離職損失コスト

生産性向上と働き方改革を同時に進めるためのマネジメント6手順

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「日本の生産性が低下してきている。」という話をあなたも1度は聞いたことがあるはずだ。そして多くの方が、生産性は設備投資やIT化、自動化をしないことには変えることが出来ないと誤解している。

実は、生産性に一番強く影響しているのはヒトだ。逆に言えば、そのヒト(社員)を変えることができれば、短時間で今まで以上の成果を出すことが出来るようになる。

短時間で高い生産力を持つことが出来るようになれば、労働時間を少なくしても、十分おつりがくる。

当記事では、大規模な設備投資をすることではなく、社員の管理方法を改善することで、自社の生産性を向上させ、同時に労働時間の短縮化を目指すことによって働き方改革を同時に推し進める方法をお伝えする。

会社の規模や業種に関係なく、マネジメント全般に通じることなので、あなたの会社でも容易に実行できる内容となっている。是非、最後までじっくりと読み込んでみて欲しい。

1.まずは、1人あたりの生産高を計算してみよう

では早速自社の生産性を計算する方法から見て行こう。作成するのは下記の表だ。

生産性を計算の仕方には様々なものがあるが、まずは簡単な計算からしていこう。1つ目は【年間の売上から現場の作業社員人数で割ることで計算できる1人当り生産高】だ。

ここで重要なのは、管理職やスタッフ業務など直接生産に関わっていない社員を抜いた人数(作業社員数)で割るようにしてほしい。その理由は、「現場社員を1人雇えば、どれだけの生産力を確保できるのか?」と言う1人当りの単位を知るためだ。

この数値単位は今後様々な分析をする際の基準になる。

そして【年間売上÷年間業務合計時間で1時間当たりの生産高】を計算しておこう。これも後の計算で非常に重要になる。

1.1 社員1人当りの生産力を計算するために必要なデータを準備しよう

では更に自社の生産性を詳しく分析していくための数値作りを行っていこう。以下のデータは私たちが提供しているコスト分析ツールの入力シートの一部を抜粋したものだ。 

自社の生産性を分析するためには上記の表が必要となる。各用語の説明は以下の通り。


上記のデータが作成できれば、その数値から以下の表を作成しよう。 

これで社員1人当りの年間労働力を計算することが出来た。

上記のデータの作成が難しい場合は、計算式から求めなくても、手間と時間はかかるが、各社員の年間労働時間を集計して合計を出してもOKだ。その後で新人・標準社員・優秀社員の3つのグループに分けて、それぞれの人数で割れば、平均の労働力を計算することが出来る。

そして冒頭で説明した1時間当たり生産高を労働時間と掛ければ以下の表が完成する。

 1.2 社員1人当りの貢献利益を計算しよう

上記の表から年間支払っている給与を引くと1人当りの粗利益を計算することが出来る。それを私たちは社員1人当り貢献利益と呼んでいる。

また新人社員は、採用・育成にコストがかかっているので、その分の育成コストを差し引いている。それが以下の表だ。この表の計算方法は以下の記事から引用したものなので、詳しくはそちらを参照するようにしてほしい。

これでやっと自社の社員1人当りの生産性を出すことができた。あなたの会社では、1人の現場社員(アルバイト)がどれだけの生産力を発揮しているだろうか?

この1人当りの生産単価を改善していくことが最終目標となる。

2.生産性向上の施策であるリテンションマネジメントを実践しよう

ここまでで勘の鋭い方はもうお気づきかもしれないが、先ほどの貢献利益の表の中に生産性向上のヒントが隠されている。

下記の表は先ほどの貢献利益の表を見やすいようにグラフ化したものだ。

上記のグラフを見れば、生産性にかなりの差が存在していることがわかるはずだ。このことから自社の生産性を向上させるには大きく2通りの方法がある。

  1. 新入社員を極力減らし、生産性の低下を防ぐ。
  2. 優秀な社員の離職を減らし、生産性の低下を防ぐ。

一見するとAの方法は消極的に見えるかもしれない。しかし、実際はそうではない。親友社員の離職を減らせば、必要な採用人数は最小限で済む。新入社員の離職が発生することで、実際は必要以上の採用をする結果になってしまうのだ。

そのことを考えるとAの方法は以下の様に再定義できる。

A´.早期離職者を減らし、必要とする採用人数を減らす。

2.1 生産性向上手法としてリテンションマネジメントが最適な理由

先ほどの社員1人当りの生産性をそれぞれ割ることで、離職された場合の単価を出してみよう。その計算をしたものが以下のものとなる。

上記の表を見れば、1人の社員が離職することで、どれだけの生産性低下がおきるのかがわかるはずだ。上記の表は以下の3つの効果を含んだ数値となっている。

  1. 離職が発生することで、どれだけの生産性の低下が起きるか?
  2. その低下を補填するには、どれだけの採用が必要になるか?
  3. 採用で補填することによって、増加する採用・教育コストがどれだけかかるか?

