従業員満足度

優秀な社員が辞める兆候!退職の気持ちを見抜くための22個の質問

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

退職面談が成功しない4つの原因とRABLE式のシンプルな解決方法の記事で解説しているように、退職を考え出した社員を引き止められる確率は1割を切っている。

退職対策では、部下の不満が限界に達する前に、その兆候を察知して、的確な対応を最優先としなければいけない。これからの生活や覚悟が決まってから、どのような言葉や待遇改善を提案したとしても、1度決めた社員の気持ちを動かすことは難しい。

人材育成や部下管理といったマネジメントテーマでは、セールス・マーケティング・生産などの活動とは異なり、トラブルや課題が目に見えてから動くのでは遅く、予防・事前対処を行わなければ成果を出せない。

そういった意味で、退職を防ぐ離職マネジメントとは、部下のモチベーションコントロールの究極系であるともいえる。

しかし、ほとんどの企業では、可視化・共有された目標や課題を対処することに慣れているが、将来発生するかもしれない事態に備えるという事を非常に苦手としている。”将来問題になるかもしれないし、そうならないかもしれない”ことに時間をかけたり、コストをかけたりすることに抵抗感があるからだ。

その結果、同じ会社でも、”高いモチベーション・生産性の高い部署(店舗)””人手不足で社員の質も悪い部署”という社内格差が存在する。

一方、Rableでは、離職動機という職場や上司、会社に対する不信感や、やる気の低下を示すモチベーションを数値化することを徹底している。そうすることで、特定部署だけでなく、どの管理職、部署(店舗)でも質の高い人材育成・管理ができるようになるからだ。最終的に、社内全体で、人材の質、仕事に対するやる気を高水準でまとめることを仕組化することができるからだ。

当記事を読み進めれば、部下管理や育成で”良い状態”あるいは”こうなってはいけない”という退職の22個の兆候とそれを主観ではなく客観的に判断するための手順について分かるようになる。

是非、自分の職場の社員がこれから紹介するような素振り・行動していないか?を考えながら読み進めてみて欲しい。

脚注1:これからご紹介する22項目は、私たちがリテンションマネジメントのコンサルティングを行う際に使っているモチベーション測定項目です。これらの項目は、数百もの論文の中から、高精度項目だけを選別しています。測定項目の信頼性を示すα係数【0.72(72%)を越えれば良い】という基準に対し、私たちの項目は平均して、0.90(90%)を超えています。

1.部下の不満は人材管理・育成の総合成果に他ならない

あなたの会社では、部下や同僚の働きぶりに関して、以下のような言葉を言っている人がいないだろうか?

  • 能力の低さ:〇〇さんは仕事ができないし、遅いし、ミスも多い。
  • やる気の低さ:〇〇さんはやる気が低いし、結果を意識した行動をしない。
  • 主体性の低さ:指示がなければ自分から動こうとせず、学びや自主性がない。

上記の様な言葉をいう社員が多い会社では、会社(上司・教育担当)が悪いのではなく、部下(新人社員)のやる気や能力がないせい、といった”上手くいかない責任を教育される側である部下(新人社員)のせい”にしてしまっている。

そのような会社では、以下のような状況に陥いることとなる。

  マネジメント目標   出来ていない会社   出来ている会社
 部下の能力の質   採用次第で変化    年々上昇
 管理職のコントロール  管理職の道徳・倫理  数値管理による監視
   目標設定   管理職の主観   数値目標の達成
  結果の振り返り   管理職の主観   数値推移の検討
  人件費率の改善    年々悪化    年々改善
  利益率の改善    年々悪化   数年以内に実現
 従業員1人当り生産性  停滞・あるいは低下   数年以内に改善

できていない会社の多くは、目標が達成されない・職場が回らない状況を「仕方ない」と考えたり、「部下の能力が低い」せいにしがちだ。

一方、できている会社では、目標が達成されない状況を「管理職が人が育つ状況を構築できていない」、「人材管理・育成方法に不備がある」と現状を厳しく認識し、その解決に向けて真剣に取り組む。

そういった意味で、部下の不満やモチベーションを数値化することは、”自社の人材管理・育成成果の質”を測る指標に他ならない。

1.1 勤続動機(モチベーション)を数値化する事で目指す成果とは?

