満足 1-2-3-4-5 満足

8点尺度の場合:不満足 1-2-3-4-5-6-7-8 満足

リッカートスケールとは、回答程度の強さがある順序項目のことを言う。

では、どこに注意すべきかお伝えしていこう。

3-2. リッカートスケールは必ず偶数になるようにしよう

まずリッカートスケールは偶数にすることをおススメする。

その理由は、奇数にしてしまうと中央点が生まれてしまうことになるためである。3点尺度だと2点がそれに位置し、5点尺度だと3点が該当する。

人は考えるのが面倒になった時や、どうしても決められない時は、どうしても中央の点数を選びがちになってしまう。もちろん、その理由は、それが無難であるからだ。

しかし、社内アンケートでそれを許してしまうと、人によっては真ん中の選択肢ばかりを選ぶ人がでてきてしまうこともある。それを防ぐ意味でもマイナスなのか、プラスなのか、を必ず決定させるように偶数で設計しよう。

3-3. 統計効果が見込めるのは7点尺度以上から

一般的なアンケートの選択肢は4つか5つ程度がポピュラーだが、実は7点以上なければ、定量的尺度としての信頼性が保障されない事が実証されている。

そのため、Rableではデザインや仕様上において、どうして難しい場合を除き、7点以上で選択肢を設計することをおすすめしている。

その理由を簡単に説明すると、従業員アンケートの集計を行い、業績改善やコスト削減への項目の選定分析をする際、得点が高い場合と得点の低い場合の差を使って因果関係を調査する。その際に、スコアのバラつきが低い(4点尺度における最高点と最低点の幅は3点)ため、精度の高い分析がしにくくなるためだ。

従業員アンケートの結果を自社改善に使わず、広報やHPでのPRにしか使わない、という場合であればそれでいいが、業績改善サポートツールとして活用したい、と考えておられる場合は、7点以上のスケールの利用を推奨する。

まとめ:

あなたが社内アンケートで従業員の本音を引き出したいと考えているならば、本日紹介した3つのテクニックを意識して実施していただきたい。

おさらいになるが、1つ目は、アンケートを実施する際のリード文章を用意すること。2つ目は、WEBサイト上のアンケートフォームを利用し、個人名を書いてもらうこと。3つ目は、選択肢は偶数になるように設計することである。

しかしながら、実際には、これだけでは本音を具体的に抜き出したり、経営分析・課題発見につながるとまではいない。

あくまで当記事の内容は、項目のデザイン部分に関するテクニックであり、本音を抜き出すための質問文・選択肢のライティングにもノウハウを施さなければいけない。

簡単な集計でも効果抜群の選択肢作成方法の記事では、アンケート項目作成時の抜き取りたい心理の設定から具体的なライティング作業手順を詳細に解説している。

良質なアンケートを作成するために、必須の工程であるのでぜひ一読する価値のある内容となっている。

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