もちろん、全てを採用で解決することはなく、残業や休日出勤などでもカバーできるが、それも限界がある。

それほど、離職という物は、会社の生産性を大きく落とす要因になっている。だからこそRableでは、離職を改善するリテンションマネジメントを重要視している。なぜなら、設備投資や多くのコストをかけずとも実践できる非常に現実的な経営改善手法であるからだ。

2.2 離職改善による生産性向上とコスト削減効果見込みを計算しよう

では実際にリテンションマネジメントが生産性に与える効果を見て行ってみよう。私たちのテンプレートでは以下の黄色のセルに離職率改善目標が入力すれば、自動でコスト削減見込みが自動計算される仕様になっている。

上記の表は先ほどの単価を基に離職が改善されれば、どれだけの生産性低下を防ぎ、どの程度のコストの削減を見込めるかを計算したものだ。

それをまとめたものが以下の表となる。

離職という物はかなりのコスト負担を会社に発生させる。

1人の社員を失うという事は下記の3つの投資が無駄になるということだ。

  1. 新しい社員を採用する為のコスト
  2. 新人が仕事に慣れるまでに払った給与コスト
  3. 新人に仕事を教える為に先輩社員が本来生産時間に充てられたはずの時間コスト

新入社員は、仕事が遅いだけでなく、管理や手直し、指導、教育を必要とすることから、職場の生産性を低下させる。そういった意味で、新入社員と離職社員の価値はイコールではない。だからこそ、離職が多い職場では、生産性は決して高くならない。

最終的なコスト削減効果は以下の合計数値となる。

上記の例では、【採用・育成への投資効果】がマイナスとなっているが、このデータは採用を拡大しようと考えている場合にも効果的となる。

採用人数を何人にすると「採用・教育コストがどれほどあがるのか?」、そのことから「現場の生産性はどの程度低下してしまうのか?」を事前に把握できるようになる。

3.生産性を上げるためには数値ベースの管理を徹底しよう

私たちが、ここまでリテンションマネジメントを金額ベースで計算することにこだわっている理由はたった1つだ。

数値目標がないと人は動かないからだ。管理職や職場に「生産性をもっと高めよう」という目標を与えても、結果は何も改善されない。

しかし、当記事でご説明したように具体的な数値、そしてそれに基づく根拠を作成することで「離職率を〇人におさえれば、〇円のコストを削減できる。絶対に〇円のコストを削減しよう」と言えば、社員たちはその削減金額を達成するように動くようになる。

そして、金額ベースで目標を設定できていれば、実際に数値に出してみて、目標達成率は何%で、いくらのコストが削減できた?と言う結果の振り返りが出来るようになる。

重要なのは「いくらのコスト削減が達成された。」と言う事実を社員にフィードバックできるようになることだ。

なぜなら、その数値をみせれば、次は「もっといい数値を出そう」と言ったように次の行動につながるからだ。

あなたの会社でも売上を意識しない人はいないだろう。それは、「売上はいくらだった。」、「目標にはいくら足りていないのか?」と言う金額で結果を振り替えることが出来ているからだ。

企業である以上、金額からは逃げることが出来ない。社会的にみて良い事もそれが金額で評価できなければ、「それを改善しよう」と強く動機づけることは出来ない。

だからこそ、私たちは、自分たちの語りや指揮能力を成功の要因にしない。「課題を解決するために数値化できたか?」、「誰からも見て、それを目指そうと思えるような数値を作り出すことが出来たか?」ということだけにこだわっている。

適切な数値を作り出すことが出来れば、それを目標に社員たちは、最高のレコード(金額)を出そうと動機付けられると信じているからだ。

「百閒は一文に如かず」といったように、100の言葉よりもたった1つの数値が人を動かすことの方が多い。

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