売上における”昨年対比”、生産における”目標生産数”、セールスにおける”目標達成率”、など具体的な数値目標は利益向上へ社員たちを意識づけるために必要不可欠なものである、ということは多くの方が感じていることだと思う。

そのような数値による客観的な成果評価をマネジメント(育成・管理)の分野におきかえると、目指す先は「満足」ではない。現実において、不満の反対は、満足ではなく、納得である。

会社の利益状態や業種・業態によってできないことは当然あるし、それは社員も当然理解して、あなたの会社に入社してきたはずだ。にもかかわらず、不満に感じてしまうのは、”会社が努力すればできることをしようとしていない”と感じているからだ。

その一例を見てみよう。

現実における納得状態の一例

  • 上司や先輩社員が怒られれば、イラっとした気持ちは持つが、正論で自分が間違っていたと思う。
  • 給料や待遇がいいとは言えないが、できる範囲で改善しようとしてくれている。
  • 同僚と意見のすれ違いがある時もあるが、お互いが会社や仕事のことを思った結果だと感じる。

たとえ、ネガティブな事柄であっても、その対処が適切、あるいはできる範囲で努力してくれると感じれば、不満状態とはならない。つまり、不満の反対とは”納得できない”ということであり、その原因の多くは、管理職が上手く人員管理や育成ができていない、会社のマネジメントに問題がある。という事実に他ならない。

以下の画像は、後で詳しく解説するが、私たちがES(従業員満足度調査)を使って数値化したものとなる。

上記のグラフや表をはじめ、以下の記事では、ESを使って可視化できるものを詳しく解説しています。社員1人1人のモチベーション成果管理、職場単位での不満特徴やモチベーションを向上させるための施策検討に活用できる有用なノウハウを解説していますので、1読する価値はある内容となっています。

私たちは上記のデータを使って、以下のような認識を社内に浸透し、以下の話合いの機会を持つようにしている。

  • 成果チェック:該当社員のモチベーションは以前よりも改善されたのか?
  • 原因チェック:なぜマネジメントが上手くいかなかったのか?
  • 課題チェック:この社員の不満は特にどこにあり、何が課題なのか?
  • 目標チェック:この社員を変えていくためには、どんな対応をしていくのか?

上記の様な課題把握、問題対処をするためのフォーマットを作成し、成果に対する思考の誘導をすることで、「誰が悪い」という責任転嫁から「部下たちを納得させ、精力的に働いてもらうためにはどうすればいいか?」を重視するようになっていく。

あなたの会社でも、人材管理・育成であっても成果を数値化し、評価するノウハウを身に着けられれば、売上と同じように、マネジメント・社員教育の質を狙って上げることは十分に可能だ。

脚注2:人材育成・管理において、どうしても変えられない、問題社員がいることも事実です。そこでRableでは、誰に対してマネジメントすべきで、誰のどこまでのデータを評価の対象とするのか?という基準を設定しています。詳しくは以下の記事で解説しています。

1.2 ”辞めて欲しくない社員が辞める”事を減らす為に効果的なアンケートツール

人材育成・管理というテーマでも成果管理を意識したマネジメントを実施することはもちろん簡単なことではない。なぜなら、人間の内面や感情がデータの中にどうしても入ってしまうからだ。そこで多くの企業が活用している、退職の兆候(モチベーションが低下している)ことを見抜くのに最適なツールが従業員満足度調査(ES)だ。

1.2.1 部下の不満というネガティブな情報を手に入れるための従業員アンケート

部下の退職兆候を知るとまでは言わないが、人材管理の一環として、定期的に社員面談をしている会社は非常に多い。しかし、それを成果につなげられている会社は1割にも満たないし、その明確な運用コンセプトを持っている場合はほとんどなく、とりあえず決められたスパンで面談を実施しているという会社が大半だ。

その理由は、「退職」や「やる気が低い」というネガティブなテーマは、面談をしても、建前でかわされることが多く、「大丈夫です。・問題ありません。」という返答がほとんどで、また面談担当者も踏み込んだ質問をできない。

事実として、問題がある会社の大半の面談で「やる気があり、何も問題がない」という報告が上に上がっている。それが退職の兆候やモチベーションの低下を把握し、改善するための手段として”従業員満足度調査ニーズ”が存在する理由だ。

人材マネジメントをするうえで、面談などの対面コミュニケーションがなぜうまく機能しないのか?に関する根拠を以下の記事で詳しく説明しています。下記の記事をじっくりと読んでいただければ、人材管理・育成で失敗する理由・本音を引き出すことが難しい理由を実感できます。

しかし、はっきりここで断言するが、その社内アンケート・従業員満足度調査で期待する成果を得られているのは1割にも満たない。

その理由をこれから説明しよう。

1.2.2 多くの会社で社員・従業員満足度アンケートが上手く機能しない理由

退職の兆候(社員たちのモチベーションの強弱)を事前に察知し、人材管理・育成の成果の質を測るためのESだが、当然、それを運用するうえで、最低限身につけておかないといけないノウハウ・専門知識は存在する。

それは、従業員アンケートは、利害関係にまみれたツールであるからだ。例えば、以下の項目を見てほしい。

多くの会社で使用されているアンケート項目例

  • あなたは仕事にやりがいを感じますか?
  • スキル・能力が身につく職場環境だと思いますか?
  • 上司に対する不満はどれ程ありますか?
  • 職場環境は良好ですか?

