離職率計算

人手不足が深刻な業界でも給与や待遇を変えずに実践できる7つの施策

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飲食や介護、宿泊といったサービス業界をはじめとして、建設やITなど多くの業界で人手不足、人材不足の問題は、業界を問わず7割以上もの会社が感じている深刻な課題だ。

あなたの会社でも「人が少なくて、職場が回らない。」や「若手が少なく将来が不安だ。」といった声が出ているかもしれない。

しかし、例え、介護や飲食業界でもあっても、人手不足に困っていない中小企業であっても存在する。

そして、最初に答えを言っておくと、その差は給与・賃金・待遇の差ではない。給料で考えれば、大手の会社は人手不足に困っていないはずであるからだ。

ではその差は何なのだろうか?

この記事では、その問いに関して、どの業界・規模であっても実践できる7つの施策内容と管理ノウハウをお伝えする。きっとあなたの会社でも使える内容となっているはずだ。

1.人手不足の深刻化と離職理由のギャップ

では早速以下のグラフをみてほしい。

人手不足の業界

厚生労働省HP:平成25年雇用動向調査結果の概況を参考に作成

上記のグラフを見てみると、サービス業の人材の流動性は非常に高いことが分かるはずだ。このグラフから「ウチの業界は離職率が高いから仕方ない。」と環境のせいにしてしまう人が多いのも納得できる。

離職率は業界によっては、解決できない課題なのだろうか?

その答えがNOである理由をこれから説明する。

1-1 離職理由ベスト10

続けて別の表を見てみよう。以下の表はリクナビNEXTが転職者100人に実施した、離職理由の本音に関するアンケート結果を集計したものだ。

だ。

退職理由ホンネランキング
順位 理由 比率
1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。 23%
2位 労働時間・環境が不満だった。 14%
3位 同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。 13%
4位 給与が低かった。 12%
5位 仕事内容が面白くなかった。 9%
6位 社長がワンマンだった。 7%
7位 社風が合わなかった。 6%
8位 会社経営方針・経営状況が変化した。 6%
9位 キャリアアップしたかった。 6%
10位 昇進・評価が不満だった。 4%

参考URL:リクナビNEXT

上記の集計結果を見てみると、意外に給料や勤務待遇の比率の低さに驚かれるはずだ。パッと見ただけでも、賃金などの要素より、上司や社長のマネジメントに不満を持っている事の方が多いということが分かるだろう。

2.人手不足を改善するためにできる施策・できない施策

更に上記の10個の要素から、資金がかかる、待遇を変えるのは難しい施策を取り除き、どの企業規模・業界であっても、実施できる施策に絞り込もう。

2-1.会社規模・業界によっては改善しにくい3つの要素

以下の3つの施策は、業界や中小企業ではどうしても改善することが出来ない場合がある。それは以下の理由からだ。

離職理由2位:労働時間・環境が不満だった。

勤務時間・休日の改善
残業などの時間外労働時間を除き、定時の出勤時間や曜日など、勤務時間は業界や会社形態、社員数に大きく依存する。特にサービス業では、祝日など繁忙期のシフト上、休みを増やす事は難しい。そのため、いくら社員が土日に休みたいといっても、希望を聞くことは難しい。

離職理由4位:給与が低かった。

給料の改善
基本的に給料の改善は、自社の人件費率に大きく依存する。そのため、売上が増え、会社規模の成長に比例して給与を支払える能力が増える。つまり、経営が好調になり、利益率が改善されてからでしか、給与を上げることはできない。だからこそ、ほとんどの中小企業では給与アップによる離職率の低下という手段を取ることは難しい。

離職理由9位:キャリアアップしたかった。

キャリアパスの改善
中小企業の場合、役職の椅子は限られており、全員が管理職としてのキャリアアップをさせる事は困難だ。大企業でも、意味のない肩書きを作るなどキャリア設計は課題となっている。部下のキャリアを引き上げるためには、まず自社の規模を大きくしないといけない。

2-2.業界を問わず改善できる7つの施策

上記の3つの要素を合計すると離職理由のおよそ32%を占める結果となり、この32パーセントにおいては、特定の業界や一定以上の会社規模でなければ実施は難しい。しかし残りの68%はどの業種・規模であっても、実践できる内容であるといえる。

人材マネジメントしやい要素 比率
上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。 23%
同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。 13%
仕事内容が面白くなかった。 9%
社長がワンマンだった。 7%
社風が合わなかった。 6%
会社経営方針・経営状況が変化した。 6%
昇進・評価が不満だった。 4%
人材マネジメントが難しい要素 比率
労働時間・環境が不満だった。 14%
給与が低かった。 12%
キャリアアップしたかった。 6%
マネジメント難易度
では残りの7つの要素について見て行こう。