あなたが、部下であったとしたならば、上記の質問に答えてくれ。と言われたとき、まず真っ先に思いつくことはどんなことだろうか?

退職兆候を適切に知るためにノウハウが必要である理由

  • 正直に答えれば、不満ばかりを持っている社員と思われるかもしれない。
  • 正直に答えれば、上司が悲しんだり、裏切られた。と思うかもしれない。
  • 正直に考えれば、評価や査定をさげられるかもしれない。

上記のように、従業員の立場に立ってみれば、正直に回答するメリットは、はっきり言ってない。実際に、マネジメント改革に乗り出すまでは、社員たちにとって、どれだけ現場をよくするためのものと言われても、心から信じることなんてできないからだ。

そういった問題から匿名アンケートを実施する企業が多いが、それではデータを上記のように社員1人1人に結び付けることは出来なくなり、具体的な改善につなげるためのデータにはなりえない。

しかし、以下のような項目を作成すればどうだろうか?

上記の項目は退職に関する項目ではないが、実際にクライアント企業で実施した仕事姿勢に関する質問項目の1つのサンプルとその集計をしたものだ。選択肢のどちらも正解の様に思わせる工夫をすれば、上記の様に回答をバラつかせることができる。

上記のような工夫をすれば、正解がわからないのであれば”本音で答えても問題がない”という心理へと変化させることができる。私たちはリサーチごとに必ず、本音を正しく抜き出せたのか?という事に関するデータ信頼性チェックを必ず行っている。そうしなければ、正しく退職の兆候を知ることができないと考えているからだ。

退職兆候や仕事へのやる気といったネガティブなテーマでも本音を的確に抜き取るテクニックに関しては、以下の記事で詳しく説明しています。非常に重要なノウハウを隠すことなく公開しています。

2.部下の不満を見抜く22個の退職兆候

では、ここから、私たちがアンケートを使って、退職の兆候を見ぬくことに成功した22個の退職兆候をお伝えしていこう。

 

左側のグループは、”表出退職兆候”と呼べるものであり、本人自身が心身の限界を自覚している項目となる。この兆候が見られる場合は、退職の意思が固まっている事が多く、手遅れである場合が多い。

右の4つは”潜在退職兆候”と呼ばれるものであり、潜在的に強い不満を抱いており、モチベーションが低下しているグループだ。この段階ではまだ”退職予備軍”であり、早急なマネジメントをすれば、解決することができる。

2.1 従業員満足度調査で最終的な満足度とはそもそも一体何か?

従業員満足度とは、単に「やる気がありますか?」・「満足をしていますか?」という次元で聞くものではない。なぜなら、「満足しているが、会社の為に行動してくれない社員」が増えてもらっては困るからだ。

そこでRableでは、やる気が低下している社員の定義を「向上心を持たず、叱られたり、仕事の仕方に対する指導を受ければ、反抗し、会社に貢献しようとしない社員」と定義している。

なぜなら、従業員満足度を向上させる最終目的を「売上・生産目標の達成を一生懸命目指す意欲的な社員を量産する事」だとしているからだ。

「退職はしないが、やる気がない社員ばかりが増え、人件費だけが上がる。」なんて状況が起これば、本末転倒になってしまう。

ではこれから、仕事への意欲が減り、職場での話合いや日常業務に対して、やる気が低下している社員の兆候をみていくことにしたい。

2.2 社員が自覚している6つの退職兆候

まず1つ目のグループは社員自身がすでに自覚している表出退職兆候となる。具体的には以下の6つの項目を使っている。

概念名 社員たちが感じている具体例
他業種への興味 他社への転職を検討・興味が高まっている状態
長期的勤続意欲 自分の将来・未来に良い展望を描けていない状態
職務満足度総合 今の仕事内容に飽きている・興味が薄れている状態
感情的コミットメント総合 この会社や職場が好きだ。という愛着を持てていない状態
身体疲労の蓄積 肉体的疲労を自覚し、限界だ。と感じている状態
精神の疲弊 精神的にまいっており、限界を感じている状態

上記の6項目の総合点が全体的なモチベーション得点となる。これらの項目は全て社員たちは心の中で「もう限界だ。」という気持ちを自覚しているものばかりだ。そのため、その定まった気持ちを変えることは容易ではなく、この項目でDランクがついた社員は、9割以上が仕事をさぼるか、退職をする、という結果となる。

上記の図は、ES調査をスコアリングし、A~Dの4段階でランク付けしたものとなる。最終的な総合評価において、Aが最もやる気の高い人間で、Dがやる気が低下している人間だ。

この会社の事例では、D評価の社員は、3カ月以内の離職率が42.6%、半年以内の離職率が61.2%、1年以内の離職率が72.4%という非常に精度の高いものとなっており、私たちはほとんどの場合で、モチベーションを正しく測定することができている。そのノウハウに関して以下のリンクでご紹介している。

アンケートの集計結果を正しくスコアリングし、数値化する為の手順・ノウハウは以下の記事でご紹介しています。非常に有用な情報ですので是非参考にしてください。アンケートツールを用いて、マネジメント成果を数値化するために必要な手順を丁寧に解説しています。この記事をじっくりと読めば、誰でも人材管理・育成の成果を客観的に測定することが可能になります。

① 他業種への興味:「あなたは今の業務だけでなく、新しい経験や体験をしてみたいと思いますか?」

当たり前だが、面談やアンケートで「あなたは退職したいと考えていますか?」と聞いても素直な返事は帰ってこない。その類似概念として「興味の転換」を私たちは活用している。「もうやりたくない。辞めたい。」と思っている人間は、失ったやる気・興味と引き換えに、人間は失った興味を埋める形で、新たな世界へと興味を示す。それは別業種かもしれないし、同業種の新たな職場かわからないが、その深層心理を私たちは引き出せている。

② 長期的勤続動機:「あなたは、10年後も自社で働いているイメージを持っていますか?」

人間はうそをつく生き物だが、その一方で良心を併せ持つ。「自社を辞める気はない?」と聞けば「(今の所は)辞める気はないです。」と回答するが、「10年後もうちで働いてくれるかな?」という質問に対しては、「そこまで未来のことはわからないです。」という。このように直接的な項目であっても、強弱を使い分けることで、本音を引き出すことも十分に可能だ。

③ 職務満足度:「あなたは今の仕事内容は創意工夫の余地があるものだと思いますか?」

職務満足度は、業種や職種で決まっており、変えられないものだとおもわれがちだが、実はそうでもない。作業の段取り・順番・声掛け(連携)・作業スピードなど、どんな作業であっても、やりがいを持てる人・持てない人に分かれる。そのため「自分の仕事にやりがいを感じているか?」という質問は非常に有効となる。

④ 感情的コミットメント:「あなたは仕事が楽しいと感じることはありますか?」

モチベーションを語るうえで、感情的な仕事(会社)への愛着というのはかなり重要な要素だ。私たちはこの項目を聞く際に、【低得点に①感情で仕事を選ばない、高得点に⑤楽しみながら仕事ができている】というように回答者が低得点を答えやすいように項目を設計している。そうすることで、「仕事が苦痛と感じていないか?」という感情を抜き出している。

 ⑤ 身体疲労の蓄積:「あなたは肉体的な疲れが取れないと感じることがどれだけありますか?」

どれだけやる気があり、根性のある社員であっても休みがなければ、肉体的な疲れを自覚していく。もちろん「疲れを感じにくい・感じやすい」といった個体差は存在するが、それを一度自覚してしまうと「このままだと続けられない」という退職につながってしまう。それは年齢や性差にも影響される。肉体的な強さを考えたうえで、作業の種類や量を適切に割り振っていくことが重要だ。

⑥ 精神の疲弊:「あなたにはどれだけ精神的な疲労の自覚症状がありますか?」

肉体と同様に精神的なストレスも離職の原因となる。もちろん、ストレスの感じやすさの差は個人の間で差ができやすく、「これぐらい大丈夫だろう。」という誤解を最も招きやすい部分だ。だからこそ、特に数値で把握し、責任者の感覚に任せてはいけない部分だ。アンケートは、特にこういった精神的なものをぬきだすことを得意としているツールだといえる。

2.2.2 優秀な社員が辞めることを防ぐために必要なこと

多くの会社では、ほとんどの管理職、先輩社員は、日常業務や打ち合わせに追われ、部下や新人の面倒を見る余裕はなく、マネジメントの優先順位は「時間があれば行うもので、必ず今しなけいればいけないことではない」といったものだ。