離職理由1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった。

現場管理職(店長など)のマネジメント評価方法の改善

現場管理職が暴走し、自分の主観で職場を支配してしまうのは、管理職が絶対的な権力を持っている所にある。そこで指示や指導に関してただ行動や結果を伝えるだけでなく、「なぜそうなのか?」、「どうすればよかったか?」といった説明を大切にし、部下の納得・理解を得る管理手法に切り替えるように指示・指導しよう。

離職理由3位:同僚・先輩・後輩と上手くいかなかった。

職場の人間関係を改善

職場の人間関係は、現場管理者が頭を悩ませる課題の1つだが、シフトの割振りや配置・職場転換など、チームメンバーの構成、相性を考慮したマネジメントを大切にするように、管理職に指示しよう。

離職理由5位:仕事内容が面白くなかった。

仕事内容の意義を伝えることを改善

仕事内容に関しては、「変えられない要素」であるとも思われがちだが、実はそうではない。「仕事内容が面白くない」と感じさせるような仕事の振り方・教え方・作業の進め方をさせてしまっていることが問題だ。指導役の教え方・説明の仕方次第で感じ方を大きく変えることが出来る。

離職理由6位:社長がワンマンだった。

現場の分権化を促進し改善

1人の人材に権力が集中するワンマン職場は要注意だ。ある程度の決定権を部下に与えないと周囲の人間は「私たちの話を聞こうとしない」と反感を持ってしまう。本当に核となる部分を除き、「周囲に任せてもいい範囲」を決定し、分権化を進めていくことが重要だ。

離職理由7位:社風が合わなかった。

社風の改善

もちろん社風には、合わない人・合う人がいるだろう。その相性はどの企業にも存在する。問題なのは、「社風に合わない人」を採用してしまっている所にある。採用方法を一度見直し、自社の社風に合いそうな人が興味を持つような求人ページに作り替えていこう。

離職理由8位:会社経営方針・経営状況が変化した。

経営方針・理念に現場視点を取り入れるように改善

あなたの会社でも理念やビジョンを掲げているはずだが、それは現場に伝わっているだろうか?ほとんどが抽象的である場合が多い。「ウチの社風はこうだから○○の仕事では□□するようにしてね。」と現場業務につながるレベルまでビジョンを具体化しよう。

離職理由10位:昇進・評価が不満だった。

公平な評価方法にする改善

職場のスタッフ評価については「良い」か「悪い」のどちらをつけても良い。それよりも重要な問題が公平性だ。Aさんの評価と自分の評価の違いが、「納得のいく理由か?」、「きちんと現場を見ているものなのか?」管理者の評価者としての採点スキルを育成しよう。

3.人手不足解決に向けて取り組めている会社の割合はたった3割

ここまでで、人手不足が深刻な業界であっても出来ることがあることをご理解して頂けたと思う。ではここで最初の問いに戻ろう。

“人手不足に困っている企業の差は一体何であるのか?”

“なぜ人手不足な状況が悪化を止めることが出来ないのか?”

その答えを今から見て行こう。

3-1 離職対策に取り組んでいない企業は6割以上

以下のデータは、エン・ジャパンが2016年に243名に対して実施した離職対策に関するアンケートだ。その結果を見てみると、離職対策に取り組んでいる企業はたったの3割ほどでおよそ6割以上の会社が取り組んでいないことが分かる。

人材のリテンション(優秀な人材・自社が欲しい人材をつなぎとめる策)について何か対応をされていますか?

引用URL:https://partners.en-japan.com/enquetereport/old/110/

3-2 離職対策に取り組む理由は「人手不足は採用では解決できない」から

同調査の「リテンションに取り組む理由を教えてください。(複数回答可)と言う調査結果についても見てみよう。

上記の結果で特に注目したいのが「新規の人材採用が困難のため」と言う部分だ。この結果から、「どの会社でも採用に解決が難しく離職率を下げることで人手不足を解決しようとしている」ことがお分かりになるはずだ。

つまり、人手不足になっていない理由は、「採用力がある。」・「多額の採用広告をしている。」、「待遇がいいから採用応募が集まる」のではなく、ただ「離職低下への取り組みを行っているから。」からに過ぎない。

4.人手不足の現状を打破するために用意するたった1つのもの

人手不足の解決に向けて、あなたの会社では、どの程度意識して取り組んでいるだろうか?

日々、職場を回す事や売上についての話ばかりになっていないだろうか?

具体的には「離職率を下げるにはどうすればいいか?」や「来年の目標離職率を〇〇パーセントにする」などの話を真剣に会議で話す時間を十分にとっているだろうか?