そうして部下管理や育成が後回しにされ、いつまで経っても実行されない。というのが9割以上の会社の人材状況だ。それは”今しなければいけない。”というタイミング・優先順位をはっきりとできないためだ。

そこで私たちは先ほどの6項目を使い、総合評価を一覧にし、以下のような表を作成している。

スタッフ名 社員ラベル 総合評価   ラベル種類         ラベル説明
スタッフA コア社員   A   コア社員 職場のリーダーになれる人材
スタッフB 標準社員   B   エース社員 売上や生産活動に貢献している人材
スタッフC エース社員   C   標準社員 一般的な作業能力の人材
スタッフD 問題社員   C  訳あり社員 能力はあるが性格に難がある人材
スタッフE 訳あり社員   D   問題社員 やる気がなく、会社にとって厄介な人材

上記の表は管理職に”マネジメントの緊急性が低い人・高い人”を判断し、優先順位をつけるために非常に役立つ。「会社にとっての社員属性」と「退職モチベーションの強さ」を掛け合わせることで、”退職の兆候を見逃し、手遅れになる”という事態をまず防ぐことが肝心だ。

そしてその成果として、私たちは以下の表と関連付けて評価することも行っている。

上記の画像は、先ほど紹介した記事を引用したもので、社員のラベリング・その運用方法に関しては、そちらの記事を参照にするようにしてほしい。

2.3 仕事に対する向き・不向きに関する4つの退職兆候

冒頭でも説明したが、人材管理・育成では、問題が出てくる前に事前の対処が重要になってくる。

そのためには、不満状態を確認してから動くのでは遅く、潜在的な不満を察知し、不満が大きくなる前に潰すことができるようにならねばならない。

しかし、一口に不満といっても、仕事に関することなのか?人間関係に関するものなのか?といったように不満の方向性は様々だ。そしてその不満は大きく4つのカテゴリにわけることができる。

ではまず1つ目の不満カテゴリである”仕事と性格・適正とのマッチングに関する不満”をみていこう。

仕事 仕事における適性知覚 この仕事は自分には向いていないと感じてしまっている状態
仕事を通しての達成感 仕事で努力しても喜びや達成感といった感情の高ぶりがない状態
知的好奇心 仕事を通じて、もっと知りたい・面白いなどの向上心を持てていない状態
夢・やりたい・興味 この会社での仕事は自分がこれからもやりたいものであると思えない状態

⑦ 仕事における適性知覚:「今の仕事は自分の能力」に合ったものだと感じているか?

人は誰しも向き不向きを感じる。上手くいかない時は「この仕事向いていないのかな?」と考えがちだ。特に入社3年以内の新人がによくみられる。それは仕事ができる・できないに関係なく、「自分にはもっと合った仕事があるのではないか?」という前向きな場合もある。

⑧ 仕事を通しての達成感:「あなたは今の仕事をしていて達成感を感じることがありますか?」

人は飽きっぽい生き物であり、ただ繰り返す日々ではやる気が低下してしまう。しかし、達成感とは、同じ仕事をしていても、感じる人もいれば、感じない人もいる極めて主観的な要素だ。そこで、達成感をあまり感じていない人に対して「〇〇ができるようになったね」や「以前と比べて□□が変わった。」と成長を実感させることは非常に効果が高いといえる。

⑨ 知的好奇心:「あなたは自身の業務内容や成果に対して、なぜ?といった気持を持てていますか?」

指示待ち人間と向上心溢れる社員の違いは、「これはなぜこうするんだろう?」や「こうすればこうなるのでは?」という自分なりの考えを持てているかどうかだ。自己判断が出来ず、表面的な行動しかできない社員は、思考停止人間であることが多く、指示や指導に何の疑問も抱かない。「なぜ?」という感情は、人間が主体的に行動し、学んでいく上で最も強い原動力となる。

⑩ 夢・興味:「あなたは今の仕事が自分が面白いと思えるものだと思っていますか?」

上記と同じで夢や興味も気持ち次第で変化する。本当に学生の頃からやりたかった仕事につける人はほんの握りであるし、現実的に不可能だ。しかし、仕事をしている内に、それが「今の自分がやりたいこと」に変化することは十分にありうる。つまり、上司は部下が今の仕事にやりがいや好奇心を抱けるように仕向けて行かなければならない。それがマネジメントであり、ヒトを動機付ける事の本質と言える。

2.3.1  部下の不満は1人1人違うことを理解しておこう

私たちは、退職の兆候を判断する際に、詳細なデータを見る前に、まず大きなデータから順番にみていくようにしている。なぜなら、現場管理者に「あれもしてくれ、これもしてくれ」と要望ばかりを伝えてしまうとパンクしてしまうことがわかっているからだ。

それはデータを作成する際にも同じことが言える。

データが多いのはいいことだが、データが多いほど、どれが一番重要なのか?がわかりにくくなる。そこで私たちは4つの潜在的不満カテゴリ全体の評価を行うことで、「特にこのカテゴリの不満を改善することに注力しよう。」というデータの利用しやすさを大切にしている。

上記の表を作成しておけば、「この社員はどのような不満を特に感じやすいのか?」という全体的な特徴を先につかんでおくことができれば、「この社員に対してはこういう語り掛け・指導をしていくほうがよさそうだ」という指導・育成コンセプトが立てやすくなる。

2.4 業務を円滑に進めるための連携に関する4つの退職兆候

では続けて、業務を円滑に進めるうえでの連携に関する不満を見ていこう。

業務コミュニケーション 作業を進めるためのコミュニケーションがやりにくいと感じている状態
非建設的思考 正直に報連相をして都合の悪い事は聞き入れてもらえないと感じている状態
単独業務 コミュニケーションを必要とせず、自社である必要を感じていない状態
自己効力感 自分は顧客や上司・同僚に必要とされていないと感じている状態

⑪ 業務コミュニケーション:「あなたはどれだけ業務上に必要な会話に不便を感じていますか?」

仕事は自分1人で頑張っても、結果に結びつかないことのほうが多い。例えば、報連相が上手くいかない、チームメンバーが自分と相性の悪い人で、連携がうまくいかないなど、「能力や知識、経験は十分にあるのに、自分の力をだしきれない職場である為に辞めてしまった。」というのは十分にありうる。

⑫ 非建設的思考:「あなたの職場や上司はネガティブな事実を真摯に受け入れてくれるものですか?」

コミュニケーションにおける問題は、相性や連携だけでない。ネガティブな情報に対する反応も含まれる。部下は必ず上司に事実を伝えなければいけないが、上司がネガティブな事実に対して攻撃的に反応する場合は、部下のストレスは非常に強いものとなる。そういった会社では都合の悪い情報が上に上がってくることがなくなり、現場状況と間違った判断をしてしまうことになる。

⑬ 単独業務:「あなたの仕事は他の人と連携が必要な仕事ですか?」

仕事をする上で、連携が必要な仕事かどうか?というのは非常に重要な要素だ。なぜなら、1人で完結する仕事であれば、フリーランサーであっても構わない、あるいはその仕事は自分でなくともできる単純作業と思うようになるからだ。例え、1人で完結する作業であっても、同僚とコツやトラブル・愚痴を話し合ったりすることは十分にできる。そういった意味で、このスコアが高いという事は、職場で孤立し、疎外感を感じているということになる。

⑭ 自己効力感:「あなたは顧客や上司・同僚・部下からなくてはならない人だと思われていると感じますか?」

元もないことを言えば、誰かが仮に辞めても誰かが埋め合わせをする。それは会社である以上必然のことだ。しかし、気持ちはそうではない。「顧客の○○さんが悲しむ」、「職場のみんなが困る。」、周囲の人間の自分に対する高評価を感じている人間はそういった責任意識を持つ。責任感はいきなり発生するものではなく、自分は頼りにされている。という自己肯定感から発生する。そのため、「部下にまず自信をもたせる」ということから始めなければならない。

2.5 職場関係に関する4つの退職兆候

では次にグループ単位におけるチームワークに関する不満を見て行こう。

孤立・疎外感 職場で孤立し、疎外感を感じ、グループに参加できていないと感じている状態
周囲からの信頼 同僚や部下・上司から自分は頼られたり、必要とされていないと感じている状態
職務パーソナリティ確立 自分なりの仕事のやり方がなく、他人からの指示だけで働いている状態
キャリア目標 こうできるようになりたい。という仕事に関する目標を持てていない状態

⑮ 孤立・疎外感:「あなたは職場での孤立感や疎外感をどれだけ感じていますか?」

会社で過ごす人生は半分を占めるといっても過言でもない。それだけ多くの時間を過ごす職場に居心地が悪いと感じている場合は早期対処が重要になる。だからこそ、社員アンケートや面談で、それぞれの社員に対し、誰が、どれだけその不安を抱えているのか?を事前に知れることはかなり大きな効果を発揮する。