離職率に真剣に取り組めている企業は多くない。

それは、やる気の問題なのではなく、「あるものを用意できているか?用意できていないか?」で差が生まれている。

4-1 人手不足が深刻化するのは成果の可視化をしていないことが一番の原因

多くの会社では、売上・顧客数・客単価・稼働率以外の話題に多くの時間を割き、人材マネジメントに対して真剣に取り組んでいることは非常に少ない。

それは、やる気とか後回しにしている事が原因ではなく、「数値で管理しにくいテーマである」事が大きなネックとなっているからだ。

例えば、売上などの本業の生産・販売に関する会議であれば、①:来月の売り上げ目標はいくらにするか?

②:その目標の達成率は何%になったか?

③:その目標を達成できない理由は何だと思うか?

④:その改善に向けて、来月はどんなことを意識して取り組もうと考えているか?

というやりとりを継続して、詳細かつ具体的にどの会社でも行うことできている。

それは目標数値があり、それに紐づく結果数値があることで、課題を客観的に発見したり、対処法を考えたりすることが簡単であるからだ。

しかし、数値が無ければどうだろうか?

「離職者を少なくしましょう。」・「部下のケアをするようにしてください。」・「職場で何か問題はありますか?」などの口頭での指示や1度きりの会議で終わってしまう。

それ以上にできること・やることがないからだ。

だからこそ、人材管理は9割以上の会社で重要だと思われているにもかかわらず、具体的に実践できる企業は3割程度になってしまっている。

では、継続して人材マネジメントを行うために何を用意すれば、それを解決できるのかの答えを説明しよう。

4-2 人材難を乗り切る第一歩は離職率を計算することから

人手不足を本当に解決するためには、まず会議をしたり、企画や制度を考える前に、成果を評価する数値を用意することから始めることを肝に命じて欲しい。

【結果の概要】
基準
年設定
集計期間 年度別人材状況 マネジメント結果
開始月 締め月 期首人数 採用人数 離職人数 期末人数 人材増減数 人材流動率
2011年 2011/4/1 2012/3/31 29人 20人 5人 44人 15人 -13.79%
2012年 2012/4/1 2013/3/31 44人 47人 21人 70人 26人 54.55%
2013年 2013/4/1 2014/3/31 70人 90人 34人 126人 56人 77.14%
2014年 2014/4/1 2015/3/31 126人 134人 52人 208人 82人 47.62%
2015年 2015/4/1 2016/3/31 208人 139人 96人 251人 43人 12.98%

 

年度 離職率比率
1ヶ月以内 3ヵ月以内 半年以内 1年以内 2年以内 3年以内
2011年 0.00% 11.11% 0.00% 44.44% 33.33% 11.11%
2012年 6.06% 12.12% 18.18% 12.12% 24.24% 27.27%
2013年 16.00% 14.00% 8.00% 22.00% 36.00% 4.00%
2014年 0.00% 3.80% 7.59% 39.24% 35.44% 13.92%
2015年 11.49% 10.34% 10.34% 14.94% 39.08% 13.79%

上記の表やグラフは、私たちが現在無料で公開している離職率測定エクセルテンプレートの一部を抜粋したものだが、

上記の様な数値があれば、

  1. 「どの期間の離職が多いだろうか?」と言う問題提起
  2. 「〇〇以内の離職者を〇〇人に抑える事を目標にしよう」と言う目標設定
  3. 「その目標達成率はどの程度だったか?」と言う結果の振り返り
  4. 「改善の為に、どの様な取り組みをしていくべきか?」という改善案の提案

という売上と同じように、成果を数値で客観的に評価することができるようになる。成果を客観的に評価出来れば、「どう改善するか?」と言う次の行動につながっていく。

そうした一度の会議で終わらない“1つの課題を解決するまで継続して取り組める仕組み”こそが、課題の解決につながるのだ。

大事なのは、「1回の会議で終わらせない。」、「制度を作っただけで終わらない。」、「継続して企画や会議・制度を運用していく。」には何が必要か?を徹底的に考え抜くことだ。

まとめ 数値が会議や取り組みを継続させる!

人手不足の問題は、どの規模の会社であっても深刻な課題であることを認識しているし、取り組みたいとも思っている。

「このままでは事業が継続できないし、顧客もいて、売上もあるのに、人手がないから縮小せざるを得ない。」と言う不安を抱えている。

しかし、「会議が続かない。」、「企画や制度を作ってもその運用が上手くいかない」、「行動するのは最初だけでいつの間にか忘れ去られている」のは、数値目標の設定と結果の振り返りが出来ない事が根本的な原因だ。

逆に言えば、その成果を数値で可視化さえしていれば、定期的に会議で話題に上がり、具体的な改善案はどうするか?来年の目標はどうするか?と言う話し合いが継続されていく。

あなたの会社で人材マネジメントが上手くいかない。と感じているのであれば、まず会議や具体案を考えるのではなく、どうすればそのマネジメント・その話題を継続できるか?ということを考える事から始めて欲しい。

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