⑯ 周囲からの信頼:「あなたは自分がいなくなれば周囲の業務にどれだけ支障が出ると思いますか?」

先ほど紹介した自己効力感と似たような項目だと思われるようだが、実は大きな差がある。自己効力感は人間関係に重きを置いているが、この項目は、業務上の経験・知識・熟練度を重視している。もし自分が抜ければ、後任となる社員との能力の差がどれだけあるのか?生産性はどれだけ低下してしまうのか?という成果面で高い肯定感を持てていれば、それだけ社員は責任感を持つようになる。

⑰ 職務パーソナリティ確立:「あなたは仕事をする上で、自分の得意なやり方・行動パターンを確立できていますか?」

仕事を辞めない人は、必ず自分なりの仕事に対する哲学・行動パターンと言ったキャラクターを確立できている。自分のパーソナリティを確立できていれば、仕事のやり方や進め方、職場での連携が思うがままにできており、自分の仕事上の立ち位置を確保できている。逆に発言に一貫性が無かったり、場当たり的な判断をする人は、小さなことに一喜一憂したり、感情の波が激しかったりと不安定な状態と言える。

⑱ キャリア目標:「あなたは、職場に心から尊敬・憧れる上司や先輩はいますか?」

職場に尊敬・憧れる社員がいるかどうかというのは実は強い動機づけ要素となる。人は具体的な目標があればあるほど良い。なぜなら「どの状態になれば成長したと言えるのか?」と判断の基準となるからだ。逆に「自分がイメージできない目標である。」あるいは、「自分より優れた社員がいない。」場合には、意欲は低下しやすい。特に師弟関係を上手く結べている場合には、人材育成が成功する確率は極めて高い。

2.6 会社に関する4つの退職兆候

最後の要素には、会社に対する4つの不満がある。ではそれぞれ見ていこう。

プライベート 仕事に追われ、プライベートの時間を全く持てていないと感じている状態
会社の姿勢 会社(上司)は、現場改善や部下を大事にしようとしていないと感じている状態
生活水準 日々の生活費に困り、金銭的なストレスを感じている状態
職場環境 労働環境が適切なものではなく、苦痛や不満を感じている状態

⑲ プライベート:「あなたは、仕事に追われプライベートの時間が持てていないと感じていますか?」

有給の消化や何日程度欲しいかは、人によってもちろん異なる。そしてその知人や家族の職種などによって休みの曜日ももちろん違う。つまり、希望する曜日・日に休みがとれなければ、家で寝るだけの休日になりかねない。そこで、私たちはプライベートの充実度を知る事によって、現場で適切な有給管理・人員管理が出来ているかを把握するために活用している。

⑳ 会社の姿勢:「あなたの会社や上司は、現場状況や要望を聞いたりしようとしていますか?」

現場の不満や要望は聞けることばかりではなく、どうしようもない事がある。しかし、頭ごなしに一蹴するのではなく、それに対するコメント・同調をしてあげたり、会議で検討してみる。等のアクションをすることは可能なはずだ。部下に対して「こうすれば、こういう感情が出てしまう。しかし、こう問いかければ、こういう反応になる。」といったように、「自分の発言や姿勢をどう部下に捉えられるか?」と管理職は常に考えていなければいけない。

㉑ 生活水準:「あなたは、金銭的に困ったり、将来への不安を感じることがどのくらいありますか?」

金銭的な生活水準も人によって変化する。なぜなら、人間はお金があればあるほど、生活水準が上がり、そのレベルを下げることは嫌がるからだ。だからこそ、「このくらいのお金は欲しい。」という希望を入社前、キャリアを考える前には聞いておきたい。もちろん希望する給与が上がれば上がるほど、求められる能力や実績は高くなる。しかし、「この会社で頑張れば自分の希望する生活が出来るかもしれない」と夢を持てれば、自社に対する高い忠誠心を発揮してくれるだろう。

㉒ 職場環境:「あなたは、労働時間や労働環境など、同業他社に比べてどうだと思いますか?」

職場環境は、「こういう業界だから」といった市場・ビジネスモデルのせいにしやすい。だからこそ、私たちはまず同業他社と比較して質問するようにしている。転職は同業種で行われるのがほとんどだ。もしもデータを取って、そのスコアが平均点以下であれば、ライバルよりも人材求心力・維持力・動機付力が不足しているという事に他ならない。

3.退職の予兆を数値化できれば人材管理を客観的に行えるようになる

ここまで退職に関する22個の兆候について説明してきた。では最後にこれら22個の不満を解消するための具体的な手順をお伝えしよう。

3.1 辞めさせないマネジメントを仕組み化する

先ほどもお伝えした通り、マネジメントは日常業務として明確に存在するものではない。だからこそ実行するのが難しいのだが、以下のような職場メンバーの心理状態が一覧でわかる表があれば、それは解決する。

Rableでは、それぞれの管理職たちに自分の部下のデータを見せ、1人1人に対して、以下のようなマネジメント方針を立ててもらうようにしている。

  • このスタッフは、能力が高く、自分でもこの仕事が向いていると自覚していて、仕事に対する意欲が非常に高い。
  • しかし、その一方で、周囲との温度差があるためか?連携をしっかりできているとはいえず、周囲の仕事ぶりに不満を持っているようだ。
  • そのため、このスタッフには、周りをうまく使うコミュニケーションのやり方や、こういう考え方もある、といった職場でうまくやるコツを教え、チーム全体のパフォーマンスをリードできる人材になってもらいたい。

そして、定期的に部下たちの前回の結果と今回の結果の比較をしてもらい、部下に変化は見られたのか?どこが改善し、逆にどこが悪化したのか?という振り返りをしてもらっている。

そして、最終的に辞めさせないマネジメントではなく、人材管理・育成のためのマネジメントを目指す。データがあれば、目標を定め、成果を振り返り、改善する、という解決ルーティンを仕組化することはそう難しいことではなくなる。

3.3 モチベーションをアップさせる64の項目

当記事でご紹介した22の退職兆候は、あくまで総合的なモチベーションが下がっているかどうか?を判断する為の指標に過ぎない。簡単に言えば、色々な施策や面談、指導を繰り返した結果、やる気は上がったのか?という成果を知るためのものである。ということだ。

もちろん、結果を改善するために、どのような要素が強く影響しているのか?に関しても、私たちはノウハウを有している。それが以下のモチベーションをアップする為の64の項目だ。

それを社員1人1人の個別データに落とし込んだものが以下のものとなる。下記をみれば、誰に対して、どの様なマネジメントを行えばいいかが一目瞭然となる。

詳しくは以下の記事でご紹介しています。

モチベーションアップや人材育成・管理で改善すべき要素を全て網羅しているので、是非、参考にして頂きたい内容となっています。

まとめ 辞める兆候を見抜く仕組みを作り上げることが人材管理・育成のカギ

退職の兆候を知り、事前に手を打つことは簡単なことでは決してない。

アンケートというツールを使わず、面談や上司による観察で解決しようとしても、部下たちは心の内を隠してしまう。だからこそ、話の内容や上司の報告の真偽を確認することはできない。

むしろ、現実と大幅にずれていることのほうが多い。

上司を心の内で嫌っていても、それを表情や言葉に出さない社員のほうが圧倒的に多いためだ。

だからこそ、アンケートツールを使って本音データを集めることが大切になる。そしてデータを集めれば、当然、成果の比較もできるようになる。

それを最終的に、まとまりや意味のあるグラフや表に上手く落とし込むことができれば、そのデータは現場管理の強いサポートツールとなる。

私たちが結果を出せているのは正にその部分だ。だれがどんな不満を持っていて、何を望んでいるのか?それを先に知ることができていれば、その人に対してどんな態度や口調で話しかけるべきなのかがわかる。

それを管理職に伝えるだけで、部下からすれば「上司は一生懸命自分たちの思ってくれている」と態度が変化するし、上司からしても「自分の指示や指導に対して、真剣に取り組んでくれるようになった」と現場管理が楽になる。

誰もが辞めない会社作りをすることは、決して慈善活動ではなく、最終的に必ず利益となって帰ってくる。全社員が高いやる気を持って働くようになれば、売上・生産性が改善されるのも不思議なことではない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

【特別なご案内】限定5社/月間
ES調査を特別なプライスで

従業員満足度調査を実施すれば、あなたの会社の離職原因が明確になります。

あなたの会社では、従業員との個人面談を行っていませんか?

しかしながら、それも、従業員数が70名を超えると難しくなっていきます。

また、個人面談や退職面談を行っても、離職する原因を特定できることはありません。

このサービスは、経営学の研究にも役立てられます。

  • 離職原因を追究するため、本格的な重回帰分析も行います。

  • 現在、30351円で販売しているEXCELテンプレートを無料で提供します。

  • 3か月間だけの期間限定契約ですので、総額10万円以内でES調査が可能です。


WEBアンケート形式で行いますので、事業所の場所が複数に分かれていても安心いただけます。

是非、貴社の人材マネジメントにご活用下さい。

お申込みページへ

コメントを残す

*